トップページ | 特発性大腿骨頭壊死症とは | 傷病の経過 | 人工骨頭・人工股関節置換術の記録 | 骨頭回転骨切り術の記録 | 迷ったこと及びそのときの判断情報コーナー

 


<情報コーナー>
このページでは、他のページでは紹介し切れなかった情報や用語集を記載しています。
 1.抜釘術(ピン抜き手術)の記録
 2.荷重のかけ方と私の目標設定
 3.トーマス装具の概要と装着
 4.スリング運動
 5.用語集


<用語集>
このページでは各種用語や治療に関するミニ解説、障害の取り扱いなどについて記載しています。
 [あ行] エアマット  
 [か行] 介護保険  荷重のかけ方  血管造影検査  骨シンチグラム 
 [さ行] 残糸  障害厚生年金3級  身体障害者下肢4(3)級  深部静脈血栓症  自己血採血  水中歩行訓練  スリング  脊髄硬膜下麻酔
 [た行] 弾性ストッキング  トーマス装具  特定疾患  ドレイン  
 [な行]
 難病見舞金  
 [は行]
 補高  
 [ま行] 免荷 
 [英数字] AVインパルス  CPM 


◆エアマット
手術直後のベット上安静の時に床ずれを防止する仕掛けのひとつ。かなり蒸してしまい汗をかくのが難点。手術後2日間使用しました。

◆介護保険
介護保険の介護サービス(要介護5〜1あるいは要支援)の適用は原則65歳以上ですが、特定の18疾病に該当すれば40歳以上が適用可能です。壊死症に伴って「両側の股関節に著しい変形を伴う変形性関節症」といいう診断の可能性もありますので、該当するかどうかは主治医に確認してください。また、人工骨頭置換=認定ということにはなりません。あくまで生活が自立できるかどうかがポイントです。私の場合は「非該当」です。

◆荷重のかけ方
大腿骨や股関節の手術をした後は、レントゲンなどで骨のつき具合の経過を観察しながら、荷重をかける時期を決定します。術後は筋力も衰えているので、一気に体重をかけることはせず、徐々に荷重をかけてゆく方法を取ります。荷重の調整方法や骨頭回転骨切り術後の経過は「荷重のかけ方と私の目標設定(情報コーナー参照)」でご確認下さい。

◆血管造影検査
骨頭回転骨切り術の施術前に、骨頭付近の動脈の血流や血管の様子を調べるために行います。手術する反対側の足の股間より大動脈にカテーテルを挿入し、カテーテルが手術する足の大腿骨頭付近まで到達した時点で造影剤を流し込んで、骨頭付近の動脈の走行状態の調査および骨頭への血行があることの確認を行います。検査は大動脈を切開するため局部麻酔です。造影剤を流し込む瞬間、骨頭から足先にかけて熱くなると同時に、骨頭に鈍痛が走りました。検査中(約3時間かかる)に動けないこと及び約半日のベット上安静(ベットアップ30度で足を動かせない状態)がつらいです。

◆骨シンチグラム
全身の骨の状態を検査する手法。MRIなどで大腿骨頭壊死症の初期診断が下された後、肘や膝など他の部位の壊死(多発性骨壊死)を調査する目的で検査します。放射線を含んだ一種の造影剤を血管注射した後、全身の放射線の分布を見ることで骨の壊死の状態が分かります。出来上がった写真はまさに「ガイコツ」の写真そのもの。私の写真は両側の骨頭の壊死部分が黒く抜けていました。

残糸ざんし
傷口の縫合に使った糸は体内に残っているが、その糸が手術痕から出てくることがしばしば起こるようです。痛みはないが放っておくと化膿する可能性があるため、早めに通院して処置してもらう必要があります。残糸は手術後数週間から数ヶ月の間に出てくるようです。ちなみに私の場合、左足は出ませんででしたが、右足は手術後3ヶ月に出てきました。

◆障害厚生年金3級
人工骨頭置換術を施術すると、障害厚生年金3級の需給対象になります。裁定請求書に申立書や医師の診断書、身障者手帳などを添えて社会保険事務所に申請します。年金額は標準月額や加入期間によって決まります(結構まとまった金額になります)。 注意したいのは、国民健康保険の加入者は該当にならない(国保には障害年金3級の枠がない)ということと、厚生年金加入者であっても、もし、障害に至る根本原因(壊死を誘発した原因)の発症時に厚生年金ではなく国保に加入していた場合には該当にならないことです。詳細は社会保険事務所などに確認してください。

