(タケル様の御用達)

「いらっしゃいませ。」

チャイナドレスを着た一見すると、いや、よく見ても、女っぽい、ホストが一礼した。彼は、ここのホストクラブでは賢と呼ばれていた。

「あっ、いたいた。早速着てくれたんだね。よく似合うよ。」

客は、金髪で碧眼の男だった。名前を高石タケルといった。このホストクラブのVIP専用ルームの常連客である。

タケルは満足げに笑った。

「あ、ありがとうございます。」

賢は、着ている服が女物であるという恥ずかしさに顔をピンク色に染めていた。

彼が何故、チャイナドレスだというと、以前、タケルがこのホストクラブに着た時、初めて店に出た賢が目に留まり、指名をしたところ、大層、賢のことが気に入り、このドレスも着せてみたいという理由だけで、とある、有名デザイナーに作らせ、送ったものである。

「あの、ご案内致します。」

まだ、賢は、ここのホストクラブに入ったばかりで、客の相手やホストクラブという雰囲気には慣れていなくて、どこか、ぎこちなかった。案内されているタケルの方が寧ろ、この場に馴染んでいたのだ。

薄暗い、しかし、高級な佇まいの一室にタケルは案内された。それは、タケル専用のVIPルームであった。

「ほんと、賢は可愛いね。」

タケルはニッコリ笑った。

「あっ・・。」

賢は、まじまじと、そう言われてしまうと、どう反応して良いか分からなくなり、ただ、顔を赤く染めてしまうだけであった。

「いいよ。硬くならなくても。」

「あの、飲み物を・・。」

「いいから、座りなよ。」

タケルは賢の細い手首を握り、自分の隣に引き寄せる。

「あっ・・。」

「ほんと、可愛い。」

言って、クスリと笑う。

そして、賢の唇に自分の唇を重ねた。

「あ・・。」

唖然とする賢の歯をタケルの舌が割って、口内に侵入した。

「ふぁぁん・・。」

「うふぅぅぅん・・。」

たちまち、賢の黒い瞳が涙で一杯になる。タケルの舌は賢の口内を掻き回し、弄ぶ。

賢は、腰がガクガクしてきて、自分を支えられなくなってしまう。

音を立てて、唇を離す。

「高石様ぁ・・。」

賢は顔を真っ赤にして、涙をポロポロ流していた。

「名前で呼んで欲しいな。」

「タ、ケルさ、ま・・。」

「そんなに気持ち良かった?」

その質問に答えることができず、顔を下に向ける賢。

「ごめんね。意地悪だった?」

賢は首を横に振る。

「ほんと、よく似合ってる。」

言いながら、スリットに手をかけ、スルリと太股を滑らせ、愛撫する。

「やだぁ・・。恥ずかしい、です・・。」

「恥ずかしがることなんて、ないよ。こんなに可愛いのに。」

「やぁだぁ・・。」

「膝においで。」

「えっ?」

「ここ。」

タケルは自分の膝を指差す。

「あの・・。」

「早く。」

「は、い・・。」

賢は、タケルの言う通りにする。

「足、開いて・・。」

「あの・・。」

賢は、おずおずと足を開く。

「良い子だね。」

そのまま、スリットの部分から手を滑らせ、太股を愛撫しながら、今度は奥に手を滑らせていく。

「やぁ、そこは・・。」

「そこは何があるのかな?」

「やだぁぁ・・。」

賢は無意識に足を閉じようとする。

「駄目だよ。閉じちゃ。」

閉じかける足の付け根に手をやり、制止するタケル。

「ほら、こんなにして・・。ほんとに賢は可愛いんだから。」

タケルは難なく、奥まで指で侵した。

「ほら、こんなのが出てる。」

そこから、白い液体が滲み出ている。

「やぁっ・・。」

「恥ずかしい?」

「は、い・・。」

賢は、耳まで赤く染めて頷いた。

タケルはうっすらと笑い、また、そこを指で掻き回す。

「やだぁぁん・・。」

「あはぁぁん・・。」

「はぁぁぁん・・。」

賢の嬌声とともに、そこから淫靡で粘着質な音が鳴り響く。

クチュウ・・。

チュクウ・・。

「もう、やだぁぁ・・。」

「こんなに濡らしてるのに?」

「やはぁぁぁん・・。」

タケルは指でそこを責めながら、うなじに、耳たぶに舌を這わせる。

下を指でぐちゃぐちゃにされている上に、耳たぶに直接タケルの吐息を感じ、理性を失いかけていた。

「やはぁぁん・・。」

「あはぁぁぁん・・。」

「いいよ。もっと、鳴いて。」

タケルが耳元で囁く。

その低い声に賢は、ドキリとしてしまい、ますます、顔も赤らめていく。

「可愛いよ。賢・・。」

「賢、僕も、どうにかなりそうだ・・。」

「いいかな?」

一言囁き、自分のを露出させ、後ろから、賢を突き上げた。

「やだぁぁぁ・・。」

突然、襲う痛みに賢は、驚き、叫ぶ。

「痛かった?」

「いたぁぁいい・・。」

「初めてだったからね。」

「大丈夫。気持ち良くなるよ。君もきっと気に入る。」

「それまで、ねっ。」

「は、い・・。」

賢は目に涙をいっぱいに溜め、頷いた。

タケルは腰を動かし、賢を突き上げては、沈める。その運動を繰り返した。

その度に賢は、その動きに振り回され、声を上げる。

「やぁっ・・。」

「あはぁぁぁ・・。」

「やぁんんん・・。」

「ねぇ、顔が、見たいから、こっち向いて。」

言いながら、顎を掴み、顔を自分の方に向かせる。

「可愛い顔だ。」

「やだぁぁぁん・・。」

「あはぁぁぁん・・。」

賢の声は次第に痛みのそれとは違うものに変化していく。

それを確認したタケルは、

「どう?気持ち良いでしょ。」

「は、い・・。」

おずおずと頷く賢・・。

二人が繋がっている部分からは精液が滲みでている。

それから、タケルの腰の動きは更に激しくなり、賢も自ら腰を動かし、絶頂まで達する。

「やぁぁぁぁぁ・・。」

賢は、少し大きく嬌声をあげて、タケルの膝の上で果てた。

少しして、膝の上で小さな寝息をたてる賢に、タケルは軽く、口付ける。

「可愛いね。賢は・・。」

何度も言ったその台詞を繰り返した。