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五重塔(国宝)
総高16.1mと、屋外に立つ五重塔では
最小のもの。勾配がゆるく軒の出の深い
檜皮葺の屋根は、朱塗りの柱や白壁と
心地良い対照を保っています。

平安時代初頭の建立と云われ
室生寺山中最古の建築です。

この塔は頂上の相輪が珍しく
九輪の上には普通ならば水煙であるのに
これは宝瓶を載せて宝鐸を吊りめぐらして
天蓋を作ってあることなど
他に類が無い塔です。

平成10年に台風により大きな損害を
蒙ったが平成12年に修復、落慶しました。

五重塔から奥へ、原生林にかこまれた
胸突きの石段を登ると舞台造りの位牌堂と
弘法大師42才の像を安置した
御影堂(重文)前に出ます。

方3間の単層宝形造、厚板段葺で
頂上に石造りの露盤が置かれているのが
めずらしく、他に例を見ない建築です。

室生へ入る道は、東は田口の長楽寺
南は赤埴の仏隆寺、西は大野の大野寺
北は名張の丈六寺を四門と呼び
ここから内を聖域として、それぞれ峻嶮な
山を越え、谷を渉って奥深い室生寺へと
辿っていきました。


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