ニムブレンド


「なんだか、ジャンクシティの世界みたいね」
 と、榛名が言った。
「ジャンクシティ? どこが」
 カウンターの向こう側で、コーヒーを淹れている那智が聞き返す。
「今日の天気がよ」
 榛名は、窓の外を見ながら答えた。
「寒くって、空には鉛色の雲。これで雨でも降り出せば、まさにジャンクシティの世界よね」
「そうかな」
 那智は首をかしげた。
「ぼくには、そういう印象はないけどなァ、あの作品に」
「それは、キャラクターに印象が引きずられてるからよ。ニムちゃんカワイイし、竜一はちょっと三枚目でしょ。メイフォアは絶世の美人。となれば、確かに陰気な雰囲気はないわよね。でも、ジャンクシティの世界って、季節はいつも冬なのよ。竜一がニムちゃんを拾ったときからずっと。全部のシリーズがね」
「言われてみればそうかな」
 那智は、苦笑しながら言った。
「それにしても、榛名はTERUさんの作品をよく読んでるよね」
「ファンだもの」
 榛名は、那智の言いたいことを察して、軽く肩をすくめた。
「那智だって、好きな作家の一人や二人いるでしょ。私はそれが、たまたまシロウトのオンライン作家だったってだけよ」
「わかってるよ、もちろん」
 那智は、ニッコリ笑顔を浮かべると、榛名のために淹れたコーヒーを出した。
「ありがと」
 榛名は、カウンターに出されたカップを口に運んだ。
「うん。那智のコーヒーっていつ飲んでも美味しいわ。これを飲みに帰ってくるようなもんね」
「ぼくに会うためじゃなく?」
「ふふふ。もしそうだったらどうする?」
「さあね」
 那智は、苦笑しながら肩をすくめた。
 那智には、榛名が冗談を言っているのだとわかっていたが、それを完全に冗談だと信じる余裕がないのも事実だった。ただいまは、榛名との二人きりの時間を大切にしたい。そう思うだけだ。願わくば、あと一時間。いや三十分でもいい。お客がだれも入ってこないで、彼女とのゆったりした時間を楽しみたかった。
 だが。願い事は叶わないと相場が決まっていた。吾眠のドアが開いて、客が入ってきたのだ。
「いらっしゃいま……」
 いつもの口調で、客を迎えようとした那智の声が途中で途切れた。榛名も何事かと思って入り口を見た瞬間。思考が停止した。
 その客は、男女のカップルだった。
 男は身長180以上の長身で、黒い革のハーフコートを着ていた。シャツもスラックスも黒で統一していて、どことなく精悍な印象を放っていた。女の方は、170センチを少し越える身長で、ショートカットの似合うボーイッシュな雰囲気だった。だが、腰の周りが絞られたサファリコートと、モスグリーンのオフタートルネックセーター。そして、スリムな革のパンツにブーツという姿は、彼女のファッションセンスが、かなりいいことを物語っていた。まるでファッション雑誌から抜け出てきたような感じだ。
 那智と榛名は、その二人がカウンターに座るところを、目で追っていた。その首の動きは、まるで操り人形のような動きだった。いや、金縛りにでもあったと言うべきか。なぜなら、この男女は、たったいままで話をしていた、ジャンクシティの登場人物そのものに思えたからだ。そう。竜一とニムに。
「う〜っ」
 カウンターに座った女が、手をさすりながら連れの男に言った。
「今日はすごく寒いね、竜一」
「ああ」
 男も、女のとなりに腰をおろしながら応えた。
「もう真冬だよな。張り込みがきついぜ」
「だよね。なんであの女、ずっとホテルから出てこないんだろう」
「オレに聞くな。というか、オレが聞きたい。同じ女として、ニムはどう思われますか」
「あのね。わたしに、浮気する女の気持ちがわかるわけないぞ。そういうことは、メイフォアに聞くといいぞ。じつは詳しいかも」
「うわ。メイフォアが聞いたら怒り狂うぞ、その発言」
「いいもん。メイフォアなんか怒ったって恐くないもん」
「オレは恐い…… って、なにを言わせる」
「竜一って、たまに本気でボケるよね」
「そうなんだよ。ああ、正直者に生まれた自分が恨めしい」
「また、バカ言ってるぞ」
 ニムは、竜一のくだらないジョークにクスクス笑った。
 那智と榛名は、彼らの会話を聞きながら、相変わらず絶句していた。見た目の印象が竜一とニムというだけでなく、竜一とニムとしか思えない会話。これで驚かない方がおかしかった。
 そんなバカな……
 彼らは喫茶店「吾眠」に来るはずのない、いや、そもそも現実世界に存在するはずのない小説の中の登場人物だからだ。もし仮に彼らが存在するとしても、それはずっと未来のはずだった。竜一が生まれたのは――いや生まれるのは――西暦2113年のはずだ。
