短剣類

ここでいう「短剣」とは、剣よりも刀身の短い刃物を指す。
全体的に、短剣は斬るよりも突くように使うことが多い。

カタール
よく「ジャマダハル」と間違われる武器だが、本来のカタールは全く違う形をした短剣である。
薄く長い鍔を持つ短剣で、物によっては刀剣と言ってもいい位の長さを持つものもある。
中東に同名の国があるが、これは「ジャマダハル」同様インドの武器である。

苦無(くない)
忍者が用いた短刀…というより便利用具。鋭い刃の付いたスコップのような形状をしている。
土を掘る、塀を壊す、石垣に引っ掛けて足場にするなど、様々な使い方が出来る。
それゆえ忍者必携の道具のひとつであり、忍者装束には苦無を入れるためのポケットも付いている。
武器として使うときは、手裏剣のように投げる事も出来る。

ジャマダハル
インドで使われた突くための短剣で、柄と握りが完全に分かれている珍しい武器。
柄は刃根元の両端から平行に伸びた2本の棒で、そこに握りとなる1〜2本の横木がついている。
握りが刃に対して垂直に向く形になり、パンチを打つ要領で突くように使う。
一般的なものは刃が1本だが、刃が二股型や3本に分かれているものなどもある。
「アニ・ア・アクバル」という文献で、挿絵が間違っていたために、「カタール」と間違われる事がよくある。

ジャンビーヤ
アラビアで使われる、湾曲した短剣。アラブ圏からインドまで広い範囲で使われており、形状は地域によっても異なる。
典型的なものは両刃で、刃の中央に溝が彫られている。
また、ペルシアやインドのものはダマスカス鋼が使われており、刃に美しい波模様が付いているという。
アラブにおける自由人の誇りでもあり、アラビアのロレンスがアラブ民族に仲間として受け入れられたときも、ジャンビーヤを受け取っている。

スティレット
錐状の刀身を持つ刺突専用の短剣。似たような刀身を持つ「エストック」同様、切るための刃は付いていない。
刀身の断面は三角または四角形で、鍔や柄頭に球形の飾りが付いているものが多い。
持ち運びが簡単で刃傷沙汰に使われることも多く、携帯が禁止されるようにもなったと言う。

ソードブレイカー
「マインゴーシュ」のバリエーションの一つで、櫛状の刀身を持っているもの。
この刀身は、相手の剣を受け止めるだけでなく、絡め取って折ったり曲げてしまおうという目的がある。
そういう意味では、他のマインゴーシュに比べて攻撃的な武器と言える。

ダーク
ハイランダーが使った片刃の短剣。日常用ナイフとしても使われるが、必要とあらば武器にもなる。
それゆえ、ハイランダーたちは肌身離さず持っていたという。
参考までに、スペルは「dirk」であり、闇(dark)とは発音も違う。

短刀(たんとう)
日本で使われた刀剣のうち、刀身が30cmに満たないものを全般的にこう呼ぶ。
主に補助武器として用いられており、護身用や隠し武器としてもよく使われる。
用途によって、「鎧通し」「匕首(あいくち)」など様々な名前で呼ばれる。

マインゴーシュ
「左手用短剣」と言う意味を持つ短剣で、レイピアと対で使われる。
レイピアによる攻撃を回避する目的で使われるもので「パリーイング・ダガー(回避用短剣)」とも言われる。
防御目的で使われるものなので、大きく曲がった鍔を持ったり、手を保護するカップ・ガードが付いていたりする。
また、ボタンを押すと刃が3本になる仕掛を持つものも、あったと言う。

戻る