第54回
淡路島カントリーサイン Vol.3

 <第16の選択:東浦町その2> 15:10、総走行距離289.9km

 連続で吸飲?となったさんぎょーだが、実は金を払ってないので損はしていない(寿命は縮んでいるかもしれないが、そもそもこの男に「寿命」という概念があるかどうかは甚だ疑問だ)。

 で、そのさんぎょー。あとたった2つの目的地を何とか出してほしい。しかし!である。引いたのは、次の順番の人が強制的にジュースをおごるとある。何と、またしても飲み物ネタを引き当ててしまったのである。これは滑稽だ。参ったか、さんぎょー。

抽選風景
3連発!

 前の2つと違うところは、「おごる」とだけ明記されているため、飲む飲まないは関係なく、制限時間も強制力も無いことだ。さんぎょーの腹はすでに限界の様子なのだが、もうすこし強制的に飲ませる指令だったら面白かったかもしれない。

 ちなみに購入したのは下の写真を参照のこと。しっかり飲んでるさんぎょーもさんぎょーである。

ある意味「水物」

 <第17の選択:東浦町その3> 15:17、総走行距離291.0km

 さてさて、まだ東浦から動けない一行。いよいよ5巡目に突入する。スグノレが抽選で引き当てたのは…引いた人が帰りの高速代出さなくてよい とある。スグノレ、大はしゃぎ。一同、大ブーイング。前半の正座の痛手を金銭的にカバー。

抽選風景
意外と高額でもない

 ちなみに、明石海峡大橋は渡るのに、最短距離で2300円。4人で割ると一人575円。これが3人になると766円。意外に安い。575円で正座1時間は不釣合いな気もするが、安くなるに越したことはないだろう。

 <第18の選択:東浦町その4> 15:17、総走行距離291.0km

 まったく東浦から動かないまま、前巡で東浦を引き当てたてつおーまで順番が回ってきた。そろそろこの状況を打破したい。しかし、例のごとく引きの弱いてつおーにそんな芸当ができるわけもない。引いたのはまたしても指令カード。しかも内容が内容である。ザ・テレビジョンみたいにたまねぎ持って写真撮影である。ヒドい指令だ。書いたのは私だが。

抽選風景
恥ずかしい指令

 本当は、最初は「地元の人とツーショット写真を撮る」だったが、さすがにそれはいかがなものかということで却下したのである。で、淡路島と言えばたまねぎだから、これを使おうということでこのような指令になったのだが、まさか自分で引くとは…

 東浦町には、東西に国道28号線が走っており、この街道筋にやたらと露店がある。もちろん、たまねぎも沢山売られている。目に付いたおみやげ屋さんに車を停め、たまねぎを購入。10玉で500円ぐらいだったかと思う。安い。払うのは当然てつおー。10玉も使い切れないので、とりあえず1玉もらい、残りはスグノレ家に寄付。早く食べないと芽が出るし、臭いがきつくなるので、一人暮らしには量的に厳しいのだ。

 とりあえず写真は下に。一人はイヤだったのでさんぎょーを巻き込む。

奇怪なツーショット

 <第19の選択:東浦町その5> 15:21、総走行距離293.7km

 まだまだ東浦。よっぽど「うら」という響きに共感しているのだろうか。まさかこんなにも足踏みをするとは。次の番はD.D。引いたのはやっぱり指令くじ。まずい食い物みやげを買う。決めるのは次の人、はらうのは引いた人と、飲み物ネタに続いては食べ物ネタが連発で。しかも何故に「まずい」と決め付けるのか。だいぶ失礼な指令である。

抽選風景
「まずい」の基準は?

 たまねぎを買った同じおみやげ屋に再び出陣。「名物にうまいものなし」とはよく言うが、果たしてたまねぎ以外で名物があるのだろうか。牛乳か?

