カードの逸話

ここではカードの逸話について、そのまんま書いていく。

トロウンズ
「トロウンズって、なんだか敵の親玉みたいね」
全身に眼があり、緑色に輝く天使を見て、私は言った。
「そう?神々しくて、悪くは見えんが?」
マケイヌは答える。
「え?昔は一つ目だったんでしょ?」
「違う!!」
マケイヌの本気の怒り。
〜『イブマヤのルポ』

ケルビム
ケルビムは、いつも稲妻を握り締めている。
何故そんな事をするのか、誰も理由は分からなかった。
ある日、私が散歩をしていると、下界に目を凝らして見ているケルビムがいた。
「どうした?何かあるのか?」
「いや、今度はどの神を愚弄した人間に稲光を落とそうかと悩んでいるんだ」
彼はそっけなく答えた。
……彼にとっての稲妻は、ダーツの矢でしかないようだ。
〜『ドミニオンの天界白書』

ガブリエル
ガブリエルは、この天界で最も美しく奇麗な存在だ。
我々の外見のせいもあるのだろうが、地上では唯一の女性天使とも言われている。
そんな失礼な話もあったものではないが、それ以上に私は思う。
「おーい、ドミちゃん!!お茶にすんべ。いい煎餅、手にはいったんだって」
人間は、本当に外見に騙されやすいと。
〜『ドミニオンの天界白書』

ルキフェル
ルキフェル様は、天界の王にして、我々を導いてくれる方です。
時たま、意外な行動をとられますが、我々はルキフェル様を信じてついていくだけです。
「おぅドミニオン。ちょっくら下界覗いてくらぁ」
……いつまでも、どこまでも。
〜『ドミニオンの天界白書』

マリクス
みなさん勘違いされているようですが、マリクスは爪を二つにしたり、三倍で回転したり、
倍ジャンプしても、力は上がりません。
あ、いいところに彼が来ました。確認してみましょう。
「マリクス!!」
「コーホー?」
あ、上がりませんてば。
〜『ドミニオンの天界白書』

ヴァーチャーズ
彼の一日は、薔薇を育てることで終わっていきます。
あれだけ薔薇があるのですから、一本ぐらい分けてくれてもよさそうなのですが、
獲ろうものなら、彼の本気の怒りで薔薇漬けにされることは間違いありません。
「ギャー!!!」
ほら、今日も何も知らないエンジェルが、彼の薔薇園に手を出してしまったようです。
〜『ドミニオンの天界白書』

ミヘルス
ミヘルスは、天界で一番大きく立派な翼を持っています。
でも、その翼を開くことは一年に一度しか許されません。
なぜなら、彼が翼を開くと秋になってしまうからです。
「駄目だって、開いちゃいけないんだって。やめろって!!」
「なんで?ははーん、その翼の下に何か隠してるんでしょ?」
「違うって!!やめろって!!あっ!!」
もし、夏の日に涼しいと感じたなら、それは誰かが彼の翼を開こうとしたからでしょう。
「だからやめろって!!」
〜『ドミニオンの天界白書』

エンジェルス
僕がおにゃかがすいて死にそーの時にゃ
空からいっぱい降りてきたにゃ
そのまま、空に連れてこうとするから
思いっきりかみついたにゃ
そしたりゃ、小さい弓で僕を撃ってきたにゃ
必死ににげようとすると、きえてたにゃ
こわかったにゃ
〜『ケット・シーのひとりごと』

アークエンジェルス
私がいつものように魔界にお祈りをささげていますと、異界の門から、腕を怪我なされた崇高な悪魔様が飛び出してまいりました。
私は、たくさんの呪いのかけられた素晴らしい薬で、悪魔様の傷を治して差し上げました。
「どうしたんですか?」
と私が尋ねると、悪魔様は美しく裂けた口に烈火の下をチロリと出しておっしゃいました。
「あの野郎だ。小さい天使を率いた白い大剣を持った天使長だ。不意打ちをしてきやがった」
私は、それを聞いてから祈っているのです。
その天使に、いーっぱい呪いがかかりますようにって。
〜『マリアの悪魔大辞典』

カーヒンズ
「カーヒンズは風を起こす。一体一体は小さな風だが、彼らを甘く見てはいけない」
マケイヌが偉そうに説教する。
「ほらごらん。あの風も彼らの起こした風かもしれない」
小さなつむじ風が、一人の女性にまとわりつく。風は、女性のスカートを捲る。
私は答える。
「へーえ。天使にも女好きっているんだ」
〜『イブマヤのルポ』

ドミニオンズ
私の仕事は、神の偉業を人々に伝える事。
だからこそ、天界に起きた事全てに気をはらう。
もう一つは、このラッパ。
このラッパで私は、天界の平和を願うのだ。
今日もラッパを鳴らす。
「おうドミニオン。豆腐くれ」
私の仕事は理解されていない。
〜『ドミニオンの天界白書』

