そんなわけでようやく取れた夏休みが8/27(土)。きっちりその日に出発する便を確保。8:55伊丹発の便のため6時起床。そしてそこから仕度。いつものことだが、前日に何も用意していないのはご愛嬌。いつものかばんが前回の出張で壊れたので、今回はおニューのかばんを1週間前に購入。5泊6日の長丁場なので、荷物はそれなりにあるが、夏ということでやはり荷物は少なめ。足りないものは例によって現地調達でいいや、という気楽なものだ。
ただ、今回はある程度周到な準備が必要なものもある。去年の北海道旅行はコンセプトも特になく、行きたいところに行ったものである上に、レンタカーを借りた割りには行動範囲が狭かった。そこで今回は北海道ならではのことをやろう、というコンセプトを確立。それは、「北海道連鎖殺人事件 オホーツクに消ゆ」の足跡を辿ることである。
このゲームは、ドラクエのシナリオライターである堀井雄二がプロデュースしたアドベンチャーゲームで、東京と北海道で起こった連続殺人事件を主人公であるプレイヤーと部下の2人が謎を解いていく、というストーリーだが、東京はともかく北海道は広大な土地で様々な事件が起きるため、その移動距離がハンパじゃない。だが、ゲームである以上ゲーム中はそれを全く実感できず、「ばしょいどう」のコマンド1つで高速移動が可能になっているのだ。新手のワンクリック詐欺である。
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さて、今回その足跡を辿る旅に出ることにしたのだが、大事な準備が1つある。それはその足跡を予め調べておくことである。行った場所がわからないことには、こちらも足跡を辿りようがない、という単純な理由である。このために日本橋に行ってソフトを購入して一度クリアする念の入れよう。日本橋でファミコンソフトを買うのは、ゲームセンターCXに感化されて「元祖西遊記スーパーモンキー大冒険」を買いに行って以来だ。ちなみにこのソフト、280円だったがセールで半額だった。140円て。
しかし、この確認作業が一苦労。クリアしたのが十数年前というのもあって忘れていることが多かった。1日でクリアしたことはしたが、正味4時間ぐらいかかってしまった。実に勿体無い時間である。そして苦労して作ったのが行った場所リスト。
札幌 | 札幌駅 | すすきの | コロポックリ | 手稲 |
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夕張 | 夕張の町 | 夕張炭鉱 | ||
函館 | 函館の町 | 蛍町 | ||
釧路 | 釧路空港 | 釧路駅前 | 緑ヶ丘 | |
網走 | 網走市内 | 網走港 | 網走刑務所 | |
紋別 | 紋別の町 | 紋別港 | 高台公園 | |
ウトロ | ウトロの町 | ウトロ港 | ||
知床 | 知床五湖 | |||
道央の湖 | 阿寒湖 | 屈斜路湖 | 和琴温泉 | 摩周湖 |
北海道の地理に明るい人ならお分かりかと思うが、相当いろんなとこに飛んでいることがわかる。函館は北海道のほぼ最南端だし、紋別はオホーツク海に面したかなり北の方だ。しかも函館は西側、紋別は東側であるからそれだけでも北海道縦断になる。直線距離で300km。もちろん直線距離なので実際は途方もない距離である。ただでさえ広い土地の北海道に加え、道が無いのも難航のポイントである。決して思いつきでやろうと思ってはいけないことだ。よいこは気をつけよう。
ただ、私はこのゲームに特別な思い入れがあり、ゲームプログラマーを目指すきっかけとなったゲームの1つであるので(その夢は大学2回生の時にアッサリ破れたが)、ぜひとも足跡を辿る旅はしたかった。学生時代はヒマはあったが車の免許が無く遂行できなかった。社会人になって5年目、ようやくその夢がかなう時がおとずれたのだ。
伊丹に着いたのが8時過ぎ。そこからチェックインだが、ご存知の通り私のチケットは韓国で購入したものであるので、大体がすんなりチェックインさせてくれない。やれ有効期限がどうとか、やれ購入時の差額がどうとか言われる。なのでこのチケットを所持している方は早めに空港に行かれることをおすすめする(おらんやろな)。
飛行機は時間通り順調に飛行したが、私の腹は急降下である。前回、沖縄旅行の際にシートベルト着用サインが出た瞬間に痛くなった時は相当苦しんだが、今回は離陸直後だ。どっちが大変かは人それぞれだろうが、ベルト着用サインが消えた瞬間にトイレに立ったので相当目だってしまった。また前途多難を臭わせる事象だ。いい加減になんとかしたいな、この腹。
