ロングヘア派
 女の子写真派の中でも、ロングヘアの女の子ばかり撮っているごく少数の人。その存在自体が世間にはほとんど知られていない。
 女の子一般ではなく、ロングヘアの女の子が好きなので、モデル撮影会の時も、モデルの女の子がショートヘアだったりするととたんにやる気を失ってフィルム一本を持て余してしまう。反対に、モデルの女の子がロングヘアだと、他の参加者の10倍くらいの速さでフィルムを消費してしまい、あっという間にフィルムがなくなって、そのへんで売っている高いフィルムを買いに走っている。ロングヘアの女の子がモデルのときは、湯水のようにアイディアが涌いてくるが、ショートヘアの女の子がモデルの時は、どう撮っていいのか分からず立ち往生してしまう。
 綺麗なロングヘアの女性ならみんな絶世の美女に見えているけど、そうでないならどんな美貌の女性であっても興味を示さない。でも、自分の本当の趣味は世間の人にはひた隠しにしているため、実はロングヘア派だとは知らない周りの人はその人の女性の趣味を測りかねている。
 顔だけでなく髪も撮りたいという気持ちがあるため、45度以上のアングルで撮りたがる傾向があり、お尻を撮るのが目的では、と誤解されて撮影ストップがかかったりする。でも撮っている本人は髪の毛先を見ているだけでお尻には全然目がいってないため、なぜ途中で撮影NGになったのか理解できず落ち込む。
 ロングヘアの毛先まで写そうという本能が働くため、写真の知識はゼロでも日の丸写真(人物の顔が中央にある構図で、写真教室に行くといつも講師から指摘される素人写真の典型)はまず撮らないが、女の子の顔が上に寄りすぎる構図になりがち。でも、本人は、女の子の顔から髪の毛先まで全部写っている完璧な構図だと思っている。プロカメラマンが撮ったロングヘアのアイドルの写真を見ても、毛先まで写っていないと、構図が悪い、と感じている。
 女の子が露出度の高い衣装を着ていても胸の谷間を見せるポーズをしても何の反応も示さないが、髪を印象づけるポーズをとると必死になってシャッターを押しまくっている。しかし、憧れているロングヘアの女の子を前にすると舞い上がってしまっているため、しどろもどろになってしまってまともな会話ができず、晴天の昼間にポートレートモードで撮影してさえメーカー想定外の大失敗をして、フィルムが全滅してしまい、モデルをやってくれた女の子に渡す写真がなくて頭を抱えている。
 普通の女の子とは気軽に話せても、ロングヘアの女の子には話しかけることができないため、モデルになってくれる女の子がいないのが悩み。

(自分のことだ率:300%)

ロングヘア派のぼくは、「ロングヘアマガジン」というホームページもやってます。ロングヘアの女の子っていいな、と思う人、自分もロングヘア、っていう人は一度ご覧になってみてください。ちょっと変わった趣味ですが、世の中にはこういう人達もいるんだ、ってことで、猫好き人間を見るような温かい目で見てやってください。なお、「ロングヘアマガジン」ではオール標準語でやってますので、こことはキャラが違うって感じるかも。


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