三菱 HV-BS35


フローティングサスペンションこそ廃されたものの,HV-S11の面影を色濃く残した,BS35


 私が本気でAVに興味を持ち始めたのが大学1年。そして,その秋に発売されたのが,HV-S11でした。そのため,私個人は,HV-S11に多大なステータス性を感じています。しかし,当時,自分の部屋用にTVを買い,少々のバイト料のみでお金のなかった私は,HV-S11には手が届かず,その下の機種,HV-S10を購入しました。しかし,こちらは単なる普及機でした。(HV-S10は,今も居間で余生を送っています。)そして1年後,HV-BS35が発売されました。ほぼ同時にビクター HR-X1 が発表され,雑誌でも「HV-S11をさらに熟成させたBS35」,「少々荒削りながら,メカから回路まで全て新規開発のX1」と良く比較されていました。雑誌は,X1を良しとする記事が多かったのですが,先のHV-S11が私の頭から離れないことと,X1がなかなか市場に出回らなかったこともあり,HV-BS35を購入しました。

 で,このBS35,画質も当時としてはトップクラスだったのですが,関心するのはその操作性。今現在発売されているデッキと比較しても全くひけをとりません。平均300倍速(最高410倍速)のFF/REW,NEヘッドでサーチ画像もノイズレス,ノーマル音声トラックを使用したジョグ/シャトルサーチ中の音声再生,そして,おなじみジョグ/シャトルでのタイマ予約と,操作性は抜群です。97年12月にビクター HR-VXG1 を購入しましたが,これの操作性の悪さに非常に落胆したくらいです。なにしろ6年間,BS35を使い続けて,それが当たり前になっていたのですから。

 しかし,画質に関しては6年の差は大きく,HR-VXG1には大きく負けています。とくに三菱の苦手な3倍速は顕著です。3倍速と言えば,当時他社がどんどん19ミクロンヘッドを搭載してゆく中,中途半端に24ミクロンヘッドを搭載しています。(19ミクロンが流行る前は26ミクロンが大勢でした。)また,同様に他社が3次元Y/C分離回路を搭載する中,デジタル3ラインのエキスパートDCF2を搭載するなど,雑誌の通り,新規技術の搭載はほとんどなく,「過去の技術を熟成させた」ものになっています。おかげで,動画のY/C分離性能はピカ一でしたけどね。

 しかし,このデッキ,非常に気に入っているのですが,DVに移行した今となってはさすがに本機が稼動することはほとんどなく,最近はあちこちがイカれてきました。ラックのスペースが逼迫してきていることもあり,本機にはとりあえず引退してもらいました。修理に出すかどうか悩んでいるところです。気に入っているだけに,エイヤっと捨ててしまうこともできず困ってます。(^^;


形式HV-BS35
方式S-VHS HiFi方式,NTSC方式
チューナーVHF/UHF/BS
高帯域チューナー
搭載機能エキスパートDCF2,NEヘッド,VISS編集
アフレコ,インサート,5プログラム編集
3倍速HJ24μmヘッド,ツインFEヘッド  etc.
電源100V 50/60Hz
消費電力47W
外形寸法425×115×408
重量9.4kg
価格\200,000

最終更新:'00/11/24
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