フォーティファイド・ワイン、日本では酒精強化ワインとも訳されたりする。歴史的には大航海時代、長旅の船上で飲むためにワインにブランデーなどの蒸留酒でアルコールを高め保存性を良くしたことが発祥のように思われる。
SHERRY
シェリーはイベリア半島最南端のカディス県のヘレス・デ・ラ・フロンテラの町を中心とし、その周辺地区から産出される酒精強化ワインで、ヘレス・デ・ラ・フロンテラ、サンルカール・デ・バラメーダ、エル ・プエルト・デ・サンタ・マリアの3つの町を結ぶ三角地帯で第1級のシェリーが造られ ています。
シェリーはどんな物を紹介しようかと思ってましたが、結局、なんとな〜くで選びました。美味い、面白い、うひゃ〜って言うヤツは他にも沢山あります。近場のバーの主人をたぶらかして色々注文してもらいましょう(笑)。
ガスパル・フロリドのリリースは割りと最近で、シェリー、ポート、マディラの本(明比淑子著、小学館)のP63に写真も無く、小さく書かれてたので初めて知ったのですが、とにかく25−GFの説明してある文が気になって気になって・・・も〜う検索しまくりましたが’03当時ひっかかったのはたったの1件!しかも英語では無いサイト「注文出来そうじゃ無いな〜」とあきらめてた所、約1年後日本にも入荷するようになりました。最初飲むときは嬉しくて嬉しくて、ただちょっと高めは気になったけど・・・。しかし美味い!プレアマールは発売以来欠かしたことがありません。私はフィノやマンサニージャのタイプのシェリーにはフロールはもちろん、木肌の香りが少しあった方が好きなので色が少々出てる物を出来るだけ選ぶようにしてるので、まさにヒットした1本です。25−GFはやっぱ!香り!!これは!これこそは「うひゃ〜」ってタイプ。表現し難い複雑な味で、先に書いた本の中にも「あまり古いのでオロロソでもアモンティリャードでもパロ・コロタドでもなく、そのすべてを備えていて、何タイプと限定できない」などと書いてあります(販売先ではアモンティリャードと説明があります)。古酒の複雑さを味わうには格好の1本!
バルバディージョ最高峰、レリキア・シリーズの中の1本。このパロ・コロタドのルーツは1822年創業のアニマセニスタの1人、マヌエル・デ・アルグエソ社が所有していたパロ・コルタドに端を発するといわれ、ソレラの開始が1850年ごろと言われている。なんと!150年という大古酒!!・・らしい。が、しかし!説明をしようと思ってるが、実はまだ飲んでない。実はこの写真は、とあるバーにて撮らせてもらったのだ。随分待ってるので早く試飲会を開催してもらいたい1本です(笑)。も〜!お願い!ねっ!は・や・く!
グティエレス・コロシアのパロ・コルタド・ビエヒシモは最近’05・2月に入荷したばかりで、BBSに説明を書いたばかりですが、あまりに美味いのでここでも登場!!熟成50年以上の古酒で、香り、味、共に満足感で一杯になれる。シェリーを愛する皆さん!これは買いです!ただ出荷本数が少ないため早い者勝ちでしょうね。出来れば常備したい1本です。この深〜いコクは、しばらく忘れられそうにありません。
ウィリアムズ・ハンバートのパロ・コロタドは1〜2年前からアモンティリャードと共にほぼ定番化してるお気に入りの1本。味良し、香り良し、VOS認定品でもある20年物で、私好みのシンプルなラベルと重厚なボトル、おまけにコストパフォーマンスも良いときたらそりゃ定番化するでしょ!普段着で飲めるハイクオリティー・シェリー!ん!とりあえず飲んどけ!!間違いない!
