わたくし流モダンジャズ道
モダンジャズとの邂逅 マイルスデイビス ソニーロリンズ ジョンコルトレーン お気に入りのアーティスト モダンジャズにかける私の夢 エピローグ

U 進化するモダンジャズとともに ・・・お気に入りのアーティスト編


進化するジャズの砂時計・・・

 偉大なるジョンコルトレーンの死、そしてマイルスデイビスの死は、モダンジャズ界に大きな衝撃と悲しみを与えましたが、ではその後のジャズシーンは混沌としたのか、と言うと、そんなことはありませんでした。

 偉大なジャズジャイアンツの足跡、軌跡は、かつてアメリカのジャズとされたものが、さらに進化し、うれしいことに世界共通の普遍のジャズにまで昇華させたのです。

 かつて言われたようなメインストリームというようなものは確かにありません。ジャズといった境界線を引くことさえ、もう古いのかもしれませんね。
 世界のあらゆるジャンルの音楽が混じり合って、化学反応を起こし、岡本太郎さんではありませんが、爆発させる、わたくし流の言葉で言うと、生命エネルギーを発露させる音楽になったんですね。

 これこそジャズのエッセンスであり、ジャズのさらなる進化を可能としているのではないでしょうか。日本のジャズミュージシャンたちが、アメリカの、そしてヨーロッパの大勢のミュージシャンと共演しても、なんら違和感を感じないばかりか、リードさえしている現実は、このことを証明していると思うのです。

ありし日の斑尾ニューポートジャズフェスティバル会場 ありし日の斑尾ニューポートジャズフェスティバル


右の二枚の写真は、思い出の斑尾ニューポートジャズフェスティバルでの会場スナップです。(2003.8.2 信州斑尾高原にて、写真にマウスポインタをあててみてください)
 1982年に始まったこの伝統ある音楽祭も20回目となるはずであった昨年(2004)は、とうとう開催されなかった。今まで多数の日本ミュージシャンが参加し、セッションでは世界中の一流アーティストたちと一緒に熱演が繰り広げられたのだが・・・。


 とまれ、マイルスにしても、コルトレーンにしても、彼らのかつての演奏を聴けば、その時代が分かってしまうんですね。まぁ、ジャズシーンを切り拓いてきたわけですから、当たり前と言えば当たり前ですが。
 そういうことからすると、この二人は、まさに「ジャズの歴史を刻む砂時計」と言っていいでしょう。奇しくも、この偉大なるお二人は、1926年生まれの同い年なんですね。

 若かりしころ、わたくしはこの二人とロリンズのレコードだけは、ディスコグラフィーのすべてを集めてやろう、なんていう無謀なことを考えた時代もあるのです(若気の至り、オリジナル盤にはこだわりませんでしたけどね)。
 しかし、幸か不幸か世はCD時代に移ってしまい、このもくろみはもろくも崩れ、それこそ好きなアーティストだけの、まさに一発勝負のつまみ食いとなってしまいましたね。

 先のスリージャイアンツだけは、いくらか系統的にレコードを集め手元に残ったので、これだけの原稿が書けたと言うご利益があったんで、まぁ、置き場に困って処分だけはしなくて良かった、と言うことにしておきましょう。多少厳選しなければならないと言う、贅沢な悩みはありましたが。

 そういうわけで、数少ない在庫の中から、他のお気に入りのアーティストについても、若干触れておきましょう。

ビルエヴァンスとスコットラファロ ・・・思索の世界へといざなう二人

レコードジャケット写真28  ビルエヴァンス(1929-1980)は、1958年2月にマイルスデイビスクインテットに参加し、ジャズ史上の比類なき名盤となった「カインドオブブルー」(CBS 1959.3-4録音)では、すでに後年のビルエヴァンスらしさが聴けて、マイルスのモードジャズに華を添えていますね。

 そして、この年(1959年)の秋に、いまや伝説的ともなった名ベーシスト、スコットラファロと出会い、エヴァンスでなければできないリリシズム、甘味で耽美な世界が実現することになるのです。

 ラファロ(1936-1961)は、エヴァンスと出会い、従来のリズムキーパーとしてのベースから、完全に対等なソロイストとして地位を確立させました。
 それでなくても哲学的とも思えるエヴァンスのピアノに、執拗なまでにからんでいくラファロに、わたくしの感動はもう、どうにも止まらなくなるのです。