新千歳空港に到着。ここからレンタカーを借りるのだが、千歳ではどのレンタカー会社も空港のすぐ近くに無いため(確保している車の数が半端じゃないため、北海道といえども広い駐車場が各社必要になるのだ)、レンタカー会社が用意したバスに乗る。今回は10社ほど相見積もりして一番安かったマツダレンタカーにしていたのでマツダの車になる。予約時にはクラス指定しかしていなかったので、まあデミオぐらいかな、と思い着いてみると、用意されていたのはファミリアだった。完全にファミリーカー。「何名様でご利用ですか?」のレンタカー会社のお姉ちゃんの問いが悲しい。まあ道内を回ることはわかっているのである程度の排気量が必要であるからいいのだが。しかしこの車、型式は古いしミラーは汚れてるし、走行距離が100,000kmをゆうに超えている。さらに後でわかったのはワイパーが水を吸わない。どうなってるんや、この会社。安いには安いなりの理由があるってことか。
しかし嘆いていても仕方ないので出発することに。時刻は11:30。ここから北海道を縦横無尽に駆けずり回る旅が始まるのである。
新千歳空港 8/27(土) 11:30 総走行距離 0km
千歳から一番近いのはやはり札幌である。ところが、私にはこの足跡を辿る他に行きたい場所があった。この日は土曜日。従って競馬が開催されているのだ。せっかくなので馬券を購入したい。しかし札幌では競馬場に行った経験がある。そこで思いついたのが、WINS静内である。馬券購入者も馬産地の人が殆んどだろう。みんな長靴履いて軽トラックで買いに来ているに違いない。そんな稀有なWINSは日本中探しても静内にしかないだろう。行ってみたい。ということで札幌はいつでも行けるので後回しにし、南に向かうことに。
南に向かうとあるのは苫小牧市。…となると、それはそれで途中寄り道して行くべきところが1箇所。
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8/27(土)といえば、優勝から1週間経過したところ。暴力事件が明るみになり、ちょうどこの日の午後に優勝の扱いを含めて判断が下されるところだった。その日の昼間に撮影したもの。もっと大々的かと思ったらやはりそんなことがあったからだろうか横断幕は控えめ。また、報道陣が退去押し寄せているかと思ったら誰もおらず、観光客だろうか「わ」ナンバーの車が何台か止まっていて写真を撮っていた。みんな考えてること一緒。ただ、カメラを向けると中にいる人が露骨に嫌な顔をするので思い切り撮れなかったのが残念。
駒大苫小牧高校前 8/27(土) 12:20 総走行距離 30.8km
この時期に北海道に行くということは駒大苫小牧に行くのは半ば義務化していたのだが、これで肩の荷が下りた。安心して静内に向かうことにする。苫小牧から静内までは100km弱。高速道路も無いところではあるが、一般道が混んでいるわけではない上にスピードがでやすい(信号が少ない)ので思ったよりも時間はかからない。手持ちのるるぶには50kmを1時間の目安に、とあるが、本州で一般道で1時間50kmを進もうと思ったらよっぽど信号運に恵まれていなければいけないことを考えるとマシである。途中、門別に入ったぐらいのところに
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わざわざ逆戻りして撮影した写真だが、門別あたりから名前の知ってる牧場の看板がやたらと出てくるので、いちいち面倒くさくなってきたのでとりあえずこの1枚だけで。個人的にはスマートボーイのお礼のためにグランド牧場は見つけたかったが見つからなかった(もう途中から注意深く見てないけど)。
西山牧場をすぎて3分ぐらいして
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門別競馬場を発見。やたらコスモバルクを押している横断幕をみかけたが、やはり北海道では超有名人、いや超有名馬なのだろう。
海沿いを南下する国道235号線をひたすら南に。まっすぐな道とその両脇には牧場が山ほど。最初はものめずらしくて興味深深だったが、さすがに何十kmと続くと飽きてくる。しかしその中を走る爽快感はさすが北海道。何者にも変え難い。
