そのまま、僕達は、身体を重ねた。大輔は、優しく、僕を求め、僕も、大輔を求めた。

それは、安らぎに満ちた時間でだった。

大輔は優しく僕に口付け、不器用だけど大切な何かを扱うように、ゆっくりと愛撫をしていった。僕は、全てを大輔に委ねてしまった。

ずっと大輔といたい。

そう思った。

だが、僕の脳裏に一つのことが浮かんだ。

タケル様・・・。

同時に僕がアンドロイドである、大切なこともまた、脳裏に浮かんだ。

「主人以外の人間を愛するな。」

僕は、ハッとした。

僕は、大輔を愛している?これって・・・。

でも、僕の心はどうにもならなくて・・・。どうしたら良いか分からなくなった。

でも、僕は大輔の愛撫を求め、身体全身でその愛撫を受け止めてしまっていた。

どうしよう・・・。

思いつつ、そのまま、うつら、うつらと僕の意識は消えていった。

気がつくと大輔がいた。

「気がついたか。」

「大輔・・・。」

「俺、お前のこと、愛してる。」

僕はその言葉にどう、応えて良いか分からなくなって、何も言えずにいた。嬉しい筈の言葉なのに・・・。

「返事は今じゃなくていいから。俺が言いたかっただけだから。」

「あの・・・。」

「また、来るから。」

そう言って大輔はいつもの方向へ帰っていった。

「僕は何てこと・・・。これは裏切り・・・。」

今になって気付く。大輔を愛していた事・・・。

そして、それは重大な掟破りであることに。

「僕は・・・。」

それでも、大輔への思いはどうしようもなかった。

「僕は、どうすれば・・・。」