 不思議と気分的に沈んでいるときに聴くと、この二人の奏でる響きは、どういうわけか、沈むところまで沈めば、また立ち上がるしかないのさ、とわたくしに ささやきかけてくるような感じがするのです。

 エヴァンスとラファロとのアルバムは、このわたくし流モダンジャズ道の真っ先にかかげた「ポートレイトインジャズ」(Riverside 1959.12.28録音)と、二作目となる「エクスプロレイションズ」(Riverside 1961.2.2録音)がありますが、極めつけは、1961年6月25日にニューヨークのクラブ「ビレッジヴァンガード」に出演したときの「ワルツフォーデビー」と「「サンデイアットザビレッジヴァンガード」の二枚でしょう。
 エヴァンス、そしてラファロが加わったこのトリオの演奏が、以後のジャズの演奏法を決定的に変えることにもなったのです。

 このライブアルバムを制作したオリン・キープニュースによれば、1961.6.25は午後2回、夜3回のステージで13の曲目* を演奏したと言う。
 そして、この10日後に、ラファロは交通事故で突然この世を去るのですね。この日のラファロのベースには、何か、一緒に奥深くに引きずり込まれてしまうような、すご味をわたくしは感じるのですが・・・。

 * 当夜の演奏曲目 ( )内は演奏回数
 My Foolish Heart(1), Waltz For Debby(2), Detour Ahead(2), My Romance(2), Some Other Time(1), Milestones(1), Gloria's Step(3), My Man's Gone Now(2), Solar(1), Alice In Wonderland(2), All Of You(3), Jade Visions(2), Porgy(1)

*ジャケット写真28 ビルエヴァンストリオ・サンデイアットザビレッジヴァンガード
 ビルエヴァンス(ピアノ)、スコットラファロ(ベース)、ポールモチアン(ドラムス)のトリオによる演奏。心臓の弱い人は聴かないほうがいいかもしれない。そのくらい息のつまるような3人によるインタープレーが繰り広げられる。
 悲しいことに、このメンバーでの最後のレコーディングとなってしまいました。そして、本盤は急遽ラファロの追悼盤(Featuring Scott La Faro)としてリリースされることになってしまったのです。それにしても、です、後世に残してくれたオリンキープニュースと、この幸運にわたくしたちファンは心から感謝しないといけませんね。
 この手元のジャケットは、おもしろいことに再発輸入盤のせいでしょうかね、タイトルが「Bill Evans Live At The Village Vanguard」となっているし、ビルエヴァンスが正面を向いていませんね。中身は間違いなく当日の演奏なんですね。でも、エヴァンスにはシンプルで清楚なオリジナルジャケットのほうが似合うのかな。 Riverside 1961.6.25録音 (ジャケット写真28にマウスポインタをあててみてください)


 この日のエヴァンスについては次章でもう一度取り上げることにしましょう。また、近年CDで出されたこの日のコンプリート盤などについては、こちらをどうぞご覧ください。

スコットラファロ、その生涯と音楽 *天才ベーシスト・スコットラファロについて、モダンジャズファン、そして、とくにラファロのファンにとって飛び上がるようなうれしいご本が出版されましたね。『スコット・ラファロ、その生涯と音楽〜翡翠の夢を追って〜』(右写真 国書刊行会出版 2011.3.15初版発行、3570円)です。

 著者は、共に暮らし身近に見てきたラファロのすぐ下の妹、ヘレン・ラファロ・フェルナンデスで、翻訳が、これまたジャズを知り尽くした中山康樹・吉井誠一郎の両氏であるだけに、ラファロの人となりや、当時のジャズシーンが手に取るように分かる素晴らしいご本です。ヘレンによれば、兄スコッティはエヴァンスとの運命的な出会いとともに、なぜか自分の死をも予感していたと書いています。ラファロが加わったビルエヴァンストリオのCDを聴きながら本書をお読みになることを、ぜひおすすめします。(2011.9.20追記)

セロニアスモンク ・・・きっと創造的な何かが生まれるアーティスト

レコードジャケット写真29

 セロニアスモンク(1920-1982)は、正直言って、あまりにも高潔というか、意表をつかれるというか、ふだん聴くにはちょっと疲れるんですが、一度聴いたら、やみつきになる(クセになる)辛口のミュージシャンでもありますね。

