モータースポーツに関すること。

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Last modified: Tue Nov 20 22:29:50 JST 2001

Q. 「FIA国際控訴法廷(the FIA International Court of Appeal)」とは?

jhone: マレーシアGPにおける、 フェラーリの予選不通過による失格処分について、 FIAがホーム・ページ上にFAQを掲載した。 以下はそのjhoneによる日本語訳です。

フェラーリの代理のイタリア自動車連盟(ACIーCSAI)から 出された抗議について、 FIAはプレスに対して次の点の注意を促したい。

Q. 「FIA国際控訴法廷(the FIA International Court of Appeal)」とは?

FIA国際控訴法廷(the FIA International Court of Appeal)は、 FIAの最高評議機構で、パリに本部を置く。 世界中から集まった15名の裁判官からなり、 彼らは総会で選出される。 国際控訴法廷(International Court of Appeal)は、 FIAのスポーツ部門からは完全に独立している。 その決定が最終判断となる。 抗議の内容のヒアリングは、いかなる場合でも最低3名の裁判官によって行なわれる。 しかし、その中には、訴えを起こした国出身の者は含まれない。

Q. 誰が「裁判官」なの?

FIA国際法廷(the FIA International Court)のメンバーは、 モーター・スポーツに詳しい弁護士や裁判官の経験者で、 しかも、モーター・スポーツに関与していない者。

Q. 手続きはどうなっているの?

抗議の意向はステワード(FIA技術部門の責任者)の決定が 発表されてから1時間以内に明らかにしなければならない。 訴えを起こそうとする者の所属する国の自動車連盟 (今回の場合はACIーCSAI)を代理人として 48時間以内に抗議を伝えなければならない。

抗議がでたその日のうちに、 FIA国際控訴法廷(the FIA International Court of Appeal)は 関係者や法律家らから事情を聞き、記録や証拠を調査を行なう。 直接競合していたチームと法廷の抗議(Court of Appeal)の決定によって 特に利益を受けるチームもまたヒアリングを要求する。

国際法廷(International Court)の判断は、関係者に通知され、 また翌日に公表される。

Q. FIA国際控訴法廷(the FIA International Court of Appeal)は フェラーリの抗議をいつ聞くの?

10月22日金曜日午前9時30分。



ジェネバ、1999年10月18日


乏しい英語力で訳してみました。 解釈の違いがありましたら教えて下さい。

最終更新日:1999年10月20日

skid blockって?

jhone: スペインGPでルーベンス・ヴァリチェロが失格の原因となったskid block。 一体何のことやら?と思っている人もいるハズ。 そこで、レギュレーションから引っ張ってきました。

1999 Formula One Technical Regulations 3.13)Skid block

基準面に位置する全てのパーツによって作られた 底部表面(路面に近い面)には、 長方形のskid blockを取り付けなければならない。 skid blockは1つのパーツからなり、以下の様なものでなければならない。 (前提として、 F1マシンの底部はフロント・ホイールの中心線から33cm後方の位置から、 リア・ホイールの中心線までは平面でなければならない、 というレギュレーションがある。)


a)縦の長さは、 フロント・ホイールの中心線より33cm後方の位置から、 リア・ホイールの中心線の位置を越えていること。

b)同一の素材で作られ、その比重は1.3から1.45の間であること。

c)幅は30cmで誤差は+/- 2mm。

d) 厚さは10mmで誤差は+/- 1mm。

e)新品時の厚さは均一であること。

f)マシンに取り付けるもの、 または厚さを測定するのも以外の目的の穴を空けないこと。

g)厚さを測定する為に、正確な位置に6つの穴を空けておくこと。 穴の直径は、50mmで、その位置は追加1の図1を参照すること。 使用後のskid blockが条件を満たしたものかを判定に、 この穴は使われる。

h)取り付け具は10個以下とし、 底部表面(路面に近い面)と同じ面での取り付け具の面積は、 最大20平方センチとする。 また、取り付け具はskid blockの底部表面より最低1mm上方にあること。

i)マシンの中心線について対称にしっかりと密着させ、 skid blockと基準面に位置するパーツとの間に空気が流れないようにすること。

skid blockの低い方の面の周囲には、30度の角度で深さ8mmの溝をつけても良いが、 後方には、200mmに渡って8mmの溝をつけても良い。


以上がレギュレーションです。
要するに、skid blockとはF1マシンの底部を通る空気の流れを乱して(遅くして)、 ダウン・フォース(マシンを押えつける力)を減らすための板、 ということです。

