「すまない・・・。大輔・・・。」

「何でお前が謝るわけ?」

「でも・・・。」

「お前は悪くない。絶対に。」

大輔は僕を信じきっている。こんなに汚れた僕を・・・。彼はこんなに綺麗なのに僕は汚い・・・。

大輔は優しかった。

僕は大輔の心欲しさに大輔を騙し続けたのに。

優しくされることがこんなに苦しいことだとは思わなかった。

「俺さ、今でもお前のこと好きだからさ。」

不意に大輔が唇を僕に重ねた。優しく・・・。

それは高石の暴力的なキスとは違っていた。

僕は思わず、大輔に唇を吸い付けてそれに応えてしまう。とても心地よい。しかし僕は振り切るように唇を離す。もっと浸っていたい。でも、僕にはその資格はない。

「何で?」

大輔は寂しそうな目をする。

「僕は高石君の言うとおり穢れてる。だから・・・。」

「そんなこと関係ねぇ。俺お前を信じてるから。」

大輔は僕の背中を抱きしめる。

暖かい。大輔の真っ直ぐな気持ちが僕に流れてくる。

「大輔・・・。」

「好きだ・・・。賢・・・。」

それは甘美な響きだった。

でも、僕には資格がない・・・。

大輔の心を手に入れる資格も、幸せになる資格も・・・。