第64回
電車男に告ぐ!!
乗れない地域もあるんだ、ありがたく思え!!
〜沖縄本島カントリーサイン 初日〜

 旅先で急遽目的ができた今回の沖縄視察。カントリーサインとしては、とりあえず嘉手納町読谷村恩納村の3つしかまだ行っていない。ちなみに本島には30以上に市町村があるが、2泊3日の行程なら何とかなるレベルだとは(この時は)思っていた。

 恩納村にはそばに金武町、宜野座村、石川市の3つがあるのでまずはこのへんから。高速道路は北部までは伸びていないので、北部回りは完全に一般道だけが頼りになる。カーナビが特に役に立つわけではない。まあオプションでタダだったから損はしていないが。それよりも困るのが、横浜や淡路島でも体験した、市町村境にカントリーサインが無い可能性があることである。今までは気にせず走っていたが、ここからはこれにも(というかこれだけ)気をつけなくてはいけない。海沿いを走っていくと、やがて南に下る道があったので、ここからは石川市に向かう。この辺は意外と個々の市町村の面積が狭いようなので、軽くクリアしておきたい。

恩名のシーサイド
石川市

 ちなみに、石川市は2005年4月1日から具志川市、与那城町、勝連町と共にうるま市に変更になったとのこと。市の歴史のだいぶ最後の方に訪れたこととなる。ある意味この写真は貴重。続いて

宜野座村
金武町
名護市

 宜野座村金武町名護市と市町村1つづつをクリア。ちなみに金武は「きん」と読むらしい。沖縄はこれからも難読地名が多いので、地図を片手にこれを読んで欲しい。もしくはクイズ感覚で読み方を推理するもよし。

 名護市は北部の大きな面積を占めているので、他の市町村に行きづらい。かと言って別に名護市内に行きたい場所があるわけでもない。困った土地だ。なにせ書くことが無い。日本ハムだったかな、名護でキャンプやってたのは。ここで時間が16時半。3月とはいえ、春分前。日没はそう遠くない。横浜の時に日没後にカントリーサイン撮影に大変苦労した記憶があるので、なるべくなら今日回る市町村は全て日没前に回りたい。一番のネックは最北端の国頭村である。村に入る道路が地図を見る限りでも3つぐらいしかないし、その道を地図で見る限りではおよそ街灯があるとは思えない山の中の道である。早くここに行かなくては。名護からは本島が2つに枝分かれしており、国頭村があるのが北東、海洋博公園があるのが北西である。迷った末に北西に決めた。「北北西に進路を取れ」はヒッチコックだったか。

 北西は2町村。

本部町
今帰仁村

 本部町は「もとぶ」、今帰仁村は「なきじん」が正解。前者はともかく、後者はどんなに想像力が豊かでも読めるとは思えない。

 名護に戻ってきてとある交差点にて。

今度はちゃんと近鉄の選手

 ちなみに漢字の下にアルファベットで読みが書いてあるが、「ひさし」ではなく「くし」だった。今のところピッチャーとショートしかいない。ナインを揃えるのは難しい(しかも近鉄だけだし)。

 ここからは後に選択となった北東部に向かう。残るは3村。まずは近場で

大宜味村

 大宜味村をクリア。ここまで通った道路すべてにカントリーサインがある幸運。大宜味村入村が17時。沖縄は他のどの都道府県よりも西にあるので、日没は遅いはず。これならなんとか回れそうである。しかしながら、次を急ぐ。なぜなら、ここで色気が出てしまったからだ。カントリーサインをどうせやるのなら、本島最北端の辺戸岬まで行ってしまおう、という魂胆である。これがなぜ問題かというと、沖縄本島の北部を見ればよくわかる。大宜味村から北には村としては国頭村が1つあるだけだが、この村が広い。ということは、カントリーサインはすぐ撮れるが、その後岬まで行ってさらに別の村の入口まで向かおうとすると大幅なタイムロスが予想されるのである。時刻は前述通り17時。微妙な時間であるが、ここは行くことにする。

