抱き合わせ


抱き合わせと言う言葉をご存知だろうか?
あれは忘れもしないまだ俺が小学生の頃の話しです


当時の子供達ならば、いや、大人達でさえも知らない人はいないだろうと
思うほどの娯楽がありました、そう、それがファミコン用ソフト
「ドラゴンクエスト」(ドラクエ)シリーズです


その頃の僕らを虜にしてたものが、そのドラクエシリーズの3作め、
「ドラゴンクエスト3」でした、発売前から心待ちにしていて、
学校では毎日ドラクエの話しばかり・・・


友人A  「今回でロト伝説が完結するらしいぜ!」
友人B  「そうそう、はやくほしいよなぁ〜」
     「でも発売日に買えるかな??」
友人A,B 「そうだよなぁ、前の日から並ばないとダメだもんな・・・」 


その頃まだ小学生の僕らは、前日から店の前に並んで徹夜するなんて
許されてるわけもなく、当日朝早く起きて行くしか手段がなかったのです・・・
しかし、いくら始発に乗れるぐらい早い時間に起きて店に行っても、
店の前にはすでに徹夜組の列ができているのは前作ドラクエ2よろしく明白です


そこで当日買えるちょっと特殊な方法それが、いまさら誰も欲しくない
ような古いソフトとセットにして値段を上げて売る、抱き合わせ商法なのです
どうしても手に入れたい子供達の心を利用したかなりうまいずるい売り方ですね


俺の友達もしかたなく抱き合わせで買った人が何人もいました・・・


友人A  「お前一緒に買ったの何?」
友人B  「忍者じゃじゃまる君、最悪〜」
友人A  「まだいいじゃん、俺なんかディグダグだよ、ディグダグ!
友人B  俺もうすでに持ってんだよじゃじゃまる君・・・」
友人A  「そ、そうか・・・でもディグダグだっていまさらやんねぇよなぁ?
      誰がドラクエほっといて
ディグダグなんかやるんだよ!!!」
    そりゃそうでしょ・・・」

こんな会話があふれてました・・・




そしてある日・・・


 俺    「今日学校終ったら俺のドラクエ持っておまえんち遊び行くよ!」
友人A   「おぉ、いいよ〜、待ってる待ってる」


というわけで、学校が終った後に一度家に帰り、自分のドラクエを持った俺は
彼の家へと向かいました、チャイムを鳴らし、玄関先に出てきた彼の母親にあいさつをして
「部屋にいるわよ〜、どうぞ」の声のあとに、彼の部屋へ向かいます


 俺   「よぉ〜、きたぞ〜」
友人A  「おぉ、はやかったじゃん!」
 俺   「家帰ってドラクエ取ってすぐきたからな・・・」
友人A  「そっかぁ、んでどの辺まで進んでんのよ??」
 俺   「ん、うち兄貴もやってるからあんまりできなくってさぁ、まだ砂漠・・・」


などど言いながらなにげな〜〜〜〜〜く彼のファミコンに目を向けるとそこには・・・


俺あのとき、口には出さなかったけど、心の中では思いっきり叫んでたよ・・・
















お前ディグダグやってんじゃん!!! 



             友達がくるときは、ディグダグは本体から抜いておけ!!


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