カードの逸話

ここではカードの逸話について、そのまんま書いていく。

バシン
「すみませんが、ここはどのへんですかぁ?
ちょっと道に迷っちゃいまして……てへへ」
「……」
「あれぇ?具合でも悪いんですかぁ?そのお馬さんも青い顔してますよぉ?」
「……」
「ちょっと、危ないですよ、
槍を向けないでくださいよぉ!
わぁああん、やめてくださいよぉ……」
青っぽい肌の馬に乗り、槍を持った悪魔。おそらく悪魔バシンのことだろう。
奴に会って、よく無事に帰ってこれたものだ。
私は、目の前でべそをかくヴァルキリーを見てそう思った。
〜『ドミニオンの天界白書』

オーディン
オーディン様……神の地位を持ちながら、私等の父がいる魔界を助けに来てくださった勇気あるお方。
なぜ、あの方が来てくださったのかは知りませんが……。
その心はありがたく受け止めますわ。
〜『マリアの悪魔大辞典』

アスモデウス
「師匠。アスモデウスってチンドン屋みたいね」
マケイヌの本を捲りながら、私の目は異形なるものの所で止まっていた。
「そうか?」
「いくらなんでも、頭が三つで竜に乗って槍と旗ってのは……」
〜『イブマヤのルポ』

オニ
ワシが北の宿敵を倒しに行く時じゃった。
ワシの最強の軍隊の前に奴が現れたのじゃ。
真っ赤な体に角を持った巨人。
……どうしたかって?
そこはぬかりがない。
奴らの弱点が、豆であることを知っていた我々は豆をぶつけた。
するとどうじゃ!!奴は頭をかかえて逃げ出しおった。
力ではなく、頭を使ってこそ、最強の軍団なのじゃ?
なんじゃ、また信じておらんじゃろ?
〜『ガストン立国日誌』

デカラビア
「師匠!!パーティの準備完了です!!」
年の暮れ、体のホコリを叩きながら、マケイヌに報告した。
「そうか、ご苦労。……あれ?準備、終わってないじゃないか!!」
「終わってますよ!!」
「この星は?この星を樹の上につけないと準備は終わったことにはならないぞ!!」
樹につける飾りの星を持って、マケイヌが怒る。
「この星の由来は……」
「み、見てください師匠!!ほらちゃんとついてるでしょ」
樹の頂点に輝くデカラビア。
「本当だ……」
そのスキに私は逃げる。
〜『イブマヤのルポ』

アシュタロス
魔界の大公爵アシュタロス様。
しなやかな体に真っ赤な唇。
そこらへんの若者には真似できない色気ですわ。
邪悪な夜に祈りますの。
アシュタロス様がさらいに来てくれますようにって。
羊の生き血を添えてね!!
〜『マリアの悪魔大辞典』

ベルゼバブ
ベルゼバブ様は、蝿の王様です。
御自身のお姿も、蝿と同じなのだそうですが、よほど蝿がお気に入りなのですね。
実はマリアも大好きなのです。私達、気が合いますわね。
あのブンブンという羽音が奏でるハーモニーは心を楽しくしてくれますし、
ちくちくの産毛で覆われたおみ足なんか、とてもセクシーですわね。
赤ちゃんのウジさん達も、白くてぷりぷりしてて、思わず頬ずりしてしまいます。
ウジさんが、だっこできるぐらい大きかったら良いのに……
〜『マリアの悪魔大辞典』

パズス
「貴様は知っているか!?
パズスは獅子の頭、獅子の前足、鷲の翼、鷲の爪を持ち、
額には曲がった角がある、風の魔王だということを!
そこでウィットでジューシーなジョークを一つ。
パズスが角に手をかけたぞ。何をするんだ!?」
「ぱずす(外す)」
「貴様ぁっ!俺様より先に答えを言うなぁああああああああっ!」
〜『大魔導師 アンティゴ・マーイの憂鬱』

