登場人物紹介

−主人公−

シュナイダー=ハーツ

この作品の主人公 16歳
幼い頃から騎士団イオに憧れ、剣術練習に打ち込む少年。
15年前の大戦で志願兵として戦場に出た父を失うが、その後の母との二人暮しにも不満を口に出す事は無かった。
母との生活で培った優しさと、父譲りの剣の才能を努力によって開花させてきた。
剣術の型は防御を中心としたもので、守備に関しては抜群の力を持っている。
弱点は決定打にかけている事と、攻めに転じられない時の脆さ。
キースとは幼なじみの親友でもあり、剣のライバルでもある。
だが、年齢の割には考えが幼く少々子供っぽいところがあるため、よくその点をキースにからかわれている。



−オライオンの人々−



キース=ロンド

シュナイダーの親友であり、剣のライバル。 16歳
親友シュナイダーと共に、騎士団に入る事を夢見てきた少年。
常にポジティブシンキングな思考の為、どこか緊張感の無い性格に見られる。
だが、剣術に対するプライドは高く負けず嫌い。
火の点いた様な攻撃を中心とした剣術が身上の、豪快な戦いが特徴。
それ故防御に脆さがあり、あっという間に負けをもらう時がある。
負けず嫌いな性格が功を奏し、シュナイダーと競いながらメキメキと剣の腕を上げていく。



レオV世(レオ=テルミドール=オライオン)

騎士の国オライオンの現国王。 50歳
本名は『アスエル=テルミドール』
大陸に生きる者にとって、その名を知らない人間はいないとされるまでオライオンを成長させた人物。
確かな政治手腕を持つ、時代を代表する名君。
しかし他国への侵略思想は無く、騎士団はあくまで自衛の物としている。
騎士団、兵士、そして何よりも民からの信望は厚い。
第一子であるシャルロットが生まれて後、妻である王妃を失う。



シャルロット=テルミドール=オライオン

レオ三世の一人娘。 10歳
オライオンの現国王、レオ三世の唯一の子供。
国の跡継ぎとして期待された男子は生まれる事がなかった為、彼女が後のオライオンを継ぐ者とされている。
シャルロットの母は彼女を産んですぐに他界。
母の愛情を知ることなく育った彼女はおてんば娘に成長してしまった。
少し大人びた性格で、白馬の王子様の出現に憧れている。



ネルソン=グローリー

オライオン騎士団『イオ』の総隊長。 48歳
22歳の時に騎士団に入隊。
それ以降、もって生まれた天賦の才を発揮し騎士団総隊長へと昇格してきた。
彼が騎士団長になってからは、他国からの侵攻がオライオン本国へと届いた事は一度たりとも無い。
それ故その名は大陸中に広まり、『獅子』とも呼ばれるようになった。
50才という年齢に近付き、その肉体は衰えを見せ始めてはいるが、それでも剣を振るう力は常人をはるかに凌ぐ。
国王レオとは隠れた幼なじみであり、両者は互いに国を成長させてきた。



フォル=グローリー

オライオン騎士団『イオ』の副隊長。 23歳
戦争孤児であったがネルソンに拾われ、その養子に。
ネルソンを誰よりも尊敬しており、父を越える人間になる事を生涯の目標としている。
次期総隊長の筆頭候補であるが、隊長の息子という立場の為、己に自信を持つことが出来ない。
普段は柔らかな物腰だが、戦場では特殊な槍(通称ハルバード)を使って活躍。
唯一絶対の技である『一閃(いっせん)』と言うカウンター技で、1対1では近づく事さえ許さない。
父ネルソンと対峙した時だけ、全ての重圧から逃れ全力で戦う事が出来ている。
その実力は既に父ネルソンを凌ぐほどにまで成長している。



イリアス=フリード

オライオン騎士団『イオ』の弓兵隊長。 25歳
神技的な弓の腕を持つ、オライオンの誇る弓騎士。
その実力は他の追随を許さず、一つの弓での三本同時撃ちや200mを優に越える超長距離撃ちなどの技を持つ。
かつての名門『騎士の家系、フリード』の血を引く。
このフリード家はイリアスの四代前に没落し、忘れられた名前となりつつあった。
だが、イリアスは自分の血に絶対的なプライドを持ち、かつての栄光を取り戻そうと自らを鍛えてきた。
人とあまり接しなかった為か自分の気配や殺気を無にまで隠す事が可能で、それを自分の剣技にプラスしている。
寡黙な性格と常に無表情な様子に冷たい人間と見られがちだが、密かに熱い性格。
自分と正反対のジャンとは常にぶつかり合っているものの、彼の実力をしっかり認めている。



ジャン=ジャスティ

オライオン騎士団『イオ』の守備隊長。 25歳
巨大な戦斧を得物にした豪快な戦闘が身上の騎士。
まだ10代半ばの頃、オライオンの領土内を荒らしていた盗賊だった過去を持つ。
しかし、その後更生し一兵士としてオライオンの門を叩く。
過去の彼の経歴を知る者は、今の騎士団にはごくわずかしかいない
数十キロの斧を片手で振るう怪力と天性の身体能力で、一騎当千の言葉を凌ぐ実力者。
持ち前の明るさと面倒見の良さのため、部下からの信頼も厚い。
イリアスとは常に衝突しているが、ジャンも彼の実力をしっかり認めている。



イリア=ハーディング

シャルロットを常に守る騎士、『プリンセスガード』の前任者。 22歳
幼いシャルロットにとっては母のような姉のような存在でもある。
女性でありながら騎士の称号を持つ程、剣の腕は確かである。
主な獲物は長剣よりやや短めの剣を使った二刀流。
ハイムの出身の為、任を解かれた後は両国の架け橋となって国を行き来している。


−ハイムの人々−



ヘムV世(ヘム=アルマドール=ハイム)

現ハイム国王で、ヘムの名を継いだV世。 49歳
本名『ディスカ=アルマドール』
オライオンの国王レオに少し脅えている様な感覚を持っている為、常に姿勢が低い。
王としての力は確かなのだが、弱気な為に大胆な政策を取れない。
それでもハイムは豊かな国へと発展しつつある事から、優秀な王であるのは確かである。



ハーディス=アルマドール=ハイム

ヘムV世の息子であり、その中の長男。 23歳
ゆくゆくは父の後を継ぎ、ハイムの王になる人間だが、情けない父に不満を持っている。
かなり好戦的な性格で、幼い頃から武術をするのが好きだった。
特に剣技については素晴らしい才能を持っており、メキメキとその腕を上げている。
父に対する不満が彼の中で深く重くうごめく物となって成長してきている