 モンクは「マイルスデイビスアンドザモダンジャズジャイアンツ」(Prestige 1954.12.24録音)A面、B面2,3と、同日収録された「バグスグループ」(Prestige) A面の、いわゆるクリスマスセッションでマイルスと共演し、マイルスのソロのときはピアノのバッキングをやらせなかったと言う喧嘩セッションもどきの話など、個性の強いふたりは、何かと話題はつきないのですが、マイルスがその後さかんにモンクの曲を演奏しているところを見ると、作曲家モンクを尊敬していたのでしょうね。

 モンクがリーダーとなった名盤と言われるアルバムも何枚かあるのですが、わたくしには、ちょっとアクが強すぎるので、どうしてもサイドにまわったモンクのほうを、ふだんは聴いてしまうのですが・・・。
 ここでは、コルトレーンも加わっている、ちょっとおもしろいリーダーアルバムを紹介しましょう。 (文句ない? あ〜ぁ、言わなければいいのに。Monkは修道士、僧という単語であることから「バップの高僧」なんて呼ばれてますよね)

 モンクの代表的な名盤ともなっている「モンクスミュージック」です。
 メンバーがまたすごいのです。リーダーのモンクに、ジョンコルトレーン(テナーサックス)、コールマンホーキンス(テナーサックス)、ジジグライス(アルトサックス)、レイコープランド(トランペット)、ウィルバーウェア(ベース)、アートブレイキー(ドラムス)が加わっているのです。

 油井正一さんがお書きになられたライナーノーツによれば、A面の曲目「ウイルユーニードント」は、モンクが、ツーコーラス目(ワンコーラス32小節×2)の最後の1小節を間違えて早く終わったところで、ブレイキーも勘違いして「ナイヤガラの瀑布」を入れてしまったので、こんどは、ウェア、コルトレーンがあわてるといったドタバタセッションなんだそうです。
 こんな聴き方をしてみるのも、またオツですな。ライブでは、結構こんなことがあるんですがね。まぁ、そんなこんなでも、バラバラにならないで、一大傑作になると言うのだから、ジャズはホントおもしろいですね。

 困ったことに、世にモンクのこれぞベストアルバムといわれる「ブリリアントコーナーズ」(Riverside 1956.12.17 12.23録音)は、ソニーロリンズ(テナーサックス)、アーニーヘンリー(アルトサックス)、クラークテリー(トランペット)、オスカーペティフォード(ベース)、ポールチェンバース(ベース)、マックスローチ(ドラムス)という超一流のメンバーとの共演ながら、わたくしは何度聴いてもなんでこれが名盤なのか、今もって分からないでいる。

*ジャケット写真29 モンクスミュージック
 間の取り方が実にうまいセロニアスモンクが入ると、ピーンと張りつめた緊張感が聴き手にまで伝わってきて、これがたまりませんね。
 それにしてもサイドメンは、みんな超ベテランアーティスト、中でもコールマンホーキンスの参加には驚きですね。でも別におかしくありませんね。 Riverside 1957.6.26録音


ウェスモンゴメリー ・・・驚異のギター、オクターブ奏法を聴く

レコードジャケット写真30 ウェスモンゴメリー(1925-1968)は、独学でギターをマスターし、あの厚みのある彼独特の必殺技、オクターブ奏法を完成させたのです。
 彼は59年に、キャノンボールアダレー(アルトサックス)に認められ、そのあと世にその名を知らしめることになるのです。

 「インクレディブルギター」(Riverside 1960.1.26 1.28録音)もいいが、ここはフィリージョージョーンズでなく、ジミーコブがドラムスの「フルハウス」にしておきましょう。

*ジャケット写真30 ウェスモンゴメリーのフルハウス
 ウェスの驚異的なテクニックで、ライブならではの気迫のこもった熱演が聴かれる。
 メンバーは、ウェスモンゴメリーのギターに、ジョニーグリフィン(テナーサックス)、ウイントンケリー(ピアノ)、ポールチェンバース(ベース)、ジミーコブ(ドラムス)のクインテットによる演奏。リズムセクションの3人は、もちろん当時のマイルスコンボのレギュラーメンバー。
 ジョニーグリフィン(1928-2008)のテナーが、これまたいい仕事してますね。 Riverside 1962.6.25録音

スタンゲッツ ・・・ボサノバのゲッツではないゲッツに迫る

 突然ですが、わたくしはボサノバ大好き人間でもあります。ラテン系全般が好きなのですが、その中でもボサノバは自然とからだが動いてきますね。ジャズとも相性が良くて、結構ボサノバ調で演奏されるものが多いですよね。

