平成16年11月撮影

まさに流星のごとく明治の風の中を駆け抜けた樋口一葉。彼女の悲運な短い生涯とその人物像を紹介し、没後百年を超えた今もなお、多くの人に感動を与え続けている作品がどのように生まれたかなどを、一人でも多くの人に理解してもらおうと設立されました。

樋口一葉は本名「奈津」。明治5年東京で生まれました。14歳で歌塾へ入り18歳で朝日新聞記者権作家の半井桃水に小説を学びました。雑誌「武蔵野」「都の花」に連載を書き「文学界」に1年間にわたり「たけくらべ」を連載しました。明治29年11月肺結核のため24年の短い生涯を閉じました。

館内には一葉自筆の短歌稿・「たけくらべ」草稿・下書原稿等のほか、下谷竜泉寺町で荒物・駄菓子業を営んだ時の仕入帳など重要な文献・資料や、一葉の面影を偲ぶ遺品・絵画などがさまざま展示されています。また、一葉が住んでいた頃の竜泉寺町の家並みの風景、一葉旧宅の模型などを明治初期の下町の文化、風俗資料も展示しています。

記念館の近く、旧居跡は、現在は歩道ですが、「一葉旧居跡碑」が立てられています。一葉記念館は平成18年11月に地上3階建ての近代的な新記念館となりました。

一葉記念館への最寄り駅は東京メトロ日比谷線三ノ輪駅です。三ノ輪には都内唯一の路面電車、都電荒川線の始発駅「三ノ輪橋」駅があります。