 国道沿いなので国頭村はすぐに発見。時間はまだ17時を少し回ったところ。ここから辺戸岬までは一直線。ただし距離にしたらゆうに20kmはある。山道(海沿いだけど)でスピードも出しづらい。本当に時間との戦いだ。

国頭村

 普段から安全運転の私であるが、こんなときはスピードを出す。しかし、片道1車線である上この道を急いで通過しなければいけない人は私以外にいないということから、先を急ごうにも車がすぐつかえてしまう。そんなにみんなしてこんな時間に岬に行く用事があるのだろうか。しばらくして2車線となったところで一気に抜き去る。すると今度は完全に前に車がいなくなる。ネックとなっていたのはトラックだったか。何を運んでいるのやら。

 心配をよそに、わずか30分足らずで辺戸岬到着。17時半であれば、たとえ春分でも沖縄はまだまだ日がある。少し休憩。

なにか石碑
これぞ「沖縄」と感じる石碑
もうすぐ日没。キレイな夕陽
不明オブジェ

 「ここに地終わりて海始まる」とか書いてあるものを探したが見つからず。まあとりあえず最北端は制覇。

 ここからはまた急いで南下。北上には西側ルートを取ったが、南下は東側ルートを選択。こちらは西側より地獄。海沿いじゃないのでまわりの景色も殺風景。山がちなのでカーブが多くさっきよりスピードが出ない。唯一の救いはやはり車の通りが無いこと。道端によくカラスみたいな鳥がいたが、まあヤンバルクイナではないだろう。違いがよくわからんし。

 岬から1時間近くかかって、ようやく東村に。これで北部は全制覇。時刻は18時半。意外と余裕があった。これなら美ら海水族館の前ぐらいには行けていたかもしれないとやや後悔。としばらくしたらこれを発見。

東村
またしても元近鉄

 これで3人目!!と他人から見れば何の変哲も無い国道の標識の前で狂喜乱舞。しかしよく見ると「ありめ」じゃなくて「あるめ」だった。

 宿がある沖縄市に向けて戻る。有銘を超えるものは現れなかった。残念。沖縄市に入るともう完全に夜。時間も時間なので、腹ごしらえしてから宿に行こうと決心。宿までの道で食べるところを探す。

 沖縄市に入ったが、問題が発生。思ったより開けていないのである。街という街もなく、従って飯を食べるところが見当たらない。食堂みたいなところが無きにしもあらずではあるが、時間が遅いせいか、閉まっている。あるのはファーストフードばかり。土地勘のない場所でこれは厳しい。作戦を練ることにしたいのだが、作戦も思いつかない。こんなとき、あなたならどうするだろうか。諦める、というのも一つの手段だが、生憎この日は例の四角いおにぎり以降お茶しか口にしていないのでそれはしんどい。宿に食べ物があるだろうから、と考える人もいるだろうが、この宿には早く閉まる食堂はあってもこの時間に食べるものなどない。そうなると、少しでも開けている場所に行こうとするのが人間心理というものだ。

 さて、ここで問題。その「少しでも開けている場所」とは具体的にどこでしょうか。土地勘の無い場所、という制約条件をつけてお考え下さい。誰しもが行き着く答えは、駅前となるだろう。しかしよく考えてほしい。ここは沖縄である。そう、駅前という概念が無いのである。これは痛い。指標が全くないのである。長い前置きだったが、結局この日は夜までやってるスーパーで晩飯を購入という虚しい結果が待っているだけだった。

 命からがら宿に到着。宿は「京都観光ホテル」という沖縄にはおよそ似つかわしくないホテルだった。ビジネスホテルらしいが、どこぞの高校の部活で合宿に使っているらしく、夜中までうるさかった。壁薄いから声が筒抜け。安宿はこれがあるから痛い。しかもこのホテル、なぜかベッドがダブルである。連れ込み宿としても使えるってことか?まったくよくわからん。

繰り返すが、ここは「沖縄」
広すぎるベッド

 ようやく初日が終了。いよいよ次回は残る南部を攻める戦いが始まる。


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