「目、覚めたんだ。」

随分長い時間が経ったような気がする。実際どのくらいの時間が経ったのだろう。目の前にはやはり高石がいて、ここはデジタルワールドだった。眠りから現実に引き戻された僕は愕然とした。

僕は高石に犯された時のままの格好で服がはだけまくっていた。そして手は相変わらず縛られたまま・・・。

「もう、解いて・・・。」

「ああ、君が素直になったらほどいてあげるよ。」

高石はニッコリ笑う。その笑いには狂気が滲み出ているように僕には思えた。

「今すぐ、解け・・・。」

僕は喉から声を振り絞った。

「僕に命令するんだ。強くなったね。」

「いい加減にしろ。」

僕は低く言った。弱腰を見せたら彼の思う壺である。それだけは避けねばならない。

「嫌だって言ったら君はどうするわけ?」

高石は平然として言い放つ。僕がどんなに声に凄みきかせようとしたところで、高石には通用しないことは承知だった。

「自分、で、ほど、く・・・。」

高石の青みがかった瞳に射抜かれ、僕の声が震え、だんだん小さくなる。

「やってみせてよ。」

高石は笑いながら言った。そして僕の唇に自分の唇を重ねてくる。舌が少々乱暴に僕の唇を開き押し入った。

「ん、ん・・・。」

僕は自由の聞かない手を動かそうと、もがいた。ひもの摩擦で手首を傷つけた。高石の舌の動きによって力が抜け、手も動きも鈍くなった。

また、彼の思う壷だ。

高石は唇を放し、冷たく言った。

「解いてみせてよ。」

僕はさっきのキスで体中が痺れて動けなかった。

「やらないの。じゃあ・・・。」

そのまま、高石は僕のはだけた上半身に舌を這わせた。そして、上半身の突起を口に含み軽く噛んだ。

「つっ・・・。」

奇妙な感覚に僕は震えた。その突起を高石は歯で弄ぶ。鈍い音を立てながら。

「やっ・・・。」

僕は歯で刺激を与えられる度にピクピクと腰が動く。

「やぁ・・・。」

「気持ちいいでしょ。賢の弱いところはお見通しだから。」

そのまま、高石は僕の下半身の秘部をさぐりあて、握る。さっきのキスと歯噛みで僕の下半身は白い液体が滲み出ていた。

「ああ、こんなにしちゃって。じらして僕をその気にさせようと演技でもしてたのかな。」

「違う・・・。」

「本当に嫌だったらこんなに濡れないよね。君は何を期待しているの?やらしい。」

高石はクスクス笑いながら言った。

高石は僕の羞恥心を煽るような台詞を次々と吐いた。耳を塞ぎたい。しかし肝心の手は自由がきかないのだ。高石の言葉により、僕は自己嫌悪に震える。

「もう、帰ろう・・・。」

「何で?ここだったら好きなだけ君の好きな事ができるんだよ。現実世界に帰っちゃったら、周りの目を気にして自慰行為すら満足にできないじゃない。」

「素直になりなよ。君はもう、穢れたんだから。」

「僕はこんなことしたくない。」

僕がそう、言ったとたん、高石の目がさらに凍り付くように冷たく、鋭くなった。

「ふーん、君はそんなに綺麗ぶるんだ。だったら分からせてあげるよ。君が淫乱だってことをね。」

高石は口を歪ませた。

「やめ、て・・・。」

高石は僕の態勢を裏返し、四つん這いにした。

そして、指を入れる。

「やぁぁ・・・。」

鈍い音と共に僕は激しい異物感を感じた。高石は中で指を動かした。その度に腰が座りそうになったが、高石が後ろから僕を抑え付けて、それを許さなかった。体中が熱くなり、思考能力が低下してくる。

「いやぁぁん・・・。」

そして、彼の思惑通りなのだろう。淫らな声が自分の意思と関係なしに洩れてくる。

「クク、これでも君は綺麗なの?」

高石の声に僕は我に返る。

「あ・・・。」

僕は穢れている。

「分かるよね。嘘吐きには罰があるってこと。」

「お願い、許して。」

僕は懇願した。

「何言ってんの?イイ機会じゃない。この体に思い知らせてあげる。」

そう言って高石は僕の腰を強く掴むとそのまま、後ろから押し入ってきた。

身体が下から貫かれるような痛みが僕の中を駆け抜けた。

「痛い。お願い、抜いてぇぇぇ・・・。」

僕は泣き叫んだ。

「痛いの?でも仕方ないよ。君が悪いんだよ。」

言って高石は僕の中で目茶苦茶に動き、逃げようとする僕を煽る。

「簡単にイカレルと僕が面白くないからね。」

言って笑った。

「賢、イクヨ。」

「やだぁぁ・・・。」

二人の液体が飛び散る。

単純で痛みを伴う、その行為は幾度となく繰り返された。僕はそれが永遠に終わる事がないようにさえ、感じていた。

誰か、助けて・・・。本宮・・・。

「本宮・・・。」

その一言を呟き、果てた。