宝貝

『封神演義』に登場する武器・宝貝(パオペエ)について説明していく。
武器のみならずさまざまな形状のものがあるが、いずれも仙人や道士が使用したものである。

陰陽剣(いんようけん)
三面八臂の姿になったナタが手にする、一対の剣。
元々は太乙真人(たいいつしんじん)の武器だったが、ナタが三面八臂の姿になった時に手渡された。
ナタは主として、この剣を防御に用いたと言う。

火尖槍(かせんそう)
ナタ愛用の武器のひとつ。
普通の槍と形状自体に違いは無いが、穂先から火を噴くことが出来る。
戦いにおいて、ナタはまずこの武器でダメージを与えてから乾坤圏で止めを刺すという戦法を得意としている。
それゆえ乾坤圏ほど目立たないが、ナタにとっては無くてはならない武器なのである。

乾坤圏(けんこんけん)
ナタ愛用の武器のひとつで、ナタが生まれたときから身に付けている一対の腕輪。
投げつけて使用する武器で、急所に当たれば相手を即死させるくらいの威力を誇る。
もちろん直撃しなくても相手に大ダメージを与えられるくらいの破壊力は持っている。
主に止め用に使われており、ナタはこの武器で様々な敵を討ち取っている。

五火神焔扇(ごかしんえんせん)
眼に手が生えている人物・楊任が使った扇。
扇ぐと炎を発し、その範囲内のものを全て焼き尽くしてしまう。
構造上一対多数の戦いでは強力だが、接近戦では威力を発揮することが出来ない。

三尖刀(さんせんとう)
楊センが愛用する、刀身の先が3つに分かれた長柄武器。
宝貝に分類されてはいるが特殊な効果は無く、純粋に武器として使われる。
ちなみに楊センは道教の神・二郎真君がモデルと言われており、同様の形状をした武器は一般に「二郎刀」と呼ばれている。

鑽心釘(さんしんてい)
黄天化が使う投擲武器。
その名の通り釘状の武器で、鉄や銅をも貫く威力を持つ。
黄天化はこの武器で魔家四将を討ち取っている。

莫耶宝剣(ばくやほうけん)
黄天化が使用した武器の一つ。
鞘から抜くと光を発し、敵の首を切り落とす剣である。
春秋時代にも同名の剣が存在するが、これは全くの別物である。
…と言うよりそもそも封神演義は殷周革命時代の話で、春秋時代よりずっと昔だ。

霧露乾坤網(むろけんこんもう)
竜吉公主が使用した武器の一つで、純水で編まれた網。広げるとクモの巣のような形になる。
五行相克の理により(水は火に克つ)、どんな火でも消し止めることが出来る。
西岐城が殷軍側の仙人によって火攻めに遭った時、この宝貝で消火している。
またこの網の中では、夕立のような雨を降らせることも可能である。

戮目珠(りもくしゅ)
彩雲仙子(さいうんせんし)が使っていた武器。
目潰しができる珠で、相手に投げつけて使う。

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