 スタンゲッツ(1927-1991)と言うと、どうしてもあのアストラッドジルベルト(ボサノバのヒット歌手) と一緒のイメージが強すぎて、カルロスジョビン(ギター、ピアノ)の甘い曲をつい口ずさんでしまいます。
レコードジャケット写真31
 しかしです、彼は、スタンケントン楽団とか、ベニーグッドマン楽団に入った後、ウディハーマン楽団で活躍し、いわゆるクールジャズの舞台で名を馳せることになる、れっきとしたクールテナーの第一人者だったのですね。

 ここはボサノバでないゲッツをひとつ聴いてみましょう。かつて都会の陰影を背負った蒼白いテナーなんて言われたゲッツですが、このころのゲッツには、どこか引きつけられるような妖しい魅力があるんですね。

 初期のゲッツのすがすがしいと言うか、さわやかなクールテナーの真髄が聴けるアルバムとして、「ザ・サウンド」(Roost 1950-1951録音) をあげておきたい。
 かつて、辛口の評論家で知られた粟村政昭さんに言わせれば、ボサノバ(のゲッツ)などは所詮は大人のお道楽に過ぎないとのこと。もちろんボサノバもいいとした上でのことだが、今の若い方には叱られるかもしれないが、けだし名言だと思う。

*ジャケット写真31 オペラハウスでのスタンゲッツとJJジョンソン
 当時ノーマングランツが主催していたJATPコンサートで行われたライブ盤で、シカゴのオペラハウスでのゲッツとJJジョンソンのエモーショナルでエキサイティングした演奏が聴ける。
 それもそのはずで、ゲッツ(テナー)、ジョンソン(トロンボーン)に、オスカーピーターソン(ピアノ)、ハープエリス(ギター)、レイブラウン(ベース)、コニーケイ(ドラムス)の超豪華メンバーなのです。
 リズムセクションは、要するにオスカーピーターソントリオ+MJQのコニーケイなんですね。
 それにしても、ものすごくスィングしています。スローバラードのB面「IT NEVER ENTERED MY MIND」のゲッツが、クールテナーの本領発揮といったところでしょう。
 ちょっと音域が狭いのは、ライブ盤だからしょうがないか。当時、まったくジャケットが同じモノラル盤が出ていたそうですが、中身はオペラハウスではないのだそうです。 Verve 1957.10.19録音


ブッカーリトル ・・・宇宙遊泳のフシギな気分が味わえる

レコードジャケット写真32 ブッカーリトル(1938-1961)も、夭折の天才トランペッターである。
 1958年にマックスローチのグルーブに入って、デビュー。1961年にエリックドルフィー(アルトサックス) とクインテットを結成しています。
 当時、バップからの脱却を志し、よりフリーなジャズに向かったひとりでしたが、残念ながら病に倒れてしまったんですね。

 彼のトランペットの透き通るようなあの美しい音色と音楽性が、わたくしを捕えて離さないのです。ブッカーリトルの流れるようななめらかでメロディアスなソロを、わたくしは聴くたびに、宙に舞い上がるような気分を味わうことになる・・・宇宙酔いこそしませんが。

 ジャズの世界に、「もしも」はないのですが、いま生きていたらなぁ、なんて、つい思ってしまうアーティストのひとりですよね。


*ジャケット写真32 ブッカーリトル

 メンバーは、ブッカーリトルのトランペットに、サイドメンがこれまたすごい。スコットラファロのベース、ロイヘインズのドラムス、ピアノが曲目によってウイントンケリーがトミーフラナガンに代わる。
 リーダーとなったアルバムは少ないのだろうが、この盤のどの曲を聴いても、すごいトランペッターだったんだなぁ、とつくづく思う一枚なのだ。 Time 1960.4.13 4.15録音

ウイントンマルサリス ・・・さては、ブラウニーの再来か

 第一章「モダンジャズとの邂逅」で紹介したように、名ドラマーのアートブレイキーは、若手の有望新人を発掘してくる名人だ。
 このウイントンマルサリス(トランペット)も、1980年に自分のバンドに引き込んだ。これがフォービートの神様、ブレイキーを元気に復活させることになったのです。まぁ、フリーだの、エイトビートだのと言っていたジャズシーンの救世主にもなったのですが・・・。

