(第2話:結婚式)

 小沢さんの性格から、結婚話は急ピッチですすんだ。同僚に結婚の報告をすると、あまりの急な話にみんな、驚き、祝福の声、大きな声では言えないが、同情の声を聞いた。

 そして、当日、結婚式はお互いの家族、親戚をはじめとし、同僚やお互いの学生時代の友人等を呼んで、一般的に、盛大に行われた。小沢さんはというと、ウエディングドレスが思っていた以上に似合っていて、僕は隣に並んでいて、恥ずかしくてたまらない。僕が離れようとすると、小沢さんは強引に腕を掴んできて・・。何だか、これからの自分の運命を暗示しているような気もしたが・・。とりあえず、僕もこの女性を愛しているということで・・。(これは本心から)僕達は結婚する。

 「おめでとうございます。氷川さん。小沢さん。」

 津上さんと真魚さんが、祝福の言葉を贈ってくれる。あいかわらず、津上さんは心から嬉しそうにニコニコ笑っている。真魚さんと並んでいると、いずれ、二人もこうなるのかなと、思わずにはいられないほどの、微笑ましい光景。津上さんの性格からすると、その話は遠い未来であるかもしれないが・・。

「おめでとうございます。」

と尾室さん。

そして、僕に耳打ちした。

「氷川さん、頑張って下さい・・。」

「何か言ったかしら?尾室君?」

小沢さんが尾室さんの微笑みかけた。が、顔は笑ってない。

「い、いえ、小沢さんが綺麗だなぁってことですよ。」

「そう、ならいいけれど。」

結婚式は順調に進んでいく。

そして、誓いのキス。

小沢さんが小声で、

「氷川君、行くわよ。」

僕はまだあまり、心の準備が整わなくて・・。

「えっぇぇ・・。」

「なーに、情けない声出してんのよ。それとも、私のコト、嫌いなのかしら。」

「い、いえ、そんなことは・・。」

僕達がなかなかキスをしないので、会場はざわつきはじめた。

「ホラ、さっさとやりなさいよ。私に恥かかせる気?」

「す、すみません。」

僕は、息を呑み込んで、一気の小沢さんに口付ける。

何か、初めてのことで、照れくさいけれど、少し嬉しくて・・。

そして、これが、恐怖?いや、幸せな結婚生活のはじまりなのだ。

僕達は幸せになるだろう・・。ということにしておいて・・。

そう、IQ180の天才科学者はついに僕のお嫁さんになってしまったのだ。

我ながら、すごい人生送ってるかもっと、ついつい実感してしまう僕であった。