イシュタル
噂は本当かしら?
アシュタロス様とイシュタル様が付き合ってるって噂。
小悪魔たちの中では、その噂で持ちきり!!
イシュタル様って綺麗だし……。
ううん。そんなことないわ!!
アシュタロス様は、きっと私を迎えに来てくれるのよ!!
イシュタルなんて小娘(注:推定五千歳)相手になんかするわけないわ!!
〜『マリアの悪魔大辞典』

リリス
今日、聖書の中で、神々しいお姿を拝見しました。
その方の御名はリリス様……
すべての悪魔様の母上なのだそうです。
ということは、悪魔様の妻になる私にとって、御義母様になるのかしら?
はっ!天使のゲスどもが、リリス様のお命を狙っているような予感が……
御義母様!あなたは死なない。
だって私が守るもの……
さぁ、張り切って天使どもを呪うわよ!
〜『マリアの悪魔大辞典』

カーリー
ちょいとそこいくお嬢さん。
見てって見てって。
この包丁。今までの包丁とはちょいと違う。
こまるでしょ?リヴィアタンの骨。
それもホラ。
そして、柔らかいトマトもスッと切れる。
エントだってザンザンザン。
どこが違うのかって?この包丁。
かのカーリーが殺戮する時に使うあの剣。
あれと同じ材質なんだなぁ。
なに?信じてない??
切れ味見てたでしょ?
今なら、一本買うと……もう三本。計四本。
カーリーの剣と同じ本数分つけちゃう。
ね?
ちょっと……買ってってよ!!
ねぇ、おじょうさーん!!
〜『チャペック その輝かしき研究』

アバドン
よく夢を見ますの。
私は夢の中で、どんどんどんどん……奈落に落ちていくの。
それはもう気持ちよくって、地獄に落ちていく気分。
そして地上を見上げるの。
「愚かな愚民共」って。
その落ちた先には、アバドン様がいて、私と……きゃっ、恥ずかしい。
私にはアシュタロス様がいるって言うのに……。
欲求不満かしら?
〜『マリアの悪魔大辞典』

バフォメット
修道院の地下には、秘密の小部屋があります。
そこには、村の人たちが持ってきた悪魔の道具が、たくさんしまってあるのです。
私が悪魔様にお祈りを捧げていることはみんなには内緒にしていたのに、気を利かせてくれるなんて、なんていい人たちなんでしょう。
マリアは幸せです。
今度一緒に、サバトに誘ってみようかしら?
バフォメット様の御前で踊るの!
とっても刺激的なんですのよ。
〜『マリアの悪魔大辞典』

メフィストフェレス
貴様は知っているか!?
メフィストフェレスがなぜソロモン王の言うことを聞くのか?
教えてやろう。
それはロング ロング アゴー……
ソロモン王は、毎夜毎夜、深い穴に向かってこう叫び続けた。
「メフィストの脚はロバの脚!メフィストの脚はロバの脚!」
やがてその穴は埋められたが、ソロモン王はそこから生えた木でオカリナを作った。
そして、そのオカリナを吹くと不思議なことに、小さく……
「メフィストの脚はロバの脚ぃ……」と鳴るのだという。
自分がロバの脚だと言うことを知られたくないメフィストフェレスは、
それからというもの、ソロモン王がオカリナを吹くたびに言うことを聞かなければならなくなったのだ。
どっとはらい……
〜『大魔導師 アンティゴ・マーイの豆知識』

アザゼル
前の神父様が封印していた、地下室の小部屋に入っていきました。
真っ先に目に付いたのは、壁に掛けられている悪魔の軍旗。
いったい、どんな悪魔様が持っていたのかしら?
手を触れてみると、悪魔様のイメージが伝わってきます。
一対の角をもった真っ赤な鬼の姿……まぁ素敵……
思わずため息が漏れてしまいますわ。
〜『マリアの悪魔大辞典』

デスカトリポカ
今日は村の人が、古い仮面を発掘したとかで、修道院へやってきました。
気味が悪いので封印してほしいのだそうです。
まぁ、これはデスカトリポカ様の仮面!
なんて毒々しくて美しい仮面なのかしら!
もちろん、村人が帰ってすぐに被りましたわ。
あぁ、何か体に蛇が巻き付いているような圧迫感を感じます……
「あぁん、デスカトリポカ様ぁ」
〜『マリアの悪魔大辞典』

