タケル様は、僕を部屋から出しては下さらなかった。鎖に繋がれているのにも関わらず、僕が逃げ出せないように、外に出る時は鍵を掛けて、僕は監禁された状態になっていた。
「大輔・・・。」
僕は一人取り残された部屋で大輔の名前を呟く。
今頃どうしているのだろう。また、あそこに顔を出しているのかな・・。
僕は、もう、来られないのに・・。
悲しくて涙が止まらなかった。タケル様は、僕の涙を「偽者の涙」とおっしゃる。
そう、僕は、どんなに、痛みを感じても、人を好きになっても、全て偽り・・。僕は人間ではないのだから・・。
でも、僕は大輔のことを思い出しては泣いている・・。これも偽りなの?
多分、大輔は僕のことを人間だと思っているのだろう。
もし、大輔が僕が人間でないと分かったらどんな顔するのだろう・・。
僕を好きでいてくれるだろうか・・。それとも・・。考えたくない・・。
人間になりたい・・。一瞬だけでもいい。人間になりたい・・。
「こんな命、いらなかったのに・・。こんな命・・。」
僕は自分で自分の首を締める。しかし、僕を壊すのは簡単ではなく、ただ、痛かっただけに終わる。
僕の裏切り許される日は来るのだろうか・・。それは、永遠に来ないかもしれないのだろうか・・。
誰もいない部屋で、僕は鳴咽を上げた。