 お土産屋を見渡すと、意外と色んなものがあるものだが、総じて値段が高い。これは、別に淡路島に限らず、どこに行っても土産ものというのは安いものではない。そんな中、さんぎょー(品物を選ぶ係)は「たこ八せんべい」という煎餅を見つける。値段は同じく500円ぐらいだったかと思う。しかし、写真を見てもらえればわかるように、量が減っているのである。ということは、それなりの味だったのである。煎餅やおかきなどは、一度食べ出すと止まらないものだが、そんなことを考えずともこの煎餅はおいしかった。指令を満たしていないといえばそれまでだが、誰一人文句を言うはずもない。

ヒット商品

 <第20の選択:東浦町その6> 15:25、総走行距離293.7km

 これだけ寄り道をしていると目的を忘れてしまいがちであるが、今回は「カントリーサイン」である。従って、「東浦町その5」の時点だ相当遠回りをしていることに気づかなくてはいけない。

 5巡目最後のさんぎょー。まだまだ東浦に滞在したいのか、またまた指令くじ。しかも今回も内容がヒドい。みんなから100円づつ徴収。喜び勇んでいるさんぎょーの顔が何とも憎たらしいが、さんぎょーはそれ以上に罰金を払っているのでこの指令があってもまだ赤字であることは内緒である。

抽選風景
多少赤字が解消

 <第21の選択:東浦町その7> 15:25、総走行距離293.7km

 さあ、盛り上がって参りました。打者2巡してしまいそうな勢いの東浦。みんな、どれだけ好きやねん。

 6巡目に突入。4巡目のてつおーが東浦を引いた時に、誰がこの状況を想像していただろうか。予想できたのは、さんぎょーの腹がいっぱいいっぱいになることぐらいだろうか。ともあれ、抽選。当然指令くじ。きっさ店で休けい(全員)。……。もう声も出ない。まず第一に、意味がわからない。なぜ休憩する必要があるのか。さんぎょーなんて、序盤に車中で休憩しまくってたというのに。しかも全員で、である。確かに一人だけ喫茶店で休憩しても意味はないとは思うが、それだけ時間を取られてしまうのがやっぱりナンセンスである。

抽選風景
この指令の意図は?

 結論から言うと、喫茶店が見つからなかった。あっても土日やっていないところや、潰れているところだったのである。島民はコーヒーを飲むことは少ないのであろうか?それとも、家で飲むのだろうか?その議題は置いといて、この指令はクリアすることなく闇に葬り去られてしまうのである。いや、それでも結構探したのよ。

 しかしながら、収穫もあるにはあった。国道28号線沿いに、"ワールドパークONOKORO"という遊園地のようなテーマパークのようなところがあるのだが、その中のパビリオンに、まさに今回我々が旅を思いついたきっかけとなる「兼高かおる記念館」があるのである。さすがにここは寄り道してでも観に行くべきだ!ということになったのだが、ただ単に記念館があるのではなく、遊園地の敷地内にあるということで、入場料を取られてしまうのである。しかも一人1200円!非常に高い。どうせ記念館以外は見ないのはわかりきっているのだから、1200円は高いという結論に至り、入ることは断念した。時間がいい時間だったので、ここではラジオで競馬を聴く。当然みんなしてヒドい結果。指令にしろ、競馬にしろ、遊園地にしろ、ついてない巡目だ。

 <第22の選択:東浦町その8> 15:50、総走行距離298.9km

 ついに2周してしまった。ここにきて意味の無い指令がダラダラと続いている上、お目当ての兼高かおるにも会えないとなればモチベーションは下がる一方。しかも、くじは全部で23枚しかないのに、21枚出てきて残り市町が2つということは、もう指令くじが出尽くしたということである。もうヤケだ。次はてつおーの番だが、もうどっちを引くかだけだ。引いたところ、津名町が出た。前述の国道28号線をたどればそのまま津名町に入れる。そのまま進む。見どころなし。

2巡かかって、やっと…
カントリーサイン

 <第23の選択:津名町> 16:12、総走行距離306.2km

 さて、これで残りは1つになった。残りが一宮町であることはもうわかっている。

一応最後の抽選

 しかし、現在いるカントリーサインがある場所の目の前に、奇妙な建屋があるのを発見してしまった。「たこせんべいの里」とある。たこせんべいと言えば、先ほどの指令にあったまずいみやげ物でD.Dが購入したものだ。ちゃんとした名物だったのか?ともかく、入ってみる。

 中は工場と売り場が一緒になっている作りになっており、工場見学もやっているらしい。そして何より驚いたのが、敷地が相当広いのである。我々が停めた駐車場は第2駐車場だったのだが(第1駐車場は満車だった)、その駐車場に観光バスがやたら停まっているのである。どうやら、れっきとした淡路島の観光コースらしい。そうとは知らず、例のごとく思いつきだけで入った我々は面食らってしまった。中ではコーヒーが無料で配られており、出来立ての煎餅を販売もしている。売場も広く、共有スペースではさっき購入した煎餅を、無料のコーヒーを飲みながら食べることもできるようだ。見事である。