◆身体障害者下肢4(3)級 
人工骨頭置換術または人工股関節全置換術で手術すると、その時点で「股関節機能全廃」という障害名となります。私の等級は両下肢の3級(片足の場合は4級)。手帳の交付申請書に身体障害者診断書を添えて市区町村に提出します。医療面、年金面など数々の制度が使用できるので、その中のいくつかを列挙しておきます。詳しくは市区町村の福祉事務局にお尋ねください。なお、仙台市では「ふれあいガイド(障害者保険福祉の案内)」を年一回発行しており、この冊子を読むと一通りこの制度を理解できます。

交通面 市バスなど5割引  タクシー1割引  JR乗車券割引(5割)  航空運賃割引(3割程度)  有料道路割引(5割)  駐車禁止除外指定車標章の交付  など
税金面 所得税・住民税の障害者控除  自動車税の免除  自動車取得税の免除
公共面、その他 公共施設の利用割引(博物館、美術館などの文化施設、プールなどのスポーツ施設)  障害施設の利用  補装具(杖など)の購入や住宅改造の補助など

<お知らせ:有料道路割引制度の改定(2003年12月1日)>
従来は、料金所で割引証の提出と手帳の提示を行っていました(2004年5月31日まで)が、2003年12月1日以降は割引証がなくなり、手帳の提示だけになります。ただし、手帳には「自動車番号と有効期限」の押印が条件になりますので、12月1日以降に市町村福祉事務局での手続きが必要です。また、ETCを利用することが可能になりましたが、その際は有料道路事業者(道路公団)への登録申し込みが必要になります。

◆深部静脈血栓症
手術時の麻酔により筋肉が緩むと静脈が拡張して血流が遅くなり血栓ができやすくなります。これを防止するために、手術後のベット上安静時に5日間ほど「弾性ストッキング(用語集参照)」を履いたり、「AVインパルス(用語集参照)」を装着したりします。

◆自己血採血
手術に先立ち、あらかじめ自分の血液を貯めておいて、手術の際に自分の血液を輸血します。他人の血液を輸血する場合には感染症(肝炎、エイズなど)やGVHD(移植片対宿主病:血液中の白血球が攻撃する反応)などの副作用が起こる可能性があるのに対し、自己血輸血はそのような危険性はなく安全だといわれています。私の場合は1週間に1回、400ccずつ採血し、人工骨頭置換術の時は800ccを、骨頭回転骨切り術の時は1200ccを、人工股関節全置換術のときは400ccを、それぞれ保存し、手術時に使用しました。

◆水中歩行訓練
股関節の機能回復訓練には最適。水中では体重が約1/10になるので、股関節部分に荷重をかけないで筋肉トレーニングが可能です。リハビリの目的は可動域増加や筋力増加、歩行訓練などがあります。
私の場合は、「水中歩行は正常歩行(まっすぐに背筋を伸ばして歩くこと)を思い出す手段」として、人工骨頭置換術の手術から約3ヶ月経った頃(フル荷重許可後)から、ほぼ毎日約1時間の水中歩行を行いました。また、骨頭回転骨切り術の手術から約6ヶ月経った頃(装具が取れて片松葉杖で安定歩行できるようになった頃)からも歩行訓練を行っています。
私の水中歩行メニューは、通常の歩行の他に、水を蹴って(ボールを蹴るようにして)歩く、後ろに蹴り上げて歩く、大股で歩く、スキップするように歩く、横に歩く、後ろに歩く、等のバリエーションを加えたもの。毎回約1kmを歩く。また、片足での屈伸運動や太ももの回転運動も加えています。

◆スリング
手術後に、股関節や膝の運動機能回復訓練に使用する用具の名称。膝下を伸ばす、大腿を持ち上げる、足を開く、といった運動を行う手段。運動をしているときの様子は「スリング」のページ(情報コーナー参照)をご覧下さい。

◆脊髄硬膜下麻酔  
手術時の麻酔の方法。脊髄から麻酔薬を注入し下半身を麻痺させます。背中の真ん中から針をさして、脊髄へ注射するのでメチャメチャ痛い(もちろんその前に麻酔の注射を打つのだが・・・)。全身麻酔に比べ出血量が抑えられるなどの利点があるそうです。なお、私が手術を受けた病院では、手術後も脊髄に管を挿したままにし、そこから痛み止めの薬を注入する方法を取っていました。