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スーパー・ライセンスって?

jhone: いよいよ始まったF1の1999年シーズン。 誰もが一度は憧れるF1ドライバー。 しかし、 F1マシンをドライブする資格があるのは「スーパー・ライセンス」と呼ばれる 特別なライセンスを持ち、 世界中で本当にわずかの、選ばれたドライバーのみである。 ところで、「スーパー・ライセンス」という名前は知ってても それを説明できる人はあまりいないと思う。 また、「スーパー・ライセンス」って何?と疑問を持つ人も結構いると思う。 そこで、 「スーパー・ライセンス」について理解するために、 FIAのレギュレーションから抜粋して日本語に訳してみました。

以下、抜粋

追加Lの5 スーパー・ライセンスの資格

5.1) スーパー・ライセンスは、 ドライバーの所属する自動車連盟から次に挙げる一定の申請と推薦が、 ドライバーのレースの記録と以下の条件を満たしてFIAへ提出された時に、 フォーミュラ・ワン委員会の決定によってのみ発行される。


i)ドライバーは、 FIA・F1・ワールド・チャンピオンシップ(世界選手権)で フォーミュラ・ワン・カーでレースを戦うチームの ファースト・ドライバー、セカンド・ドライバー、 またはリザーブ・ドライバーとして、 チームの一員になることに同意を得ている者。


ii)ドライバーは国際A級ライセンスを所持していること。


iii)ドライバーは

a): 過去2年間のFIA国際F3000選手権の年間総合成績が、 4位以内であること。

またはb):過去2年間のFIA国際F3000選手権で、 3位以内の成績が最低5レース、または、 6位以内の成績が最低10レース以上であること。

またはc):過去2年間の日本のF3000選手権(フォーミュラ・日本)で、 年間総合成績が、3位以内であること。

またはd):過去2年間のアメリカのインディー・レーシング・リーグ (IRL)シリーズ、 またはカート選手権シリーズで年間総合成績が6位以内であること。

またはe):次に挙げる各国のF3選手権における年間総合チャンピオン。
国名:イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本。
(このタイトルは、彼または彼女の国のチャンピオンシップ・シーズンの最終戦から 12カ月間有効。)

またはf):前年度のF1世界選手権のドライバーとして、 決勝で最低5レースのスタートを経験していること。

またはg):(例外)、フォーミュラ・ワン委員会によって過去の成績が 十分であると判断され、2日以内にF1カーのレーシング・スピードで 最低300Kmをドライブし、 そのテストが行なわれたことを、 その国の自動車連盟が証明すれば良いこととする。 そのテストは、シングル・シーター(座席が一つ) のフォーミュラ・ワン・カーで行なわれなければならない。

この場合、 申請者が出場しようとする F1世界選手権の最初の日から数えて 最低14日前までにFIAへ申請が届いていなければならない。

iv):毎年のスーパー・ライセンスの費用はFIAに収める。


5.2)12カ月の間、ドライバーの名前はスーパー・ライセンスに適するかどうかを 審査するリストに載ったままである。 この期間を過ぎるとの仮のライセンス期間が完了し、 フォーミュラ・ワン委員会によって再審査が行なわれる。


5.3)iii)のf)条項より上で(申請が)受理されたドライバーは、 スーパーライセンスが与えられるまでの仮のライセンス期間の1年間を、 その期間と再審査の条件を3カ月とすることができる。

以上。

要するに、 「スーパー・ライセンス」は一定の条件を満たしたドライバーが、 所属する自動車連盟を通してFIAに申請する。 申請が受理されると「仮の」スーパーライセンスが与えられ、 その後、1年間(特定の条件では3カ月間)は スーパーライセンスを取得するのにふさわしいかどうかが審査される。 再審査の後、「正式に」スーパー・ライセンスが与えられる。
つまり、スーパー・ライセンスを取得できるのは、 モータースポーツのエリート中のエリートだけである。 早いのは当たり前で、ドライビング・テクニックも十二分にある。 しかし、優勝できるのは、その中でもわずかなドライバーしかいない。 優勝できるドライバーは、早さだけではない何かを持っているに違いない。

