えっ、アメリカへ・・・
 梶原善(かじはら ぜん)という俳優をご存じですか?三谷幸喜が主宰していた劇団”サンシャインボーイズ”の団員出身で、三谷ドラマにも欠かせない役者さんです。”君たちがいて僕がいる””振り返れば奴がいる”警部補古畑任三郎””王様のレストラン””合い言葉は勇気”など、一連の三谷ドラマに加えて、NHK大河ドラマ”秀吉”、最近では”マイリトルシェフ”などにも出演している売れっ子の俳優になりつつあります。

 個性派という言い方は少々使い古された感じですが、場面(舞台)に現れると、怪しげでおかしげで悲しげな、一種独特の雰囲気を醸し出す我々夫婦共に気に入っている俳優なのであります。最近観た三谷の舞台”彦馬が行く”で演じた桂小五郎役には腹をかかえて笑わされましたが、僕にとってはやはり”王様のレストラン”のパティシエ役が一番印象強く、ストーリーの中でも独特のオーラを放っていると思っています。

貴重な個性ゆえ、最近はあちこちのドラマに出演していて、ちょっと心配はしていました。

最近のTVドラマ制作の現場では、ちょっと個性的で面白いキャラの持ち主は、ドラマの質と関係なく重宝に使われ、視聴率のとれる人気俳優(モデルや歌手に毛の生えたようなといっていいのかどうか・・)と組まされ、脇で個性を発揮するみたいな図式が出来上がっていて、脚本次第なのですが、それは決して本人にとってプラスになっているかというとそうでなく、いつのまにかTVドラマから舞台の方へ活躍の場を移していることが多いですね。

 梶原氏についていえば、たとえば、最近出演していた”マイリトルシェフ”では、はっきり言っていまひとつの感じでした。脚本のせいか、描き込みが浅いため彼の個性がいまひとつぼやけていて本人もしっくりきてないような感じを受けました。

 そして突然に、先週の火曜夕刊に梶原氏が充電期間をとってアメリカに行くとの事が、三谷氏のエッセイに書かれていました。自分を見つめ直す目的で奥様と一緒に向こうに渡り、1〜2年充電するとのことでした。”他には内緒にしてるから秘密にしてね”と三谷氏に念を押したそうですが、実は親しい人ひとりひとりに同じ事を言っていたようで・・盛大な送別会が開かれたとのこと(爆)・・

 再来年の大河”武蔵”には必ず出演するだろうと期待していたので、あの演技がしばらく観られないのは非常に残念ですが、充電後の新たな演技に期待し、その決断に拍手を送ります。