◆弾性ストッキング 
足の血行をよくするために、足を圧迫するために履くストッキンング。手術後のベット上安静時に5日間ほど使用しました。

◆トーマス装具 
トーマス装具は、歩行時や起立時に大腿骨頭に荷重がかからないようにするための装具で、坐骨の部分で体重を受けるような構造になっています。装具の概要や履きかたのポイントなどの詳しいことは「トーマス装具の概要と装着」のページ(情報コーナー参照)をご覧ください

◆特定疾患 
原因が不明で治療方法が未確認な疾病のうち、難治病かつ重傷度が高いもので厚生省が定めた疾患(従って、病名の前に「特発性」とつきます)。認定を受けると医療費を県が助成します。X線やMRI、骨シンチグラムの検査所見を元に「特発性大腿骨頭壊死症臨床調査個人票」を医師が記入、市区町村に申請すると約2ヵ月後に「特定疾患医療受給者証」が交付されます。なお、この申請の仕方は都道府県によって(例えばレントゲンの添付の有無など)若干異なります。なお、治療の結果、症状が改善し、日常生活に支障がない人(軽快者)には「特定疾患登録者証」が発行され、公費負担対象ではなくなります。

 ・自己負担額限度額(2003年10月以降): 生計中心者の所得課税年額に応じて、7階層に区分され、その階層に応じて月額自己負担限度額が決定されます。例えば所得課税年額が30,001〜80,000円の場合、限度額の月額は、入院8,500円、通院4,250円です。特定疾患の患者自身が生計中心者の場合の限度額はこの金額の1/2になります。

<お知らせ:自己負担限度額が改定されました(2003年10月)> 
従来は一律だった自己負担金が、上記のように、所得に応じて階層的に分かれたほか、軽快者が設定されました。
参考までに、従来の自己負担額を記載しておきます。
   ・(従来の)通院の自己負担額: 1日につき1,000円を限度に月2回まで
   ・(従来の)入院の自己負担額: 月額14,000円  (これには医療費の他、食事療養費も含まれます)

◆ドレイン  
手術後に内部で出血した血液などを抜くための管。私の場合は、2回の手術ともドレインは2本入れてあり、手術後3日後に抜きました。

◆難病見舞金  
仙台市では特定疾患の認定患者に対して見舞金が支給されます。特定疾患認定後に「仙台市難病患者見舞金支給」の請求書類が届くので、必要事項を記載して申請すると認定結果が通知されますが、所得制限や「仙台市障害者福祉手当」との併給などの理由で支給対象にならない場合があります。仙台市の場合、難病見舞金は月額3,000円で、支給手続きと給付は年1回(9月頃)です。なお、この難病見舞金支給の有無やその金額は自治体により異なるようです。

<お知らせ:制度が改定されました(2003年11月)>
従来は一律だった見舞金(月額3,000円)ですが、上記のように、所得制限や他の福祉手当との併給条件が付加されることになりました。

◆補高

左右の足の長さの違いは、1.0〜1.5cm程度であれば気にならない程度で、2.5cmを超えると多少びっこをひくそうです。骨頭回転骨切り術により、私の右足は約2.5cm短くなりました。そこで、右足の長さを補正する手段として、私の場合は靴のかかとの部分にこの写真のようなパッドをあて、さらに敷革で高さ調整することで約1.5cmの補高を行っています。

◆免荷 
足に荷重をかけないで歩行すること。両手に松葉杖を使い、足を浮かせた状態での免荷歩行や装具を使用した免荷歩行があります。

◆AVインパルス 
足の血行をよくするために、足に装着するブーツのような形状の履物。土踏まずの部分に圧縮空気を送ることで、土踏まずに心地よい刺激があります。手術後のベット上安静時に5日間ほど使用しました。

◆CPM 
手術後に、膝の運動機能回復訓練に使用する機械の名称。訓練は1日2回、各30分位。角度は膝下の面に対する太ももの角度(足をまっすぐにした状態が0度)で定義し、60度位から開始し、1日5度〜10度ずつ角度を上げてゆき、130度まで。これ以上の角度や筋肉訓練には「スリング」を使用します。


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