せんげんだめ



俺が昔住んでいた家の近くには
せんげんだめという、泥沼のような池がありました
今は埋めたてられて、公園になってますけどね
なぜせんげんだめというのか、漢字はどう書くのか、いっさいわかりません
もしかしたら近所の子供達が勝手にそう呼んでただけかも・・・


さてそのせんげんだめには、ザリガニがいっぱいいました
学校が終ったあとや、休みの日など、自分達で作ったさおを持って行って
よくザリガニ釣りをしたものです・・・


さおって言っても、細い竹の木に糸を結んでエサをつけるだけだけどね・・・
さてそのエサなんですが、ザリガニを釣るのに一番いいエサって知ってますか??















それは
ザリガニです!

少なくても、俺達がせんげんだめでよくザリガニを釣ってた頃
ザリガニに勝るエサはありませんでした
って言っても、ザリガニをそのまま結んで使うわけじゃありません
ちょっと手を加えます、当時はその技?のことを
ビタづけと呼んでました


ビタづけとは、その名の通り
手に持ったザリガニを道路に叩きつけるんです
やられたザリガニ君、もちろん1発で「即死」でした!
そして、頭と胴体にわけたザリガニの胴体の部分の殻をむいて
糸に結びつけ、エサとして使います
まぁ言ってみれば、スシネタの甘エビですね
これを使うと、もぉすぐかかりますよ、ザリガニって共食い好きなんですね・・・


当時最高級のエサと言われていたザリガニ釣りの必須アイテム
「よっちゃんイカ」をこえてましたからね、マジで!
まぁその程度で終らせておけばよかったんですよ・・・
あくまでも子供の遊びなんですからね
でも俺達、誘惑に勝てませんでした、子供の遊びをこえてしまいました










そう・・・
食っちゃいました・・・ザリガニ・・・

マジでうまいです、甘エビ好きな人なら絶対気に入る味!
甘エビよりうまいかも?
でもね・・・
ザリガニにはジストマなどの寄生虫が多く
生で食べるのは非常にヤバイらしいです
だからみなさん絶対真似しないように!!!
言われなくてもしないよな・・・
まぁでも運がいいことに、俺も兄貴も(兄貴も一緒に食ったのさ)
大丈夫でしたけどね


さてそんなせんげんだめ
いつもはザリガニをどれぐらい釣れるか競ったりして
遊んでただけだったんですが、やっぱりやんちゃな子供達が
それだけで満足できるハズもなく
ついに、中まで入っていく日がやってきました
手前だけならまだしも、どれほどの深さがあるかもわからない沼の奥に


長靴だけで挑む小学生





















かわぐちひろしより無謀です・・・

まぁでも子供っていうのはそういう冒険が好きなんですね・・・


奥まで行くと、ドラム缶やら浄化槽まで落ちてます!
あの頃は、障害物みたいな感じで中を探ったりしてたけど
今考えるとせんげんだめって


不法投棄やり放題だったんですね・・・

浄化槽はまだしも、ドラム缶なんて、中身によってはかなりの恐怖です
あれにはいったい何が入ってたんだろう・・・
まぁ無事だったからいいけど


その他にも、なまずがいたり、なんでかわからないけど
金魚までいたり・・・
その中に
今でも謎なんだけど、本当に金色の魚も1匹だけいました
どんなにがんばっても、そいつだけは捕まえる事ができなくて
中に入るたびに、そいつを探してたような気がします
あの頃一緒に遊んでた人はみんな見てると思うけど
結局捕まえた人は誰もいませんでした・・・





今のあの公園には、たくさんのザリガニ、たくさんの不法投棄物
そして謎の金色の魚と、俺達の思い出がいっぱい埋められてます・・・



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