この前、義丸さんの分け目を間違えて描いてしまったのでリベンジ。
今回はちゃんと原作をチェックしながら描いたんので…って言いつつ全然似ていないんですが。(苦笑)
しかも鬼蜘蛛丸さん失敗・てへっ
てな訳でまた描き直し?
しかも久しぶりにイラスト描いて色塗ったもんだから前作と比べるとぜんぜん違いますね…
絵が変わったかな?あはっ
ブランクあったせいか一寸雑描きですな。反省。
そして今回もまた いい加減に色塗りしてます。あっはっは。
だってさ〜原作ではまだ色出てきてないし〜良いかな〜なーんて〜(殴)
今回はSS付よん。マジ短いけどね。
海賊さんのある日の出来事
(こんな天気のいい日は海で漂ってたいよな…)
鬼蜘蛛丸はぼんやりと雲の流れる様を見ながら海辺を歩いていた。
久しぶりに航海から戻り、久しぶりの陸を踏みしめているのだが
陸酔いの酷い鬼蜘蛛丸は他の海賊たちのように陸を自由に歩き回れない。
あくまで海の側にいないとくらげ状態になるのである。
其れを考えると海賊はまさに天職だろう。
まぁ 海賊なんて職業は海が好きでなければなれない職業ではあるが。
だからといって四六時中海に居るのである。
船が停泊している時は皆、羽根を伸ばしに行くというのに難儀なものである。
「何をしているんですか?」
「ヨシか。」
ボーっと海を眺めていた所に急に声をかけられ、声をかけられるまで近づいてこられたのも気付かなかった自分に内心驚きながらも
表面上は冷静を装いつつ鬼蜘蛛丸は義丸を振り返った。
「すいませんねー私で。ところでお頭が呼んでましたよ。」
「お頭が?一体何の用だろう??」
「恐らく、先程お頭の所に福富屋さんが…」
言いかけたところで義丸は小さな影がこちらに向って走ってくるのを確認した。
「鬼蜘蛛丸さーん!義丸さ―ん!!」
「カ、カカカカカカメ子さん!!」
「激しい動揺っぷりですね…」
義丸は カメ子の突然の登場に驚きを隠せない鬼蜘蛛丸に呆れつつも
こちらに到着したカメ子にさり気なく手を貸している辺り流石であろう。
「鬼蜘蛛丸さんこんにちは。義丸さんったらなかなか戻ってらっしゃらないから私も迎えに来ちゃいました。」
「探すのに手間取りまして。こんな所にまで迎えに来ていただきまして申し訳ありません。
船ではお一人で退屈でしたか?」
「いーえ。でも久しぶりにお会いできるると思ったら居てもたっても居られなくて。」
「ふふっ嬉しいですね〜ね、鬼蜘蛛丸さん。」
「あ、はい。」
鬼蜘蛛丸の返事はなんとも歯切れが悪い。
普段は寡黙だが、子供相手には優しい鬼蜘蛛丸にしては珍しくカメ子にかける言葉も少ないので
流石にカメ子も不審に思いだした。
「…今日は鬼蜘蛛丸さん随分静かですね。陸酔い中ですか?」
不安がらせてしまったのだろう。そう思った鬼蜘蛛丸ははっとして必死に言葉を探したが
義丸の次の言葉に固まってしまった。
「違いますよ〜きっと久しぶりにカメ子さんに会えた喜びに浸っているのでしょう。」
「まぁ!義丸さんってば本当にお上手ですね!でもお世辞でも嬉しいです。
それでは早く来てくださいね。お父様も待ってますから」
そう言うと嬉しそうに笑いながらカメ子が船の方へ戻っていった。
その小さい背中を見送りつつ残された男二人の間には何度もいえない空気が流れる。
「…図星ですか?」
「な!」
その微妙な空気を壊すべく最初に口を開いたのは義丸だったが
その義丸の言葉に鬼蜘蛛丸は真っ赤になり絶句した。
「動揺したり固まったり赤くなったり忙しい人ですね。」
「お前が変なこと言うからだろう!」
「おや、変なことですか?何か言いましたかね」
「だから!…その…図星かなどと聞くから!」
「それの何処が変なことなんですか?別に普通でしょう。」
「だから!その…俺は別に喜びに浸ってて言葉が出なかったわけではないぞ。
何て言うかいきなり表われたから動揺してだな、何て声をかければ良いのか分からなかったって言うか
兎も角そんなんじゃなくてだな!何て言うか頭の中が真っ白になってな…」
其処まで言って義丸がジト目で見ているのに気付いた。
「…なんだよ。」
「確かに私は図星ですか?とは言いましたが何処が図星であったか何て言ってませんよ。」
「う…」
売り言葉に買い言葉。
義丸が意地の悪い言い方をしたとはいえ、自ら墓穴を掘ってしまった鬼蜘蛛丸はまた言葉が出ない。
「そうですか、あなたはカメ子さんを前にすると頭の中が真っ白になるのですか。」
「いや、それはだな…」
「いや、良いんです。言い訳など。…そうですか。ふーん。」
明らかにからかいを含んだ良い方に鬼蜘蛛丸はなんとか誤解を解こうと焦る一方である。
「まぁまぁ、兎も角あまり福富屋さんをお待たせしてはいけません。急ぎましょう。」
「あ、ああ。」
カメ子が去っていった方向に向って歩き出した義丸を慌てて鬼蜘蛛丸が追う。
それでこの話は終わりかと思われたその時、ふと義丸が鬼蜘蛛丸を振り返った。
「?」
「…紫の上ですか…」
独り言のようにボソッと言うとまた何事もなかったかのように歩き出す義丸に
鬼蜘蛛丸は一瞬何を言われたか分からず唖然としたが
直ぐに真っ赤になり「ちがーう!」と叫んだ。
走って追いついた義丸は相変わらず人をくったような笑みを浮かべている。
鬼蜘蛛丸は義丸に宥めているかのようにぼんぼんと背中を叩かれながら
当分是でか遊ばれそうだと思ったとか思わなかったとか。
視界の向こうに小さな影が見える。
「もー遅いですよー」と言いながら手を振っているその影に答えるかのように大きく手を振り返す。
義丸のからかいの言葉が聞こえるが不思議と嫌な気はしなかった。
おわり
はい、てな訳でイラスト描いてたら一寸話しなど浮かんだので書いてみました。
義丸さんってば「鬼蜘蛛丸さん」とか言ってるよ。(ぷふーっ)
海賊さん達って言葉遣い丁寧だよね。忍術学園の人達にだけかもしれないけど。
子供たちにも丁寧な言葉使ってて何か不思議な感じ。
海賊さん達だけの時ってどういう言葉遣いしているのかイマイチ分からないんで
その辺は原作待ちってことで。間違ってたらごめんなさい。
兎も角鬼蜘蛛丸さんと義丸さんとカメちゃんのトリオは結構好きです。
ほのぼのしてて可愛いし。
今回義丸さんは描いてて楽しかった。
今度はもっとかっこ良い鬼蜘蛛丸さんを描いてあげたい!