僕は、賢に色々教えた。賢は優秀というか、教えた事は忘れなかった。例えば、キスの時の舌の絡め方。僕達は行為の前にキスをするようになった。賢は顔をピンク色に、染め、涙を潤ませながら、それでも、僕の望む通りに侵入してきた僕の舌の動きに応えるように、舌を絡めあった。その、舌の柔らかさは、やはり、アンドロイドとは思えないくらい艶めかしく、僕を夢中にさせた。しかし、はたから見ると、さぞ、滑稽であろう。言ってみれば、人形と身体を重ね、自分の性的な欲望を満たそうとしているのだ。高石家の当主は少し変わっているなどという、噂すら流れていたらしい。しかし、僕は、そんなことなど、どうでも良かった。僕は賢に対して道具以上の感情を持つようになっていったから。

「賢、キス、大分上手になったね。」

「あ、りがとうございます。」

僕がにこにこしながら誉めてやると賢は顔を真っ赤にし、下を向く。その仕種がまた愛らしく、ますます、僕は賢にのめり込んでいった。

「あのさ、今日はその舌を使って、やって欲しい事、あるんだけど。」

「何でしょう。」

「まず、四つん這いになった方がいいかな。」

「はい。」

賢は僕の言う通り、四つん這いの姿勢になった。その姿勢は賢を目茶苦茶にしたいという欲求を掻き立てるものであった。

「こう、でしょうか・・・。何だか犬みたいですね。僕。」

「犬?そういえば、そうだね。」

僕は苦笑する。

その時、僕は「犬」という言葉にある一つの考えが浮かんだ。

「じっとしてて。そのまま。」

「はぁ。」

何の事か分からないと言ったように賢は返事をした。

僕は首輪を持ってきた。それを賢の首に付けてみたくなったのだ。首輪を賢の細い首に付けた。その姿は僕の欲望を暴走させるものであった。

「あの、タケル様、僕は貴方様の犬なのですか?」

「すごく可愛いよ、賢。今日はこの格好でやろう。君は僕の可愛い小犬だ。」

僕は賢の髪の毛を撫でた。

そして、僕は自分のを露出させた。

「舐めて欲しいんだけど。」

「舐める、のですか?」

「そう、舐めてよ。君の柔らかい舌で。」

「あの・・・・。」

賢は僕の求める行為に驚いてたようだ。

賢の顔はみるみる恥じらいの色に染まっていく。その様子に僕は頭がどうにかなりそうだった。

だが、敢えて冷静さを保ち、賢にもう一度同じ要求を繰り返した。

「さ、舐めて。」

賢は、恥ずかしそうに上目遣いに見て、僕のを口に咥えた。僕のそれは、先程からの賢の仕種に暴走状態になっており、白い液体が滲み出ていた。

「舌を絡めて。いつものキスの時のように。」

賢は僕の命令どおり、僕のにおずおずと舌を絡めてきた。その柔らかい感触に僕は一瞬理性を失いかける。賢の中に白い液体を流し込んだ。

「ふぁぁぁ・・・。」

「しっかり、呑み込んで。」

僕は賢の頭を掴んで言った。

賢は必死でそれを飲み下そうしたが、あり余って唇からそれが滲み出ていた。それは、まさに潔白なものが何かに汚されていく姿の象徴みたいで僕をゾクゾクさせた。もっと汚したい。白が何色になっていくのか見てみたい。僕はそう思っていた。

「今の賢、すごく良い顔してるよ。」

僕は理性を保とうとしていたが、その理性は失われる寸前だった。賢はキスと同様、舌を僕が好むように絡めては僕の流し込む液体を呑み込む。眉をしかめ、苦しそうな顔が僕の嗜虐心を煽る。それでも、僕の望む通りに賢は僕のを舐め続ける。

(クチュウ・・・。)

液体を舐める淫靡な音が僕の耳に入る。一瞬我を忘れて、僕は、賢の頭を掻きまわしたりした。

いよいよ、理性が消えかけた時。

「賢、僕は少しおかしくなったようだ。」

僕はイきかけて賢の口からそれを抜いた。白い液体が賢の顔に飛び散る。賢はよっぽど苦しかったのだろう。ハァハァと息をし、咳き込んだ。その姿に僕は我慢できなくなり、そのまま賢を抱きしめて、行為に及んだ。

「いたぁ・・・。タ、ケル様ぁぁ・・・。痛い、です・・・。」

賢は涙をポロポロ流した。

「君がいけないんだよ。あんまり可愛すぎるから。」

「タケル様ぁぁぁ・・・。」

僕は賢の身体にのめり込んだ。次第に賢も乱れて来て、その声は痛みから快楽の声に変わっていく。

「やぁぁん・・・。」

「はぁぁん・・・。」

「もっと鳴いて・・・。」

「やだぁ・・・。タケル様、タケル様・・・。」

「可愛いよ、賢。賢。賢・・・。」

僕は賢の名前を何度も呼び続けた。賢の身体があることを確かめながら。

その時、僕ははっきりと思う。賢を離したくない。ずっといて欲しい。

僕の中で、賢は、単なる玩具のアンドロイドではなくなっていたのだ。