夏祭り山鹿灯籠踊りに寄せて    松本早苗

     

熊本県山鹿市では毎年8月15~17日に渡り、山鹿灯籠夏祭りが開催される。
山鹿は熊本県北部に位置する小さな山間の町である。
祭りの発端は一説に景行天皇がこの地を巡幸された際、濃霧が立ち込め進路を見失ったことに地元住人が松明を灯して大宮神社まで誘導したことに始まる。

はるか古代より受け継がれたこの祭りを見物しようと早速、一日バスツアーに参加した。 辺りが薄暗くなる頃、頭に付けた灯籠に灯りが揺れて浴衣姿の若い女性や子供逹がよへほ節に合わせ町中を妖艶に踊り歩くのである。
やがてその数は千人の灯籠の輪になり、見る者を圧巻する。今では外国からの観光客も多いようだ。

因みに、よへほ節の元唄は男女の逢瀬、呼び合いを歌った土俗風のもので「あなたもお酔いよ、ほらっ」と言った意味合いのようだ。
その節回しは、とても優しく心に染みる。私も許されるならこの輪の中に紛れ込んで踊ってみたいとも思った。山深き小さな町の灯籠夏祭りは静かで妖艶な風の盆に並び、とても印象深い。

帰りには山鹿の温泉にゆっくりと浸かり心身ともに癒されるのも一案だ。

   ☆踊り女の風に艶のせよへほ節

   ☆子の傾ぐ灯籠おどり匂ひ来る

   ☆流し目の間合ぴたりと踊唄

九州に移り住んで6年、俳句歴まだ2~3年の頃の事。
句材に事欠かない恵まれたこの地を改めて懐かしく思い出す。
皆様もぜひ行かれてみては如何ですか?お薦めです。

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