 それにしても、世の中にはすごい人はいるもんですね。あのトランペットを、まるで軽業師のようにラクラクと手玉に取ってしまうんですね。そのテクニックのすばらしさを引っさげて、本人はクラシックの世界へ行くつもりだったらしい。
 聞くところによると、オヤジさんが、そんなところへ行ったら親子の縁を切るぞ、と息子をおどしたらしい。どこかの国の親とはえらく違うね。まるで逆だがね(名古屋弁のつもり)。
CDジャケット写真33
 あれよあれよと、これだけ短期間で伝説的なアーティストになったのも、これまためずらしいですね。まさにクリフォードブラウンの再来を思わせるものでした。

 アートブレイキーのバンドにいたときの「キーストン3」(Concord 1982.1 録音)のライブ盤で聴くマルサリスもいいし、初リーダー作の「マルサリスの肖像」(CBS 1981.7-8録音) をはじめとしてすべていいが、ここは新鋭マルサリスが、昔からあるスタンダードナンバーをどう解釈し、料理していくかが聴ける「スタンダードタイムVOL.1 」を選んでみました。

 まだまだこれからも目が離せないアーティストのひとりであることは間違いない、ですよね。10代でアートブレイキーのJMに加わったマルサリスも、1961年生まれですから、もう43歳ですかね。

CDジャケット写真34 ブルーノートへ移籍しての近作の「ザマジックアワー」もぜひおすすめです。伝統的なジャズに新しい息吹を吹き込んでいる正統派ウイントンの真髄発揮というところでしょう。
 近年は若手のジャズミュージシャンの育成に力をそそいでおり、ここのところ天才児と騒がれているトランペッターのドミニクファリナッチ などウイントンスクールの優等生も出てきています。

 しかしです。ここのところ、とかく優しくてやわなジャズシーン(スリルがなくて物足りない?)にひとつ「喝」を入れていただきたいと願わずにはいられませんね。

*CDジャケット写真33 マルサリスのスタンダードタイム
 メンバーは、ウイントンマルサリス(トランペット)、マーカスロバーツ(ピアノ)、ボブハースト(ベース)、ジェフワッツ(ドラムス)と、いずれも当時は無名に近い若手によるエネルギッシュな演奏が聴けるアルバム。
 マルサリスに負けじと打ち出すドラムのジェフワッツの自由自在なリズムは、あのエルビンの延長線上(進化)にあるのでしょうね。これぞ新主流派ジャズと言っていいのかな。
 余談ながらここには参加していませんが、近年活躍しているテナーサックスのブランフォードマルサリスは、ウイントンマルサリスのお兄さんです。そうそうエルビンと共に長野へ来てくれたデルフィーヨマルサリス(トロンボーン)も忘れてはいけませんね。とにかく音楽一家なんです。 CBS 1986.5-9 録音 

マーカスロバーツトリオが、本年(2005)の8-9月にサイトウキネンフェスティバル松本(SKF)公演のため来日しました。ここには、マルサリス家の末弟ジェイソンマルサリス(ドラムス)が加わっているんですね。

*CDジャケット写真34 THE MAGIC HOUR
 いきなり一曲目からヴォーカルが入ってくるのに驚かされる。この女性ヴォーカルのダイアンリーヴスとミュートをつけたウイントンとの絡み合いがまたドキドキするんですね。
 ウイントンには、出生地であるあのジャズが発祥したニューオリンズの血がやはり流れているんですね。今回は伝統的なブルースの味を下地に、名コックさながらに旬な食材をウイントン流に料理してくれて、われわれ美食家の舌を満足させてくれる。
 全編マルサリスのオリジナル曲で演奏しているが、サイドのエリックルイス(ピアノ)、カルロスエンリケス(ベース)、アリジャクソン(ドラムス)が、芯の太いサポートでウイントンを支えていて、これまたすばらしい。どの曲もいいが、わたくしはやはりラストのナンバーでこのアルバムのタイトルともなっている「ザマジックアワー」が躍動的で一番好きだ。
 ヴォーカルにもうひとり、ボビーマクファーリンも加わっている。ただし、ヴォーカルが入っているのは2曲のみ。 BLUE NOTE 2003.6.6-7録音

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 (V モダンジャズにかけるわたくしの夢 へつづく 2005.4.10記 Copyright (C) 2005-2013 TOKU All Rights Reserved.)


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