「ところで」
 と、竜一が、那智に視線を移した。
「この店は、客に水の一杯も出さないのかな?」
「あっ……」
 その一言で、那智の金縛りが解けた。
「し、失礼しました」
 あわてて、竜一とニムに水を出す。
「あはは」
 ニムが笑った。
「ごめんなさい。気にしないでほしいぞ。この人、つい皮肉を言っちゃうクセがあるだけだから」
「え、あ、はい。ははは」
 那智は力なく笑った。思考が混乱する。
「コーヒー」
 と、竜一。
 ニムも続けて言った。
「わたしも、コーヒーが飲みたいぞ。えーと、マスターのご自慢のブレンドがいいぞ」
「はい。少々お待ちください」
 那智は答えてから、ふと思い出した。そういえばニムは、コーヒーを淹れることにかけてはエキスパートだった。すべてのシリーズで、ニムのコーヒーを飲んだすべてのキャラクターが、一人の例外もなく、ニムのコーヒーを誉めていた。
 こ、これは緊張する。
 那智は、ゴクリと唾を飲み込んだ。いつもはサイフォンで淹れるのだが、この二人には特別にネル・ドリップで出そうか。なんてことまで、真剣に考えてしまった。
 すると、那智の緊張を感じた榛名が小声で言った。
「那智。大丈夫よ。あなたのコーヒーは美味しいんだから」
「う、うん。そうだね」
 那智は、榛名にうなずいた。そうだ。シャンクシティの世界の住人は、合成コーヒーばかり飲んでいて、だれも本物コーヒーを飲んでいないから、ニムのコーヒーを美味しく感じるだけだ。
 那智は、そう自分に言い聞かせて、いつも通りサイフォンの準備をした。だが、その様子をじっとニムが見つめているのに気づいて、喫茶店のマスターとしては、どことなく落ち着かないというか、もっと大げさにいうと、生きた心地がしなかった。もっとも、竜一の方は、コーヒーの淹れ方になんかまるで興味はないらしく、安っぽいライターで、タバコに火をつけていた。
「あの……」
 榛名が、恐る恐る、竜一たちに声を掛けた。
「なに?」
 と、ニム。
 榛名は、ニムに顔を向けられて、一瞬後悔したが、思い切って、言葉を続けた。
「間違ってたらごめんなさい。お二人は、竜一さんとニムさんですよね」
「そうだぞ。なんで、わたしたちのこと知ってるんだ?」
「いえその…… 有名な探偵さんだからですよ」
「お嬢さん」
 竜一が、にこやかな笑顔を浮かべた。
「名前が知られた探偵なんて、足を怪我した競走馬みたいなものですが、あなたのような女性に声を掛けていただけるなら―― ニム。なぜオレの足をつねる?」
 ニムが、竜一の太ももを、キュッとつねっていた。
「その理由をわたしに聞くのか?」
「バカ。オレは、営業をしてるだけじゃないか。このお嬢さんが、オレたちに仕事を依頼するかもしれないだろうに」
「ふーん」
 ニムは、つねっている手に力を込めた。
「いたたたっ! わかったってば。ごめんなさい! オレが悪うございました!」
「理解が得られてうれしいぞ」
「くそっ。なんでオレは、いつもこんな目に会うんだ」
「なんか言ったか?」
「いいえ。なんにも」
 榛名は、竜一とニムの漫才を見て、思わずクスッと笑ってしまった。まさかここまでベタに、ジャンクシティの世界だと、どうしてこの二人がここにいるのかという、不可解な現象に対する疑問など、どうでもいいことのように思えた。
「仲がいいんですねえ」
 榛名は言った。
「オレとニムが?」
 竜一は、榛名の言葉を思わず否定したい衝動に駆られたが、そんなことをしたら、ニムのご機嫌が悪くなって、そうなると身の危険があるかもしれない。いや、きっとある。命があぶない。と、竜一は賢明な判断を下し、榛名に応えた。
「ははは。そうなんですよ。仲がいいかも。な、ニム」
「うん」
 ニムは、ニッコリと言った。
「仲がよくて当然だぞ。わたしたち、夫婦だもん。ね、竜一」
「こらーっ! その発言は、さすがに聞き捨てならん! オレたちのどこが夫婦だ!」
「全部」
 ニムはしれっと応えた。
「全部じゃないだろ、全部じゃ。その逆だ。全部夫婦じゃないよ。まったくもう」
「えーっ、なんでなんで? 食事を作ってるのはわたしだし、掃除だって洗濯だってわたしがやってるし、毎朝竜一を起こしてるのもわたしだぞ。全部、奥さんの仕事だぞ。違うのか?」
「うっ…… えっと、その、あの、そういうことはですね。メイフォアと相談していただいた方がよろしいかと……」
「ふん。メイフォアなんか、なーんにもできないもん」