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駒大苫小牧から都合2時間、ようやく静内に到着。50km/hのペースを守って2時間。100kmあるってことになる。やはり広い!!目的地1つ行くのに100km走らされるとは。しかしこの後、100km単位の移動が当たり前になることにはまだ気づかない私…。車の運転苦手なのにぃ。
WINS静内到着 8/27(土) 14:10 総走行距離 123.5km
静内町はやはり馬産地である。街道に沿わなくても牧場だらけ。国道からやや奥まったところにWINSはあった。
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隣にセリ市やる場所もあったが、セリは26日に終わったらしい。タイミングわろし。WINSのつくりは市街地にはありえない平屋の1階立て。屋根は高いが実際は狭い。容量からしたらWINS梅田の方が上だろう。また、長靴履いている人はいなかった。軽トラックはたくさんとまっていたが。駐車場有料だったし。車でしか来れんだろうが、こんなとこ。JRAも阿漕な商売しよるのー。
着いたのが14時過ぎということでそろそろ特別が始まろうかぐらいの時間帯。ある程度予想はしてきたのでそれを元に馬券を購入。馬券はQRコードのある新しいものではなく、昔あった一回り大きい磁気の馬券だった。久しぶりに見た。しかし肝心の馬券の方が当たらない。一番の勝負ともくろんでいた西海賞で私のかつてのPOG馬、マルカフローリアンが武豊を背に人気して飛ぶ波乱があったのが大きな敗因か。レースが終わると電話をかけはじめ「先生の馬が…」という会話がそこかしこで聞こえるのは、やはり調教師と話をしているのだろうか。まさか選挙の話ではあるまい。
長居すると予定が狂うので、1時間ほど滞在してWINS静内を後にする。最後に札幌最終が1200mだったのでシシャモムスメを総流しした馬券を購入。この最後の買い足しが思いも寄らぬことに。
WINS静内出発 8/27(土) 15:15 総走行距離 123.5km
1時間の滞在ですぐに静内を出発。再び国道235号線を南下。三石町、浦河町と引き続き聞いたことある土地を走る。しかし周りの景色は一向に変わらない。相変わらずの牧場地帯、片一方は海である。何線だかわからない線路と並行して道路が走っているが、ただの一度も電車を見ていない。一体何時間おきに走っているのだろうか。そもそも駅の標識が無いので駅に行って確かめることすらできない。
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たまに波が道路まで来ることがあるのだが、それが結構高い波なので運転してて怖い。正直かなりのスピードで走っているし、そもそもそんな波をかぶると一瞬前が見えなくなる。写真のような開けているところならただ単に対向車に気をつければいいだけだが、洞門みたいなところだと海側が開いているばっかりに波をかぶると壁にも気をつけないといけなくなる。この日は台風が逸れたとは言え太平洋沖合にあるので、その影響だろう。しばらくはスピードを落として走るしかない。
2時間ほど経過し、ようやく次の目的地である襟裳岬に到着。2時間も波と格闘していたのか。またこれだけで100km。
襟裳岬 8/27(土) 17:10 総走行距離 220.1km
観光地化されている岬だが、観光客は数えるほど。場所の問題か、時間の問題か。着いて車から出ると森進一の「襟裳岬」が大音量で流れている。非常にわかりやすい。で、それが終わると今度は島倉千代子の「襟裳岬」。これもわかりやすい。やれやれベタだな、次は何が来るんや?と期待していたらなんと森進一に戻ってしまう。結局この先、岬を出るまでこの2曲のヘビーローテーションを聴かされるハメになった。駐車場から岬まで2,3分歩いたところにあったが、風がきつい。三方を海に囲まれた場所である。それも当然か。
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5分でみどころを回る。ノドを潤すために自動販売機でお茶を購入。ついでに携帯で競馬の結果を見てみると、札幌最終は9番人気まで評価を下げたシシャモムスメが激走。人気薄のレオニダスを引きつれ、馬単で23,450円の高配当をゲット!!芝1200mという理由だけで購入したのだが、よく考えると今年取った馬単の万馬券はすべて芝1200m(ディープサマー、モンパルナス、そしてシシャモムスメ)。今年は芝1200mと相性がいいのだろうか。いや、ただ単に芝1200mだと何でもアリだから荒れやすいだけか。ともかくこれでこの日の宿代ぐらいは確保できた。
