ソニー WV-D9000


SONY初の気合いの入ったS-VHS搭載。


 DHR-1000が1台だけでは肝心の編集ができないので,もう1台,DVデッキを買いました。WV-D9000です。DHR-1000をもう1台買っても良いんですが,最高級デッキを2台も持つ必要はないので1段ランクを落としました。しかしさすがに3次元Y/C無しのWV-D700まで落とすことまでは許せませんでしたけど。これだと編集/ダビング専用機になってしまい,私のメイン使用目的であるエアチェックができなくなるからです。(別に出来ないわけじゃないけど,ドット妨害やクロスカラーを高画質録画する趣味は私にはない。)
 また,元々購入予定だった松下DV-10000にしなかったのは,DV-10000の購入を断念してDHR-1000を購入して以来,DV-10000ユーザーからDV-10000に関する不具合を頻繁に聞いてしまったからです。二十数万円出してまともに動かないんじゃ買う気も失せます。あの時,買わなくて本当に良かったと胸をなで下ろしている所です。ちなみに,ビクターはmini-DV専用なので論外ですね。

 ところで,DHR-1000で気になっていたことがひとつあります。それはBSチューナーのリンギングです。他のデッキでも多少は出るのですが,DHR-1000はこのリンギングが5〜6重に非常に顕著に出ます。フォーマットがDVだけに,このリンギングもキレイに録画されてしまい。非常に見苦しかったのですが,今回購入したWV-D9000でもこの傾向は変わりませんでした。会社の先輩のDHR-1000でも出ているので,どうやら全数傾向で出るようですね。

 あと,S-VHSはなんとか使える画質に仕上がっています。ソニーとしては,S-VHSに3次元Y/Cを積んだのはおそらく初めてでしょうし,今までソニーがかたくなに採用してきたNEC製ではなく,東芝のYCS5だけに,DNRやTBCにも期待が持てます。ソニーS-VHSの裸の特性は最悪ですが,YCS5で補正をかけるのでWV-D9000は幾分ましなようです。


形式WV-D9000
方式SDモード DV,miniDV方式/S-VHS方式,NTSC方式
チューナーVHF/UHF/BS/CATV
搭載機能W3次元Y/C分離回路,TBC
3次元DNR,おまかせダビング etc.
電源100V 50/60Hz
消費電力56W
外形寸法430×119×385
重量9.0kg
価格\285,000

使用感

 まず,家にモノが届いた時の第1印象は

  「ちゃっちいっ!」

でした。だいたい10万円クラスの,いわゆる今では「高級」と言われるS-VHS機並の仕上がりです。とても30万円近いVCRとは思えません。一応金色ではありますが,プラスチックも多用されており,S-VHSにいたってはテープ出し入れ時にテープとメカが擦れてキーキー音がするという”ちゃち”さです。DHR-1000との15万円の価格差をひしひしと感じます。コストダウンの跡があちこちに見え隠れします。ただし,DVのメカだけは業務用VCRからの流用です。ここだけは譲れない部分ですね。メカをコストダウンされたら,DVも終わりです。(最近のS-VHS機のメカ精度の悪さを見ると明らかです。)あと,冷却ファンですが,しっかりついています。でも,DHR-1000ほどうるさくはありません。

 右の写真はDHR-1000(左)とWV-D9000(右)のリモコンです。パッと見ではよく似ていますが,操作感はまるで違います。まず,ジョグ/シャトル。これ,カタログ等にはD9000も「ジョグ/シャトル」と書かれているのですが,見ての通りシャトルだけです。いわゆる「ゴク楽リモコン」(古い...)仕様になっています。ジョグの部分が再生,停止のボタンになっており,シャトルも普通のシャトルとは操作法が異なるので使いづらいことこの上ないです。また,予約録画ですが,画面にメニューを出し,カーソルキーでカーソルを移動させながらの設定となります。このカーソルキーも当然フタの中。DHR-1000は裏に液晶があり,設定も各項目毎にボタンが分かれていて使いやすいのに,この差は何なんでしょう? 関係ないですが,Gコードのロゴが,本体,リモコンともにDHR-1000は「Video Plus」,WV-D9000は「G Code」。この違いは何か意味があるんでしょうか? どっちにしても私は使いませんが。


3次元Y/C,3次元NR,TBC。すべて東芝のデバイス,YCS5の機能です。
 次に画質。まずDVですが,やはりDHR-1000との15万円の価格差はそれなりに存在します。当然S-VHSに比べれば格段に良いのですが,バックグランドノイズがわずかに多く,再生系のアナログ部分に弱さが感じられます。次にS-VHSですが,SONYと言う前提で言えば頑張っています。ビクターのVCRなどとは比べるべくもなく悪いんですが,(ノイズ多い,画面暗い,色ダレ多い。etc.)東芝YCS5搭載の効果か,ジッターはほぼ皆無,ノイズもそこそこ押さえられており,少なくとも三菱HV-BS35(注:7年前の中級機です。)よりは使える画質になっています。ただ,惜しいのが,色相の変動が若干感じられること。特に赤を表示させると変動しているのがはっきり見えてしまい,やはりソニーのS-VHSだな〜と感じさせられます。でもまあ,このくらいなら,HV-BS35を引退させ,リワインダーにしてしまうことも出来そうです。詳しくは独り言のページ('98/12/27分)をどうぞ。

 今回,デッキと同時に184分の業務用DVCAMテープ(DVで使用すると270分)を10本ほど購入しました。デッキが2台あっても,テープが無いと何もできませんから。しかし,10本で税込み\38,000也。初期のVHSテープ並と考えれば妥当なのかも知れませんが...高いです。(;_;
 今回買ったのは,16KBのカセットメモリー非搭載のノーマルバージョンです。1本あたりあと\1,500ほど出せば,出力が2dBほどUPしたマスターテープがあるのですが,さすがにそこまでは手が届きませんでした。


最終更新:'99/01/25
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