「いやいや。最近、メイフォアのコーヒーも旨くなってきたぜ」
「美味しくない!」
「そうか? なかなかイケルぜ」
「うーっ。だからメイフォアになんかコーヒーの淹れ方教えたくなかったんだぞ」
「唸るなって。ニムが教えなくたって、メイフォアのこった、自分で研究したさ」
「そしたら、きっと不味かったぞ」
「そうかもね。いや、そうですとも」
 竜一は、引きつった笑いで応えた。ニムをこれ以上刺激しない方がいいかも。
 彼らの会話を聞いていて、那智もすっかりリラックスした気分になっていた。おかげで、いつも通りのコーヒーを淹れることができたようだ。
「お待たせしました」
 那智は、竜一とニムの前に、コーヒーカップを出した。常々コレクションしている高価なカップだった。
「ワォ。いい色だぞ。いただきます」
 ニムは、カップを口に運んだ。
 竜一も、コーヒーを飲む。
 那智は、じっと二人の反応を待った。
「ふむ。まあまあだな」
 と、竜一。
「うん。まあまあだね」
 と、ニム。
 那智は、ホッとすると同時にガッカリした。『まあまあ』とは、不味くはないが美味しくもないという反応ではないか。
「お気に召しませんでしたか?」
 那智はつい、聞いてしまった。
「いや。そんなことはない。こんなところで…… おっと、失礼。ふらりと入った喫茶店で期待していた以上のコーヒーが飲めて満足だよ」
「うん」
 と、ニムもうなずいた。
「でも、正直に言うと、わたしサイフォンで淹れたコーヒーってあんまり好きじゃないぞ。香りが弱くなっちゃう。いい豆を使ってるみたいだから、ハンドドリップで淹れた方がいいと思うぞ」
「さすがですね」
 那智は苦笑した。ハンドドリップは、確かに理想的かもしれないが、技術を要する方法でもあった。
「ですが、それは好みの問題も大きいでしょう。サイフォンもコクのあるコーヒーが抽出できますから悪い方法ではないですよ」
「まあね」
 ニムは、肩をすくめた。
「でもやっぱり、コーヒーはドリップの方がいいと思うぞ。サイフォンは、喫茶店のパフォーマンスにはいいだろうけど」
 サイフォンは、いかにもコーヒーを淹れておりますという、見た目の派手さがあって、喫茶店向きだと言えた。
「それに」
 と、ニムがさらに続ける。
「これ、ブラジルが4で、コロンビアとキリマンジャロが3ずつでしょ? スタンダードなブレンドだけど、サイフォンのコクを主張するなら、わたしはブラジルが4で、コロンビアが3なのはいいけど、マンデリンを2にして、キリマンジャロを一割にした方が、コクが出ていいと思うぞ」
 那智は、参りましたと言ってしまおうかと思ったが、そこはそれ、那智もプロだ。ニムに負けてはいられない。
「苦みを嫌うお客さんもいるので、うちはオリジナルブレンドに、マンデリンは入れないんですよ。サイフォンでは、より強く苦みが出ますしね」
「ふーん。じゃ、やっぱりハンドドリップの方がいいんだな」
 ニムも負けてない。
「いえ、そういう意味ではなくて、サイフォンに合ったブレンドをすれば、サイフォンもハンドドリップと同じように美味しいコーヒーが淹れられます。それにですね、ネル・ドリップだと、一、二杯淹れるのには適さないでしょ?」
「うん。ネル・ドリップはたくさん淹れた方が美味しいぞ」
「でしょ」
「だったら、ペーパーで淹れればいいんだぞ」
「それは、ちょっと店のプライドが許しませんよ。見た目が悪いじゃないですか。家庭と同じ方法じゃあ」
「そっか。お店をやるのって大変だぞ。わたし失礼なこと言ってたら、ごめん」
「い、いえ、とんでもない」
 那智は、首を振った。ニムの言葉づかいが、どことなくキツい感じなので、つい対抗したくなってしまったのだが、ニムに悪気は全くなかったようだった。
「ニムさんって、本当にコーヒーに詳しいんですね」
 榛名が助け船を出した。
「私感心しちゃった。一口飲んだだけで、ブレンドがわかるなんて、すごいわ」
「うん」
 と、ニム。
「わたし、コーヒーにはうるさいんだぞ。世界一美味しいコーヒーを淹れることができるのは、わたしだけだもん」
「そうですよね」
 榛名はうなずきながら聞いた。
「ちなみに、ニムさんは、いつもどんなブレンドをするんですか?」
「秘密」
「あ、やっぱり」
 榛名は笑った。
「メイフォアさんに知られたら困りますもんね」
 榛名とニムの会話を聞いているうちに、那智は、ニムのブレンドに興味を持った。
「ですが、ここにはメイフォアさんはいませんよ。誰にも言いませんから、ちょっとだけ教えてもらえませんか?」