日も暮れてきたのですぐに出発。そろそろ寝床を確保しないといけない。襟裳からだと大きい街は帯広か釧路である。帯広の方が近いが釧路の方が次の日の行動がしやすい(足跡もたどれる)、という安易な考えから、釧路に向かうことにした。ナビで釧路に目的地を設定すると、距離は200km、到達時間の予想は22:20と表示される。……ちなみにこのときの時刻が17:15。それで22:20て。どんだけ遠いねん。
しかし初日ということもあり、ここは体力も残っているので極力前倒しする努力をすることに。5泊6日もある、1日ぐらいコンビニ弁当だっていいだろう。海沿いに走っている国道336号線をひたすら北上。18時過ぎて野球のナイター中継でも聞きながら走ろうと思うが、こんな海沿いなのに山がちな場所も多く、トンネルが多いところからAMは全く入らない。FMでは野球が聞けない(FM埼玉を除く)。というわけで野球は断念。手持ちのCDで間に合わせる。沖縄の時はCDを持たずに行ってえらい退屈したが(結果的に福岡沖の地震のニュースばかり聞いていたので退屈ではなかったが)、今回はきちんと持参。ただ、ナビの通り5時間もかかるのであれば、CD3,4枚ぐらいはすぐに聞き終わってしまう。雰囲気を出すために「オホーツクに消ゆ」のサウンドトラックも持っていったが、これは1周50分弱なのでさらに間隔が短い。一人はこういう時につらい。
えりも町から北上したところにある広尾町でこんなものを発見。
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中川一郎って確か最後自殺してるよなー。何が置いてあるか疑問である。息子は21年間年金未払いも知らぬ顔で押し通す厚顔の中川昭一。この日は衆議院選挙の公示前なので目立ったポスター等はなかったが、途中立ち寄ったコンビニで聞くとやはり有名人らしい(地元では北勝海の方を推す人も多いそうな)。いや、コンビニで何の会話しとんねん、わし。
広尾町を過ぎると大樹町があったが、大樹ファームに行く気力もなし。場所を探す気力すらなし。そもそも19時近い時間なので放牧されているとも思えん。日が暮れ、スピードを出しにくい暗さになってきた。対向車は一向に現れないが、このあたりは動物が横切ることが多いらしいのでやはり運転は慎重に。確かにそこかしこに「動物注意」の標識がある。しかしエゾシカとかならまだしも、熊が出たらどうするんだろうか。熊除けの鈴なんぞ持参してないぞ。
走っていくうちに、ナビの到着予定時刻が刻々と早まっているのがわかる。どうやら、一般道では40km/hで計算をしているらしい。実際には法定速度をゆうに超える速度で走っているので(現行犯ではないからこんなこと書いても捕まらないよね…)、徐々に縮まっているようだ。速いのはいいのだが、飛んでくる虫が全く回避できない。特に多いのは蝶のたぐいで、2分に一度はフロントガラスに当たってくる。ワイパー動かしても無意味だし(むしろ死んだ虫が伸びてしまい逆効果)、スピードを落とすと到達時間が遅くなる。しばらく走っているとフロントガラスが真っ白になってしまったので手持ちのタオルを1枚雑巾代わりにして拭き取る。ウィンドウウォッシャーも頻繁に使用。恐ろしい旅だ。
襟裳岬から約3時間、ようやく釧路市内に到着。時刻は20:10。ここから宿を探す。最初はカプセルホテルのつもりでいたが、デジカメや携帯の充電もあること、シシャモムスメの金があることからビジネスホテルを検索。釧路駅からほど近い宿を確保。
釧路 8/27(土) 20:10 総走行距離 423.4km
走行距離は400kmを突破。さすがに疲れた。宿はビジネスホテルだったが、驚いたことに冷房が無い。冬場はそれでもいいかもしれんが…。夏場はよっぽど客がいないのか、それとも窓を開けるだけでいいのか。仕方ないので後者を選択するしかない。しかも、飯を食う場所があまりないのも問題。酒が飲めない私は居酒屋に入ることはまずないし、ジンギスカンを含めた鍋料理は一人では入りづらい。従ってこの日は本当にコンビニで買うハメになってしまった。印象最悪。
夜になると静かな街である。窓を開けていてもうるさい音は聞こえてこない。夜の街に繰り出してもやることが無いし、だいぶ疲れもあったのでこの日はそのまま就寝。時刻はまだ22時。こんな時間に寝ると次の日に早く目覚めてしまうが、前倒し励行なので問題なし。釧路の写真は次の日に取ることに。余計なところばかり寄り道して、目標をまだ1つもクリアしていないのだが、それは気にしない。