僕は、久々の休暇を取る事ができた。その間、賢を常に側に置いた。一度不安に陥ると、どんなにポジティブに考えても最後にはその不安が残る。だから、賢に僕から離れる事を許す事ができなかった。そんな僕に、賢は僕に従ったが、その心ははやはり僕ではない、僕の知らない何かに向けられていた。
「タケル様、あの、今日くらいは、お花に水をあげたいのですが。」
「賢、君は僕と花、どっちが大切なの?」
「勿論、タ、ケル様です。」
そう言う、賢の声は脅えているように聞こえ、僕は内心、愕然とする。
「賢、一つだけ、忘れないで。君は僕の言う事に服従する義務があるんだよ。分かってるよね。」
「はい、存じております。」
賢は悲しそうに肯定した。そんな賢の様子はもはやアンドロイドの領域を超えていて、人間そのものだった。以前のように、何の疑問も持たずに僕に服従する賢は、もはやいなかった。賢は、僕がいない間、何を見て、何を感じたのだろう。何も知らない自分が歯がゆい。かといって、賢に直接問いただす勇気すら僕にはなかった。僕は知る事を恐れていた。その答えは決して僕にとって幸せといえるものではないという事位は予測できるから。
「久々に、してもらおうかな。」
「はい。」
賢は、僕が以前教えた通りに四つん這いになった。僕が自分のを露出すると賢はそれを口に咥えた。そして、僕が教えたとおりに、舌をそれに絡め、僕の快楽を導き出した。
「君の舌は健在なんだね。練習でもしてたのかな。」
僕は皮肉めいた口調で言った。賢はその言葉に僅かだが、明らかに反応を示した。それは心当たりがあるといった反応。その態度は僕の不快感を誘う。賢は僕に何か隠している。
苛立ちを含め、僕は、賢を急かした。
「早くイカセテヨ。」
賢は僕の白い液体を苦しそうに飲む。飲み干せなくなり、僕のから口を離して咳き込んだ。僕は、賢の髪の毛を掴む。
「誰が、やめてもいいと言ったの?」
「も、申し訳ありません。」
賢は息も整わない内にまた、僕のを口に咥えた。僕は賢にの口内に液体を放つ。苛立ちながらも、僕は賢が僕のを加える姿に嗜虐的な快楽を見出していたのだ。今はこの快楽に溺れてもいいとさえ思える。
賢は舌を絡め、僕のに付着した液体を舐めとる、そして、液体を飲み干す、といった行動を繰り返した。その舌遣いは僕の思考回路を停止させかねなものであった。
「賢、いいよ。ご褒美だ。」
僕は、賢のスカートに後ろから、手を入れ、賢の秘部を探り当て、指を入れた。
「やぁぁん・・・。」
賢は矯声を上げる。僕の指は粘着質な音をたてて、賢の中を侵した。賢は、たまらなくなったのだろう、腰を動かす。その腰の動きに合わせるように、僕は指を動かした。
「タ、ケル様ぁぁ・・・。」
「あはぁん・・・。」
四つん這いで腰を振る賢の姿はまさに僕をそそった。僕はたまらなくなり、後ろから賢に挿入した。
「やぁぁん・・・。」
「もっと鳴いて。」
「はぁぁん・・・。」
「タケル、様ぁぁ・・・。」
「いやぁぁん・・・。」
「気持ちいいくせに。」
「もっと、腰、振って。」
「あぁぁん・・・。」
僕達に電撃が走った瞬間だった。僕達は記憶を失った。
賢は僕のとなりで小さな寝息を立てていた。
賢の寝顔、そして賢の乱れた姿、賢の身体に触れる事、これらは全て僕だけに許されたことなのだ。僕は、自分に言い聞かせる。現に賢は僕の傍らで寝ているではないか。しかし、そう、考えようとすればするほど、同時に賢に対する疑念が次々と浮かびあがってしまう。賢の脅えた顔、悲しそうな顔が頭からこびりついて離れなくなる。
その時、賢の口から寝言だと思われる言葉が発せれた。
「だいすけ・・・。」
ダ・イ・ス・ケ・・・?
それはどう考えても人の名前。
僕の中に戦慄が走った。