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GPを開催するサーキットの手続きについて(FIAレギュレーション)

中国GPが開催できない理由に、「サーキットが完成していない」とあったが、F1などのモータースポーツを開催するサーキットはGP開催までに、どのような手続きをしなければならないのだろうか? 実際にレギュレーションを見てみよう。

FIAのレギュレーション:追加Oの3(手続き)

jhoneの不十分な英語力で訳したので、分かりにくいと思います。原文を読みたいという方は、 FIAのページへどうぞ。

ちなみに*は英GP開催地で問題となっている箇所。つまり、開催権は申請したオーナーにあるので、オーナーが代わるとGP開催権を失う。中国GPはOー3.4が満たされていない。

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タイヤについて2

今シーズン限りで撤退するグッドイヤーはF1で数々の優勝をサポートしてきたが、その記念すべき初優勝は1965年10月24日、F1最終戦メキシコGPだった。ホンダRA272に乗るリッチー・ギンサーによるものだった。当時の総監督の中村良夫氏と、ドライバーのリッチー・ギンサー氏は、それから12年後のドイツGP、グッドイヤーの記念すべき100勝目に特別招待され、その予選の日に特別表彰されたのである。その後の活躍はいうまでもないが、日本人にとっても馴染みのあるメーカーの撤退は淋しい限りだ。

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タイヤについて

今年、GYとBSの二つのメーカーがF1のタイヤをすべてのチームに供給していたが、来年からはBSの一つだけになってしまう。しかも、今年のタイヤテストの時のマクラーレンのタイヤ使用量は他のチームと比べて非常に多かったから、BSタイヤは「マクラーレン専用」と言っても過言ではない。そのおかげで、マクラーレンのタイヤとマシンのトータルバランスは他のチームと比べものにならないくらい良かったはずである。今年BSを使っていたチームは、マクラーレン専用タイヤをレースで使用していたのでデータの蓄積がある。今年GYを使っていたフェラーリ、ウィリアムズといったチームにはそんなものはない。しかし、もうこれ以上マクラーレンに差を付けられたくない。それでタイヤテストの時に少しでも多くのデータを得ようとして、「タイヤの供給を多くしてくれ」と言ってみた。しかし、BSが「駄目」と答えると、ついには、「それじゃ、契約なんかしないもんね」とゴネる。フェラーリがF1に出場しないと大変なことになる。それだけは絶対に避けなければならない。でも、BSは譲らない。「なんで、BSはタイヤの供給を多くしてやれないのか。そうすればすべてが丸く収まるではないか。」と多くの人は考える。しかし、そう簡単にはいかない事情があるのである。というのも、F1に限らず車のタイヤのほとんどが職人さんによる「手作り」なのだから。コンパウンドの成分も、その比率さえも職人さんが決めているのである。つまり、大量生産には向かないのである。それに加えて、優勝したからといってBSの市場売上が伸びる訳ではない。逆に開発にとてもお金がかかるので赤字になりかねない。「エントリーしたすべてのチームに最低限の本数のタイヤを供給するだけでも大変なのに、特別扱いのチームを(これ以上)増やせない。」これがBSの本根だろう。

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はじめに

僕とFー1との本格的な出会いは、中嶋悟氏が日本人初のFー1フルタイムドライバー(それ以前にも76、77年に富士スピードウェイで行なわれたFー1世界選手権in日本で、星野一義氏らがスポット参戦はしていた)としてロータス・ホンダでデビューした87年である。1.5Lターボ全盛の時代で、パワーも1500馬力を余裕で越えていた(つまり、1ccで1馬力以上)。 エンジンはピーキーで、サスペンションがガチガチなのが車載カメラ(ロータス・カーナンバー12、中嶋悟氏の車)でも分かる位だった。

中学生であった僕の周りのには、モータースポーツのことを知っている人などほとんどいなかった。F1のチケットもお金さえあれば簡単に手に入っていた。何せ、フジテレビのF1中継の後に、有賀さつきアナウンサー(当時)が「今回の優勝者は誰か?」という内容のクイズを出して正解者の中からチケットを抽選でプレゼントするなど今では考えられないことをしていた。

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