社の流派である、白神流剣術・風柳の説明だ。
通常攻撃技
楓(かえで)
素早い突きを連続で繰り出す技。
パワーよりもスピード重視で戦う社の十八番と言える技である。
除夜(じょや)
刀の腹や峰で相手の顎をかち上げる技。
相手を斬ると言うよりも殴るに近い攻撃で相手を倒す。
三日月(みかづき)
前方を刀で薙ぎ払う技。
その斬撃は三日月の様な軌跡を残す。
上級技
無月(むげつ)
地面に刀を刺し衝撃波を発生させる技。衝撃波は使用者を中心に周りに広がっていく。
ゆえに逃げ道は唯一、空中しかない。
しかし空中に逃げたとしても空中で動ける人間はいないので狙い撃ちされるだけとなる。
攻撃が終わった後の地面が無月の様になっている。
八重霞(やえがすみ)
8人に分身して攻撃する技。霞で作った分身とは違い、こちらには実体がある。
ただし分身に攻撃を加えても本体には効かず、消すには本体を倒す必要がある。
(使用者の意思で消すことも、もちろん可能である)
和歌彦の奥義・八岐大蛇に繋げることで連携技・四面楚歌になる。
特殊技
霞(かすみ)
残像を残したり、分身を作る事によって相手の攻撃を回避する技。
分身に実体は無く、斬っても文字通り霞を斬ったような感覚しか無い。
人導(じんどう)
一時的に自身の「氣」を高めて、身体能力を上げる技。
その効果は絶大だが、体に負担がかかるため長時間使用することはできない。
抜足(ぬきあし)
目にも写らぬ速さで移動する技。
相手にとっては、瞬間移動でもしたように見えることであろう。
御柳(みやなぎ)
風に揺れる柳のごとく、相手の攻撃を緩やかに受け流す技。
言うまでも無いが、相手の攻撃を見切れないと受け流すことはできない。
奥義
枝垂桜(しだれざくら)
春の奥義。ゆらゆらと桜が舞うように動いているが、その後に抜足からの一瞬の斬撃を放つ。
それを喰らった相手の傷口からは血が噴き出す。そして血の跡は枝垂桜のように美しい。
「枝垂桜」の名は、そこから取られている。
抜足から斬撃を撃つのはかなり至難の業であり、冬の奥義の次に習得が難しい。
炎帝(えんてい)
夏の奥義。社の気を刀に集中させてとてつもなく重い一撃を放つ。
その破壊力は、和歌彦の野分にも迫るほどだと言う。
「炎帝」とは夏の猛暑を天帝の仕業と考えた所から来ている。
灯篭流し(とうろうながし)
秋の奥義。その流れるような動きはまるで灯篭が流れるようであり、対多数の戦いで真価を発揮する。
また、防御においても、灯篭が流れるが如く緩やかに受け流していく。
そのためこの技は「灯篭流し」と名づけられている。
神渡(かみわたし)
冬の奥義。居合いの奥義で、刀を鞘に入れておき、全ての殺気を消す事によって攻撃の瞬間を予測させない。
そして、人導、抜足、八重霞の全てを組み合わせて居合い斬りを放つ技。
この技を見たものは全て神の元へと運ばれることから「神渡」と名づけられている。
しかし、体にかかる負担はかなりのものであり、最も会得が難しいとされている奥義である。
裏奥義
十六夜(いざよい)
白神流剣術創設者「白神修元」が使ったとされている幻の奥義。
修元はこの奥義を生み出し、実践の中で一度だけ使ったことがあるという。
しかしその時に生き残ったのは修元のみだったとか。
そのため、修元はこの技の危険さを恐れ自分の命と一緒にこの技を封印した。