過去のWEB拍手返礼小ネタ文
第一弾、テーマは「ありがとう」でした。
リョ不二編
ゲームセットの声と共に、歓声が湧き起る。
その中を僕は適当に愛想を振りまきながら、自軍の元へ。
パチパチパチ……
ひとつだけ、特別激しくも無いそれが何故か際立って耳に入った。
「珍しいね?越前」
「良い試合、でしたんで」
周りの歓声が、遠ざかる。
他の雑音はいらない。
自然、頬が緩むのが自分でわかる。
「ありがとう」
君からの賞賛が、何よりも愛おしく、嬉しい。
短く纏まった時は成功だと思ってます。
太楊編
「で?」
「綺麗でしょう?」
サラリと蒼い髪を靡かせて、オプションの花が嫌味なくらいに似合っている佳人が微笑む。
「儂は何のつもりなのだと聞いておるのだが?」
「薬草茶にもなるんですよね、この花。いくらか摘んで行きましょうか」
普段はサボると目くじら立てるくせに、有能な副官殿の導きの先には花しかない。
「楊ゼン!」
「効能は『精神安定』だそうです」
「………嫌味か?」
「まさか」
プチリと、白い花がもぎ取られた。摘むのではなく。
「この忙しい時に、おぬし何を考えておるのだ?」
「忙しい……ですか。確かに。だけど普段の貴方ならば何のかんのと理由を付けてサボる程度の忙しさです」
「まるで怠けて欲しいかのような言い方だのう」
「かも、しれません」
「は?」
「忙しいだけなら僕にも処理できます。
貴方は貴方にしか出来ないことを成すのですから、貴方らしくいて貰わなければ困ります………太公望師叔」
「楊、ゼン……」
「貴方のせいじゃありません。そして、貴方のおかげです」
フワリと綻ぶその様には、周りの花すら色褪せる。
「その……スマヌな、心配をかけたようで……」
そこで一呼吸置いて、
真に紡ぐべきは感謝の言葉
これ、高校の時に書いたメモの一部です。その内完成版をUPしたいと思いつつ、今に至ります。
キルクラ編
「高みを目指すのは良い事だけどさ。オレ達もそうだし」
「何か含みを感じるな?」
「無闇に火に近付きすぎた虫は灼かれるし、陽に近付けば蝋は融かされる」
「ロウ……?ああ、神話か」
「アンタは本当の翼を持ってそうだと思うけど、今のソレは紛い物だ。無理して固めていたって、その内ツナギが融けてバラバラになる」
「構わない。目的さえ叶えられれば落ちる先が海だろうと地獄であろうとな」
「わかってる。だから止めたりなんかしないけど、せめてその時はオレ達の傍に居ろ」
「…………?」
「隣に居るなら同じ位置まで引き上げる。そうでなくても見える位置に居るなら受け止めるくらい、してやれるから」
「………随分と成長したものだな」
「何だよ、文句あんのか?」
「いや……………ありがとうと言っているんだ」
これも高校の時のメモの一部。これもその内ちゃんとUPしたいなぁ。
羽&飛編
「遊んでよ、飛鳥ちゃんってば」
「馬鹿に答える口は持ち合わせてない」
「いーじゃんちょっとくらい付き合ってくれたって」
「テメェのちょっとは当てにならないからな」
「何でそう冷たいかな、もう」
「生まれつきだ、諦めろ」
「ロクに努力もせずに生まれつきの一言で片づけるのは如何なもんかと思うけど」
「どっちにしろ付き合う義理はない」
「一々可愛くない言い方、もう少し愛想良くしても?」
「もう黙れ」
「冷静はいいけど冷淡や冷血・冷酷は人生渡るのに損なだけなんだから」
「楽観的が過ぎるよりはマシだ」
「駄目だよそれじゃあ楽しめないじゃん…………………………えーっと」
「勝負あったな」
「えー?……あーあ、言葉遊び系で飛鳥ちゃんに負けるとは思わなかった」
「無駄が多いんだ、お前は」
「そうだねー。『〜じゃん』とかは不利だしね………おや京太くんどしたの変な顔して」
「聞いてて寒くなる様なしりとりすんなってのと、飛鳥がそれに乗ってる事が意外でな………」
「僕だってそうそう蔑ろにされてる訳じゃないけど………うん、でもそうだね。飛鳥ちゃん」
「お付き合いいただき、感謝v」
最後の一文は余計だと思ってるのですが、他の場所にテーマである「ありがとう」が入らなかったので仕方なく。
この話のネタは思音さんが考えたものです。
写真その1
写真その2