「えーっ。でもォ……」
 ニムは渋った。
「コーヒー代、オマケしますから。ぜひ」
 と、食い下がる那智の言葉に竜一が反応した。
「ニム。ぜひぜひ、教えて差し上げなさい。オレが許可する」
「なんで、竜一の許可が必要なんだ?」
「タダより安いものはないと言うではないか」
「まったくもう」
 ニムは苦笑した。
「でもまあ、いいか。特別に教えてあげる」
「わあ。ニムさんのコーヒーの秘密が、いま明らかに!」
 榛名は、そう言って目を輝かせた。
「えっとね」
 と、ニム。
「ローストの仕方で味は変わっちゃうけど、基本的に、朝淹れるコーヒーは、コロンビア4で、モカマタリとブラジルが三割ずつなんだぞ。すっごく上品な味になるぞ。朝に飲むならこれで決まりだぞ。あと、お昼と三時には、モカマタリベースで、隠し味程度に、フレンチブレンドを混ぜるんだ。竜一ってば、濃い味が好きだから、たまにフレンチブレンドを二割ぐらい入れることもあるけどね」
「ほほう。モカマタリをよく使うんですね」
「うん。モカベースは、コーヒーの基本だぞ。モカを使いこなせなかったら、コーヒーは淹れられないぞ」
「ごもっとも」
 那智はうなずいた。
「ですが、意外とスタンダードというか、トラディショナルだったんですね」
「当然だぞ。料理もそうだけど、奇抜なものは、よほどのことがなければ、美味しくならないぞ」
「美味しければ、オレはなんでもいいよ」
 と、竜一。
「竜一は飲むだけだもん。気楽でいいぞ」
「バカ言うな。オレだって気を使ってるんだぞ」
「いつ、どこで、どんな風に?」
「あのな。おまえが、高いコーヒー豆を買いこんでも黙ってるじゃないか。違いますか、ニムさん?」
「うっ…… なるほど。それはそうかも。竜一えらいぞ」
「ぜんぜん、うれしくないね。合成コーヒーを飲めなくなったオレは不幸だ。おかげで酒の量が減った」
「それはいいことだぞ。ついでにタバコの量も減らしたらどうだ?」
「さて」
 竜一は、コーヒーを飲み干して立ちあがった。
「それそろ、張り込みに戻るとするか」
「あ、誤魔化してる」
「いいの。タバコを吸わなくなったら、オレはオレではなくなってしまうのだ」
「そんなことないもん」
「そんなことあるの。って、マジで行こうぜニム。例の女がホテルから出てくるところを押さえなきゃ、また徹夜だぞ」
「うん」
 ニムも、コーヒーを飲み干してから那智に言った。
「じゃあ、本当にご馳走になっちゃうぞ」
「ええ。もちろんですよ。お仕事がんばってください」
「うん。ありがと。じゃあね」
 ニムは、先に出口に向かった竜一を追いかけた。カランと音を立てて、竜一はドアを開けると、ニムを待って表に出た。
 ふたたび店の中が、那智と榛名の二人きりになる。
「あっ」
 と、榛名は、思い出したように立ち上がり、あわててドアを開けて表を見た。
「いないわ……」
 榛名は、那智を振り返りながら言った。
「消えちゃった。あの二人」
「不思議な体験だったね」
 那智は、いままで、竜一たちが飲んでいたコーヒーカップを見つめた。
「でも、あの二人がいたのは事実だよ」
「そうね」
 榛名もカウンターに戻ると、二人のカップを見つめた。
「神様がちょっとだけイタズラをしたのかもしれないわね」
「きっとそうだよ」
 那智は、ほほ笑みを浮かべた。
 すると、冷たい雨が降り始めた。
「雨だよ榛名」
「あ、ホントだ。いよいよジャンクシティの世界ね。竜一さん、風邪を引かなきゃいいけど」
「大丈夫。ニムちゃんの美味しいコーヒーであったまってるよ、きっと」
「ねえ那智。ニムちゃんのブレンド淹れてくれない?」
「言うと思った」
「那智のより美味しかったらどうする?」
「そうだな。そのときは、ニムブレンドってメニューを作って、Script1のお客さんからボッタくるさ」
「それいいかもね」
 那智と榛名は、そう言って笑った。


 終わり。



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Script1でも高い人気を誇る「JunkCity」シリーズから竜一&ニムにご来店いただき、光栄の極みです。まだ、「JunkCity」シリーズをお読みでない方は、御一読なさってから再度この作品を読まれることをお勧めします。正直言ってニムと那智のコーヒーうんちく合戦、私はそれほどの知識を持ち合わせておらず、(架空)喫茶店経営者として深く反省しております(笑)。TERUさん、ありがとうございました。