罪の刻印

 

かつて、デジモンカイザーの要塞だったところ…。しかし、それはもはやその主もなく、廃虚と化していた。

その、要塞に今、僕は来ている。かつての要塞の主である一乗寺賢といっしょに…。

「ふーん、ここに君が座ってたんだ。」

「何で、わざわざ、こんなところに…。」

「怖いの?昔してきたことを思い出すのは…。」

賢はかつての自分の玉座に目を背ける。その玉座こそ、彼の罪の証だった。忌々しい過去があったことを証明するもの…。

「ちゃんと見なよ…。」

僕は、賢の顔を玉座の方に向かせる。

「僕が座ってみようか…。」

言って僕はそれに座った。

「これに座ってどんな気分だったの?」

賢は辛そうに、顔を下にうつむける。

「君も座りなよ…。」

僕は賢の手を掴み、自分の膝の上に座らせた。

「苦しい?一乗寺君。」

言いながら、僕は震える彼の身体を抱きすくめる。

「はな、して…。」

「だめ。」

後ろから、詰襟を脱がし、シャツのボタンに手をかける。

「なにを…。」

「決まってるでしょ。」

「君って、すっごく細いんだね。女の子みたい…。」

僕は、賢のはだけた部分に指を這わせた。

「やぁ…。」

「こんなふうに人から触わられたことってないの?」

賢はこの玉座に来るとあまりにも無力になってしまう。「罪」という見えない手錠が彼を繋いでいる。

僕は、その手錠が解けずにもがいている彼でさえ、いやそんな賢だからこそ、愛しい。

賢の胸元に口付け、吸う。

チュ…。

「はぁぁん…。」

いつもの冷静な彼からは考えられない声が口から発せられている。

「君がこんなに可愛いなんて、知らなかったな。」

「やめ、て…。」

弱々しく抗おうとする。それがまた僕をそそる。

「じゃあ、この行為が贖罪だとしたら?」

「しょく、ざい?」

「そう、贖罪。」

抗うその手も止まる。

僕は、賢のジッパーを下ろして、彼のもの出す。それは僅かだが、白い、愛液で濡れていた。

「少し、濡れているね。」

僕はクスリと笑った。

「この態勢だったら、見えるよね…。」

賢はおそるおそる下に顔をやって、赤面する。

「そんなに恥ずかしい?」

賢は震えている。自分の犯した罪と、僕の行為に脅えているのだ。

指を二本入れた。

「やぁぁ…。」

彼のはまだ、未開だったので、堅く、彼は、痛みから辛そうにうめいた。

「ひぃぃ…。」

彼の中で、指を動かす…。

「入れていい?」

了解を得ないまま、僕は我慢できずに、自分のを出すと、彼の中にいきなり入れた。あまりにも、賢が欲しかったから…。

「やぁぁぁぁ…。」

中はまだ堅く、案の定、賢は泣き叫んだ。でも、僕は加減をせずに。奥まで入れた。深く、深く…。僕達の繋がった部分から鈍い、ギチギチという音がする。

「いやぁぁぁ…。」

賢は初めて他人に貫かれ、混乱して泣き叫んだ。それだけの感情で泣き叫んでいるのではないのも僕は知っている。彼はここで、犯されることは、かつての自分の罪に刻印をつけることに他ならなかった。彼はその刻印にも脅えていた。それでも、僕はお構いなしに、彼を目茶苦茶に突いた。我慢できなかったのだ。賢を見てると、僕は凶器の沙汰になってしまう。欲望のまま彼を貫くことしかできない…。

僕は、欲情が突き動かすまま、腰を動かす。

「君も、動かして…。僕がイケナイヨ。」

「うぁぁぁぁ…。」

賢は叫び続けて、そして、果てる…。

彼は、僕の膝の上で眠った。僕は、彼の頭を撫でる。彼は、贖罪として僕に身を委ねたのか…。でも、そんなことはどうでも良かった。ただ、彼がここにいるという事実さえあれば…。

 

 

 

僕は、犯された。かつて自分が罪を犯していたこの場所で…。

彼はこれを「贖罪」という…。

そう、言われた時、僕は彼に身体を委ねてしまった。

委ねざるを得なかった。

「贖罪」をした筈の僕…。

でも、何故か、堕落しているような気がする…。

これは、「罪の刻印」つけるための行為に過ぎないのかもしれない。

それは何故?

それは何故?

分からない。

分からない。