ラファエル
ラファエル様は、いつも三枚ある翼のうちの一つで体を隠していらっしゃいます。
……服を着てくだされればいいのに。
〜『ドミニオンの天界白書』

プリンスパリティーズ
彼女は、地上人の国や都市を統治する役割を持った天使です。
しかし統治とはいっても、さすがに天使が直接政権を握るわけにはいきません。
そこで、人々の指導者の持つ正義への決意を鼓舞するといった方法をとるのですが、これが案外大変らしいんです……
「あなたは正義、あなたは正義、悪いことしちゃダメですよぉ……」
「うーん、むにゃむにゃ、正義……ぐぅ……」
今日もまた、人々の枕元で天使のささやきが聞こえてきます。
〜『ドミニオンの天界白書』

ハルス
天界にも、秩序が乱れる事はあります。
完璧な存在などいないのですから。
そんな天界の秩序を乱したものを罰するのがハルスの役目なのです。
でも……なぜ、鞭を炎に包んだのかは、私にはわかりません。
〜『ドミニオンの天界白書』

キベルズ
彼女は、天界を守る門番である。
天界の秩序は、限りなく厳しい。
気を許すと、人間界に降り、門限までに帰ってこない天使が多いからだ。
彼女の厳しさは、一分でも門限破りを許さない。
「悪かった。悪かったから入れてくれ」
「だめです。いくら貴方とはいえ、門の開閉時間は絶対です」
「すまん。こんどから気をつけるから」
「だめです。ルキフェル様」
天界の王も、門限破りは許されない。
〜『ドミニオンの天界白書』

パワーズ
パワーズ。
能天使である彼らの役割は、ひじょうに過酷なものだ。
悪魔たちとの戦いでは、常に最前線で身体を張らなければならない。
そのため魔の瘴気を浴びる機会も多く、翼が黒くなるなど、身体に異常をきたすものも少なくはない。
「おれたち ぱっわーず!」
「つよいぞ ぱっわーず!」
「おれたち つよいぞ ぱっわーず! ごーごー!!」
……もう一度言おう。身体に異常をきたすものも少なくはない。
〜『ドミニオンの天界白書』

ウリエル
彼の朝は早い。
というか、彼が早く起きると、朝が早くなるのだ。
「おはようございまーす!」
「ああ、おはようウリエル君。ところで君、もう少し遅くならんもんかね?」
「いやぁ、早起きは健康の秘訣ですから!はっはっは。ではまた!」
太陽の運行をつかさどる天使、ウリエル。
彼の寝坊を願う天使は多い。
〜『ドミニオンの天界白書』

ガルガリム
「なにこれ?ダッサイの!!」
燃え上がる車輪を見て私は叫ぶ。
「ダサイとは何だ、これでも天使ガルガリム。神々を乗せる玉座だ」
マケイヌは、私を諭す。
「でもさぁ、天使って飛べるんだから、こんなのに乗らなくってもいいじゃん
「それを言うな」
〜『イブマヤのルポ』

ゾデックス
ゾデックスは、天(空)の運行を監視している神です。
太陽が沈み、月が昇り、月が沈み、また太陽が昇る。
その当たり前のことが続いているのもゾデックスのおかげなのです。
ただし、北の果てともなるとゾデックスの力も落ちてくるのです。
だから、その地方には太陽が沈まない季節があります。
彼も忙しいのです。わかってあげてください。
〜『ドミニオンの天界白書』

セラフィム
私もいろいろと天使を知っています。
彼らはいろいろな考え方を持っています。
その中でも、一番の変わり者はセラフィムでしょう。
彼は、自らの翼で、足と顔を隠しているのです。
なぜ?と聞いても答えてくれません。
それがセラフィムの羞恥心の現れなのでしょう。
〜『ドミニオンの天界白書』

ミカエル
ミカエル様は、天界の最高指揮官です。
今まで、何度も憎き悪魔の侵攻を跳ね返してきました。
天界の存亡は、ミカエル様にかかっているのです。
でも、チェスが大の苦手。
どうして、あんなに弱いんでしょう?
「まった!!もう一回だドミニオン!!」
はぁ…これで十五回目の勝負です。
〜『ドミニオンの天界白書』

シャダイズ
暇を持て余していた俺様は、散歩がてらに天界へと足をのばしたこともあった。
天才の私にとって、その程度のことは造作もない。
とはいえ、初めてきた土地なので案内が必要だった。
「おい、そこの天使!俺様をもてなせ!」
……俺様としたことが、少しばかり油断をしていたようだ。
その燃える炎の姿をした天使は瞬く間に仲間を集まると、自分たちの身体を炎の鎖と変え、あろうことか俺様の身体を縛り始めたのだ!
ま、偉大な俺様は簡単に脱出したのだがな。
君達も、もし天界に行くことがあれば気をつけたまえ。
〜『大魔導師 アンティゴ・マーイの憂鬱』

ザカートス
彼の翼は、炎に包まれています。
その翼は、何時から燃えているのか誰も知りません。
噂では、彼が何らかの失敗から翼に火がついた後、やせ我慢をしている、と言われています。
まさか……そんな事は無いと思いますが……。
〜『ドミニオンの天界白書』

逸話の元ネタへ
戻る