3.寝る前に
「あーあ、せっかくの日本なのに夜見れる寝顔は大輔だけか〜。」
「俺の寝顔に不満なのかよ。」
「だーってせっかくだから、京かヒカリの方が・・・。」
「一生言ってろ。」
この手会話もはやお決まりになっていた。ウォレスはこうやって大輔をからかうのが楽しかったりしていた。
「俺、寝るからな。」
「うん、僕も疲れた。おやすみ。」
「おう。」
さっきまでじゃれあっていたチビモンとグミモンチョコモンも、
「チビモン、僕たちも寝ようよ。」
「うん、おやちゅみ、グミモン、チョコモン。」
「おやすみ、チビモン。」
チビモンと大輔とチョコモンは時間がそう経たない内に寝入ってしまった。
「ねぇ、ウォレス、起きてるの?」
「何、グミモン。」
「今日、楽しかったね。」
「うん。」
「なんかさ、ウォレス、今日は今までで一番いい顔してたよ。」
「えっ?」
「大輔のことが好きなんだね。」
「だから、トモダチとしてだよ。」
「分かってるって。そんなに照れなくても。」
「グミモン、あんまりからかうと怒るぞ。」
「ウォレスはさ、今までで一番いいトモダチに出会えたんだよ。きっとさ。」
「僕さ、最近思うんだ。」
「何?グミモン。」
「僕とチョコモンがいっしょに生まれたのも神様のプレゼントだってね。だからさ、ウォレスが大輔に出会ったのもきっと神様のプレゼントなんだよ。」
「えー、だったら女の子がよかったな。」
「ほんとは嬉しいくせに。素直じゃないんだからウォレスは。」
「うるさい。さっさと寝ろよ。」
「はい、はい。」
「でもね、今日みたいなウォレスの顔、僕好きだな。おやすみ。」
(グミモンにはかなわないな・・・。)
ウォレスもグミモンが言っていることは当たっている思った。チョコモンを連れ去ってしまった神様を僕は一度は恨んだ。だけど、神様はチョコモンは返してくれた。そして、大輔というかけがえのないトモダチという利子をつけて。神様もまんざら悪くないな、ウォレスは思った。