シヴァ
「ねぇ師匠?シヴァって、南方の破壊神ですよねぇ」
調べ物に熱中しているマケイヌに、後ろから質問する。
「そうだ」
マケイヌ、調べ物に熱中していて気の無い答え。
「人間に扱えるんですか?」
「カードの状態であれば、問題はない。ただし、召喚後に制御できるかは、マスターの腕次第だ」
「私じゃ、まだ無理ですか?」
「無理だな。私でも、かなり辛いものがある。シヴァのカードは持っているがしまってあるぐらいだ」
「そうですか……師匠」
「何だ?」
「すみません」
隣の部屋から、爆炎が上がる。
〜『イブマヤのルポ』

ザノン
ザノン様は、私ですら、その言葉でしか知りえません。
どんな存在なのか、どんなお声をしているのか?
ただ私は信じているのです。
ザノン様は、きっとこの世界に鉄槌を食らわせてくれる、素晴らしい存在の方だと言う事を。
〜『マリアの悪魔大辞典』

マルショシアス
あら?大きなわんわん。おいでおいで
「ガルルルルッ!」
大丈夫!怖くない、怖くない……
「くぅん……」
よしよし……あら?この子、しっぽが炎でできてるわ。
きれい……まるで、地獄の業火のよう……
「マリアさん!なに、その狼!魔物じゃないの!」
「あら大丈夫ですよ。ほら、こんなになついて……」
ゴォウ!!
まぁ、凄い炎をはけるのね。村の娘さんが、あっと言う間に真っ黒こげ……
あらあらあら、どうせならミディアムに焼いて下さればよろしかったのに……
〜『マリアの悪魔大辞典』

ガープ
修道院の生活はとても退屈……。
そんな私を唯一なぐさめてくれるのは、修道院の地下深くの部屋にしまわれている魔導具だけ……
今夜は、どんな道具を使ってみようかしら?
少し迷って、私は枠にゆがんだ文字がびっしり彫り込んである手鏡を手に取りましたの。
目を凝らすと、そこに映っているのは、コウモリのすべすべした翼をもった悪魔様。
悪魔様、私を連れに来てくれないかしら?
あぁ、その逞しい鉤爪に掴まれて、漆黒の闇を飛び回りたいわ。
〜『マリアの悪魔大辞典』

ルキフグス
「るっきゅっきゅーのきゅ。ぼーくは……」
私がいつものように、魔界にお祈りをささげていると、異界の門から妖気な歌声が流れてきました。
私は、その美声の主を一目見たくなり、魔界の門をチラリと覗いてみたのです。
「誰だっ!」
まぁ、なんてことでしょう!あんなにワイルドなお方が、私のほうを見て微笑んでくれましたの。
大きく裂けたお口。限りなく尖った目尻。
……あぁ、マリアは胸がドキドキしてしまいます。
これが恋かしら?
でも、その答えは聞けません。
だって、私、あんまり恥ずかしくて、そのまま魔界の門を閉じて、封印してしまったのですもの。
〜『マリアの悪魔大辞典』

グーシオン
僕は働いたにゃ。一生懸命働いたにゃ。
でも、お金はちょっとしか貯まんなかったにゃ。
僕の夢には全然足りなかったにゃ。
その時、彼がきてくれたなにゃ。
彼は、「グーシオン」って名乗ったにゃ。
彼は言ったにゃ。
「私にあずければ、100Gが10000Gになります」
僕だけに教えてくれたにゃ、いい人にゃ。
僕は全財産を預けたにゃ。
たのしみにゃ。でも、連絡がにゃかにゃかこにゃいにゃ……。
〜『ケット・シーのひとりごと』

ロキ
「師匠、ロキって美形ですねぇ!」
山の頂上に立つ悪神ロキを見て、イブマヤはため息を漏らす。
「性格はお前と変わらないがな」
「えーっ、じゃぁ完璧ですね」
「言うと思った」
〜『イブマヤのルポ』

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