広い共有スペース
一緒にすんなや

 しばらく油を売ってしまったが、コーヒーもタダで飲めたし、よしとしよう。さて、たこせんべいの里を離れ、いざカントリーサインを探しに…と行きたいのだが、津名町といえば、思い出すのが以前も書いたがワールドカップでイングランドがキャンプを張った場所だということだ。また、その時にも少し話題となったが、竹下登が総理大臣をやっていた時の、悪名高い「ふるさと創成事業」で、1億円の金の延べ棒を買ったことでも知られている(イングランドが順調に勝ち進むと町の資金が枯渇するので延べ棒を潰す計画もあったようだが、イングランド敗退によりそれは免れた)。とあれば、野次馬根性満載の我々のこと、これを観に行かない手はない。ゴールは見えているので、先にそっちに寄り道。

 やはり名所なのか、地図にもしっかり記載されており、簡単に辿り着いた。聞くところによると、観光客が延べ棒を触りすぎて擦り減っているらしく、現在は1億も価値が無いらしい。触らせるような場所においておくのも問題だと思うが。さて、いよいよその延べ棒とご対面。いやー、延べ棒なんて見るの初めてだな。「クイズ世界はSHOW BY ショーバイ!」で出てた延べ棒は多分ニセモノやろうし。と、下の看板が。

門前払い

 ONOKOROパークで競馬を聴いていたのと、たこせんべいの里で油を売っていた時間がたたってしまった。なんと16時までだったのだ。この時時刻は16:30を回ったところ。17時までだと勝手に判断して高を括っていた我々には非常な看板だ。いや、我々が悪いのだが。

 残念ながら延べ棒は見られず、そのまま一宮町に向かうことに。

最後のカントリーサイン

 これで、淡路島の11市町をすべて回り、全てのカントリーサイン(そうは言えないものも多いが)を写真に収めることができた。総走行距離は300kmを超え、時間も寄り道を含めて10時間を超えた。なんともムダな時間だったが、ずっと運転手だったのが一番応えたか。序盤に高いびきだったさんぎょーがこの時間にすでにエンジン全開だったのがうっとうしい。

 <その後>

 今回の写真で足りない部分をもう一度撮りに行き、全てが終わったのが18時過ぎ。あたりも暗くなりはじめてきたし、道も意外と車が多くなってきた。早く島を脱出しよう。腹が減ったので、とりあえず神戸に戻って晩飯を相伴しよう、ということになり、まずは例によって鳴門自動車道。名谷から神戸市街に下ることにし、途中で何か良さそうなものがあったら食べよう、ということに。

 板宿まで出てきたところで、D.Dがあることを思い出す。それは、ちょうど1年前、新長田駅前に行った時に行われていたイベントのことである。ひょっとしたら、今年もやっているのでは?という軽いノリで新長田に向かうことになった。新長田駅前はにぎやかで、駅前商店街の横を通り過ぎた時でもイベントらしきものをやっている様子もなければ、音も聞こえない。ああ、今年は無かったのかー、と誰もが思っていたのだが、駅前の広場に行くと展開が急転。

垂れ幕まで一緒
多国籍料理

 音はうるさいわ、なんか多国籍の料理がいろいろ相まってすごい匂いがするわ(臭いわけではない)で、期待に違わぬすばらしいイベントだ。毎年やっているのか。折角なのでここで晩飯としゃれこむが、料理がよくわからないのと、とりあえずどれを食べても辛そうなこと、更に通り雨にたたられるなど最悪に近い環境だ。雨さえなければ楽しめたのかもしれないが。また、中華のブースでは小龍包やニラ饅頭を売っていたが、閉店間際に購入したら、ワンパックおまけしてくれた(要するに2倍になった)。ニラ饅頭だけ2パックは体に重い。重すぎる。

 終始、雨にたたられたカントリーサインもこれにて終了。現在私は車を実家に置いているので、このようなイベントが今後執り行われる可能性は低いが、一度はあってもいいのでは?10月のイベントなのに、記事が上がったのが6月という三谷幸喜も真っ青な見事な遅筆ぶり。次回はどこで何をやるか不明だが、イベント関係の記事は早めに書かないと臨場感が薄れることを反省。


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