禁酒法時代、50年代、60年代、現代のアメリカン・ライ・ウイスキーとの比較テイスティング
ここ数年、スコッチ・シングル・モルトに引率されながらアメリカン・ウイスキーも多種多様の商品がリリースされ、中でも一部ライ・ウイスキーの評価の高さは誰の目にも明らかだと思うが、「実際に飲まれているのか?」と、問われれば、日本国内においては「大して飲まれていない。」と言うのが恐らく現実だと思う。
それもそのはず、銘柄的にはそれなりのラインナップはあるが、その実、製造している蒸留所も少なく、原酒売買にて銘柄が増えてるだけで多様性(個性)に欠くし、評価の高いものは非常に高額で流通量もごく僅か。
近年新設された小さな蒸留所のものはコストの問題があり、価格と味わいのバランスに欠くし、本国ならまだしも、海外においてはまずもって大手のシェアは食えないので早々と市場から消え行くのみ。
低価格帯のラインナップは非常に少なく、ワン・ランク上のクラスともなると途端に価格が跳ね上がるといった印象もあり、ステップ・アップはおろか、本来のポテンシャルも知ることなく、「こんなもんか・・。」と、恐らくは「バーボンよりあっさり」とか位の印象しか残せないのだと思います。
ま、かく言う私自身も余り積極的に取組んだジャンルではないので余り大きな事は言えませんが、今回は伝統のアメリカン・ライ・ウイスキーに焦点を当て、皆様と一緒に本質や可能性を見いだすべく以下のラインナップを比較試飲したいと考えている次第です。
フルでもハーフ・ショットでも組み合わせは自由
@ Thomas H. Handy Sazerac Straight Rye Whiskey 129.0 Proof (64.5%) 2009 Release, Buffalo Trace フル¥1400 ハーフ¥800
ブラントンを始め、数々のヒット作を製造しているバッファロー・トレース(旧エイシェント・エイジ)蒸留所からのバレル・プルーフ・ライ・ウイスキー・サゼラック。18年物で45%タイプの評価の高さは広く知られる所だが、今回はあえて樽出し物をチョイス。熟成は6〜7年程度。
(未到着な為、ラインナップから削除致します。詳しくはBBS参照)
A Rittenhouse Rye 23yo 50% 2nd Release, Bottled at 2007, Heaven Hill フル¥1800 ハーフ¥1000
リリースされた当時、ウイスキー・マガジン・ジャパン編集長のデイヴ・ブルームの評価は10点評価中9点で、「素晴らしいバランス。最も強く推薦するウイスキー」と大絶賛。ヴィンテージは1984年。リリースは最大手へヴンヒル。日本へは極僅か入荷された希少品。
B Lorely 1951-1966 Rare 15 yo Sippin' Whiskey 100 Proof (50%) Frank L.
Wight Distilling co. Maryland フル¥3000 ハーフ¥1600
今は亡きメリーランド産ライ・ウイスキー・ローレライ。リリースしているフランク・ロイド・ライト・ディスティリング・カンパニーという名でピンと来る方も居るかと思うが、同名で著名な建築家(日本でも旧帝国ホテルを設計)との関係は全く不明。一説によると評価の高いボトルらしいが、現代の最高評価と言えるリッテン・ハウスへどこまで迫れるかは興味津々。
C Old Overholt Distilled in Pennsylvania 86 Ploof (43%) For the U.S.A 60’s
Rotation フル¥1400 ハーフ¥800
60年代後期〜70年代初期辺りにリリースされたであろうオールド・オーヴァーホルト。生まれ故郷であり、第2次世界大戦後廃れて行くペンシルヴァニアにて生産されていることに注目!現在の商品はケンタッキー州のジム・ビーム・クレアモントで生産されているらしい。
D Old Overholt "Prohibition" 1921-1932 Large Distilling Co. (Distillery
No.5) Pennsylvania フル¥4800 ハーフ¥2500
ほぼ禁酒法時代(1920年1月17日〜1933年12月5日)に渡って熟成されたオールド・オーヴァーホルト。当時数々の賞を獲得したラージ・ディスティリングによって生産されたもの。その後生産されるものと比べると熟成期間も長く非常に魅惑的。歴史的価値も非常に高い。
スコッチ飲みの皆さんも少しは興味湧いて来たでしょうか?
今回は上記ラインナップからお好きにチョイスして頂くことと致しますが、一応飲み方のアドバイスとしては、「サゼラック→リッテンハウス→ローレライ」という風に、ハイ・プルーフで評価の高い物の比較テイスティングが第一のお勧め。こちらは順番を入れ替えても面白いかと思いますし、あえてサゼラックを外し、過去と現在の対決に絞っても面白いでしょう。
ナンバーCとDは、「現行オーヴァーホルト→60’s→禁酒法時代」と、時代による変化を感じて頂く飲み方。つまり、垂直テイスティングが誰が考えてもベスト!本当は4、50年代の物も入手出来たらオーヴァーホルトに絞る予定でしたが、残念ながら今回は入手出来なかったので、それは又別の機会にと言うことで・・・。
さ〜て、伝統のアメリカン・ライとは如何なるものか?飲んで、感じて、痺れましょう!?
(場所) The Whisky Bar / ザ・ウイスキー・バー
(日時) 10月17日(日) PM14:00〜予定
(料金) 上記記載 (お好きなウイスキー2種類以上をチョイスして下さい)
(特典) 4、50年代、希少なアメリカン・ブレンデッドのウェルカム・ハイボール。現行のオールド・オーヴァー・ホルト。会当日に限りウイスキー全商品15%オフ。
お申し込みはメールにて。必ず飲みたい銘柄と、フル、ハーフなどのプランをお伝え下さい。なお、当日都合が合わないという方は上記価格にてご予約承ります(特典はありません)。ご連絡頂けない場合は通常価格となりますので是非この機会にご予約下さい(会前日まで受け付けます)。なお、日時は暫定的に設定しております。ご希望があれば申し込みと併せてご連絡下さいませ。宜しくお願い致します。
P.S. 15周年を挟み、7月よりテイスティング会を毎月行なって来ましたが、今回を持ちまして当店開催のイベントは一旦終了させて頂きます。今後もレア・アイテムを見つけ出し、皆様と一緒に感動を分かち合えるようであれば、不定期ながら開催致しますので、その節は宜しくお願い致します。(店主)