ラ・シガレラの正確なボデガの名前はボデガス・マリア・デル・ピラール・ガルシア・デ・ベラスコと、舌噛みそうな長い名前で、とても覚えられそうも無いので普通はブランド名のシガレラと呼ばれるらしいです(そりゃそ〜だ)。このモスカテルは滑らかな舌触りが心地良く、香りや味はモスカテルに求める物を一揃い備えた1本で、軽く冷やしてそのまま飲むのも良いし、フルーツなどとの相性が良いのでデザート関係に向くかと思われる。当店ではカクテルに登場する回数が多いリキュール的シェリーです。
エミリオ・ルスタウのアルマセニスタ・シリーズは各アルマセニスタの個性が面白く実に幅広い楽しみ方が出来るかと思います。フロールの香りの違い、熟成の妙、地域での比較、ソレラの数での比較、などなど上げてゆけば無限に広がるでしょう。オロロソなのにアモンティリャードぽいとか軽いとか、またその逆もしかり、長期熟成したマンサニージャなどはこのシリーズで無ければ中々飲むことも出来ないのでは無いでしょうか?考えずに飲んでも美味しい物が多いし、カルトに楽しむことも出来るアルマセニスタ・シリーズはシェリーを楽しむ上では重要な存在でしょう。一番最後の写真のシェリーはアルマセニスタの中で一番長くラインナップしてる大好きなオロロソです。
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最近シェリーを好きになった人の殆どはスコッチ・シングル・モルトから入ったんじゃないですか? 私もその口なんですが、シングル・モルトを飲み、勉強を進めて行くと必ずシェリーの樽が登場します。スコッチ蒸留所のほとんどは使う数こそ大小はあるものの、シェリーの樽を使っていない所はありません。マッカランやグレンファークラスなんかは有名ですよね。ここ最近は国産のウイスキーでも、やたらシェリー樽を強調してたり、今じゃ焼酎だってシェリー樽ですよ!それほどシェリーは売れて無いと思うんだけど、空き樽の値段だけは上がってしまって、10年、20年前のリリースにある様な本当に良いウイスキーは少なくなったと思います。 それはさておき、ウイスキーを知るためのシェリーでは有りましたが、案の定、飲んでるうちにシェリー自体が好きになって、更なる深みを知ることになって行きました。ここ読んでる貴方だってそうでしょ?シェリーは限られた土地でしか作って無いのですが、バリエーションの豊富さと、訳の分からぬ分類の曖昧さが探究心をくすぐるんだと思います。食前、食中、食後まで合わせる事が出来ますし、和、洋、中などのジャンルも選ばない。微妙な差が細かく刻まれてるのでオール・ラウンドに使用可能なのです。おまけに私の店のような形式でやっているとスティル・ワイン(通常の無発泡性のワイン)よりはるかに扱いやすい点(保存性の高さ)もシェリーの良い部分です。 ここまで書くと、これ以上の物は無いように思われますが、ただ1点、あの独特の癖が駄目だという方も中にはいらっしゃいます。フィノやマンサニージャ(辛口、淡色のシェリー)に躊躇に出る特徴で、ワインの発酵に由来する酵母の香りは、好き、嫌いがはっきり出るように思われます。そういった方にお勧めなのがあるのが、またシェリーの凄い所!クリーム・タイプ、ペドロ・ヒメネス、モスカテル、この3つのいずれかは、甘い物が大丈夫であればおそらく好きになるでしょうし、これでも駄目ならカクテルにしましょう。レモンやライムを絞って炭酸やジンジャー・エール割りでも良いし、単純にトニック・ウォーターだけで割っても爽やかな1品にもなります。ハード・リカーとミックスしても美味い物が色々と作れます。言わばリキュール感覚で使用するのです。あと、そうそうペドロ・ヒメネスをバニラ・アイスクリームにかけると立派なデザートにもなりますよ。もう悩むことはありませんね!どしどしシェリー飲んで、樽の供給に協力しましょう!(笑) 左のヴァルデスピノのフィノは復刻版ラベルの物。昔のラベルにはこういう芸術的とも言えるラベルの物があったらしい。カルトな物より、こういうキュートなボトルをもっと増やして欲しいですね。 |