あなたへ
すぐ傍にいたあなたへ
そして
もう2度と逢うことはないであろう、あなたへ
僕があなたのことをかけがえのない存在だと知った時
もうあなたは、違う誰かの腕に抱かれていました
初めて出会った時
しがらみの中のうしろめたさでまともに目を合わせることができなかった僕を
あるがままの女の姿で受けとめてくれたのも、あなたでした
どこにいても、離れていても、すぐそこにいましたね
ついさっきまですぐ傍にいたのに
家に帰りついたら、またすぐに逢いたくなる
何もかも投げ出して、一緒にいれさえすればいいとさえ思いました
言葉なんて、何をいくら伝えても足りなくて
逢えない夜は、長く長くぼんやりと
いつもあなたのことばかり考えてました
この時間が途切れるなんて、かけらもなかった
あなたのいない生活はなかった
あなたの道は、僕の道と合流して続いてる、続いてく
それこそが真実だと信じてました
でも、あなたが選んだ道は・・・
あなたが選んだ道は・・・僕じゃなかった
僕が1本で続いてると思ってた道は
どうやら分岐してたみたいですね
でも、きっとそれでいいんです
あなたはあなたの道を、僕は僕の道を
新しく進んで行くのでしょう
時間は2度と戻らないんだし
もう、一緒にいた時間は、「過去」なんです
あれからあなたがどうしているのか
誰と一緒にいるのか、僕にはわかりません
そして、それでいいと思ってます
もし、いつかもう1度偶然に逢えたとしても
あなたは過去を見てるだけになってしまうから
僕を振り返らずに進んでくれればいいんです
あなたへ
ありがとうは言いません
あなたへ
僕はあなたを許す事はありません
例え、どんなに時が過ぎても
時が解決してくれるという言葉は
人の心が移り変わっていくだけのことで
起こってしまった事実が消えるわけではないんです
僕とあなたが一緒にいた時間が、消えるわけではないんです
あなたを愛した事実が、消えるわけじゃないんです
僕があなたを許さない事
それは、僕があなたを心から愛した証拠です
今離れてしまった僕とあなたも真実ならば
一緒にいた二人もまた真実
あなたは、素直すぎる女でした
あなたは、僕もしがらみも、全てあるがままに受けとめてくれました
あなたへ
もう2度と逢う事はないであろうあなたへ
あなたは、僕の真実でした
あなたが、僕の真実でした
今、あなたは次の真実へ
そして僕も、次の真実へ
きっとこれからも、道は1つじゃない
進むべき真実は、1つじゃない・・・
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