俳句と川柳の違い





私は、川柳については全くの素人なので、「俳句と川柳の違い」と言っても、よく分りません。しかし単なる読者の一人として川柳を読むのは大好きです。

私なりに「上手い川柳と下手な川柳を見分ける基準」を考えてみました。

・不真面目な「滑稽」は ×
・大げさに笑いを欲しがる句は ×
・作った感じの不自然な句は ×
・川柳でも字余りだと、ギクシャクして笑えないので ×
・時期遅れのネタは笑えない ×
・「いかにもありそうだ、確かになあ・・・フフフ」というのが 〇

ま、こんな感じでしょうか。

例えば、今年のサラリーマン川柳ですが。
私の好みで勝手に選句すると。次のようになります。

第1部:実際の自分の経験
:『手紙書き 漢字忘れて スマホ打ち』(忘却の人)
:『顔認証 今では無理な クラス会』(ご同輩)
:『来春は 10連休だが 定年後』(蓼喰う虫)

第2部:サラリーマン、多分あるある
:『組織人 英語で言えば YESMAN!』(NO MAN)
:『効率化 他部署に負担が 移動した』(にしびん)
:『意見出せ 出したとたんに 担当者』(七色とうがらし)

並選
  『効率化 提案会議で 残業か』(疲れる)
  『新人の 名前が読めぬ 時代来た』(真珠2シャイ)
  『上司から ともだち申請 見ないふり』(公私混同)
  『定年が 手招きしつつ 遠ざかる』(マリちゃん)

川柳も時代により、また読者の年代により、面白さの感じ方が違って来るのじゃないでしょうかね。
バブルの頃の川柳と、現代の川柳は違うでしょうし、壮年期に読んだ頃と、熟年期に読んだ時との感じ方も違うような気がする。

どうも最近のサラリーマン川柳の傾向を見ると、合理化や働き方の変化を詠んだものが多いように感じます
やはりLINE等ネット利用の拡大や、人手不足等の時代背景が、影響しているかも知れませんね。

ついでに。
我々は、俳句をやっておりますが、俳句においても諧謔味は、大事な要素の一つとも言われています。
しかし俳句の諧謔味と川柳の滑稽は、自ずから似て非なるものだと思います。

子規がこの点に触れた文章がありますので、」引用してみます。

「真の滑稽は真面目人間がなしうる。滑稽も亦文学に属す。 然れども、俳句の滑稽と川柳の滑稽とは、自ら其の程度を異にす。
川柳の滑稽は、人をして抱腹絶倒せしむるにあり。俳句の滑稽は、其の間に雅味あるを要す。
故に、俳句にして川柳に近きは俳句の拙なる者。若し之を川柳とし見れば、更に拙なり。
川柳にして俳句に近きは、川柳の拙なる者。若し之を俳句とし見れば更に拙なり。」

私なりの川柳と俳句の違いに追加です。
川柳は、身近に起きた出来事をタイムリーに詠むのが、成功の秘訣だと思いますが、俳句の場合は、いわゆる際物というのは避けるべきだとされています。
言葉も最近できた言葉は使わず、ある程度世の中に定着した言葉を用いるのが、良いとされています。

また俳句は、韻文であるから感覚で感じるもので、論理的に理解するものではない」とされていますね。
しかし川柳は、笑えてナンボですから、先ず読者に笑いのキモの部分が理解されなければ、どうにもなりません。
従って、「意味の分からない川柳は×」というのが、先ず最初に来るんじゃないでしょうか。
これも俳句と川柳の違いと言えるかも知れません。(俊童)



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