ソプラノ♪7ボーイズのクリスマスコンサート
                                 
2020年12月25日(金)

「生の舞台を観ていない。画像だけだと書くきっかけがつかめない。困った」
「書きやすいところから始めればいいよ」
「中村海流君と河井慈杏君はビリーエリオットで観ましたからそこから始めませんか?」
「そう、住職さんは、迷ったら『やりやすいことを最初にやりましょう』とおっしゃったよ」
「ピント外れになるかもしれないけれどとにかく書いてみようか」
「そうこなくちゃ、がんばるぞ!」
というわけで、少人数グループでの発表からレポートを書いていこう。『ちびっ子カウボーイ』は3名がカウボーイハット風の帽子をかぶり、歌詞に合わせた振付で歌った。この振付は各グループで工夫を凝らしたそうだ。ここでは、一人ひとりが違う動きをしているのを見て「なるほど、工夫している」と思った。3名が協力し合って発表していることが良かった。次の3名による『チムチムチェリー』は振付がなく、歌を聴いてもらおうとの気持ちが表れていた。それを表すかのように、3名は気持ちを一つにして歌っていた。この曲は歌いやすそうで歌いにくい。それを感じさせずにきれいなハーモニーで歌うのはさすがだった。中村海流君のグループの『河童のクィ、クォ、クァ』は、河童の扮装をした3名が歌の合間に河童らしい振りを入れて楽しそうに歌った。この振付は歌をより楽しくしたので聴く方も楽しくなった。中でも深澤君がおばあさん河童をそれらしく歌うのが面白かった。中村君はビリーエリオットを演じる時は憂い顔だったがこの日の笑顔は良かった。河井慈杏君のグループは『小さな木の実』を歌った。こちらは声量を生かし、のびのびとした歌に仕上げた。それだけではなく父親を亡くした坊やの悲しみも表現していて聴きごたえがあった。『虹』は二人組。小学生がよく歌う曲だが、楽しい雰囲気を作りながらおおらかに歌った。このため、歌の魅力があらためて伝わった。この2名も楽しげだった。ソプラノ7ボーイズは指導者がミュージカル関係ということで歌唱力だけではなく豊かな表情で歌を表現していた。舞台出演やCM出演の実績があるメンバーが多いからレベルは高いと感じた。この日は歌わなかったが、劇団四季の『ライオンキング』にヤングシンバ役で出演している少年が紹介された。いうまでもないが、この役は大勢の中からオーディションで選ばれるはずだ。そのためにはかなりのセンスが必要だ。ここでもソプラノ♩7ボーイズの力をうかがい知ることができた。終盤に全員で歌う『アニー』と『レ・ミゼラブル』では力強さがあった。ソロを歌う少年たちも堂々としていて、聴いている人に伝えようという気持ちを感じられた。これも指導の成果だろう。『レ・ミゼラブル』の出だしを歌った山口れん君の男声が良いアクセントになっていた。この先、変声する少年たちが、希望すれば残れるようにしてはどうだろうか。変声前のメンバーの支えになるだろうし全員で歌う時には厚みが加わるはずだ。その山口君は2017年の『ビリーエリオット』でマイケルを演じた。舞台を観た者として成長した姿を見ることができたのはうれしかった。それぞれのグループで共通していたことは体の動きはあっても、歌う時に足が床についていたことだ。これなら歌の実力が存分に発揮できる。自分も合唱団のボイストレーナーに「足をしっかり床につけないと良い歌は歌えません。オペラ出演者も動きながら歌っているように見えますが足は床についています」と教えてもらった。

  次は前半の発表について述べる。ソプラノ♩7ボーイズの名前の通り、7名がレパートリーの曲を発表した。レパートリーというだけあって歌い慣れている。それぞれの歌に振付があって見て聴いて楽しめた。歌い方もしっかりしていた。自分にとっては『ふじの山』がよかった。楽譜通りに歌うだけではなく情景が思い起こされる歌い方だった。このあたりもミュージカルの指導を受けている成果だろう。このように大半の曲は良い雰囲気だった。これは会場に置いてあるバランスボールやバー等でトレーニングをしている結果だろう。良い声や動きができるのはそのためだろう。しかしに気になったことがあった。それは歌いながら動き回る時だ。当然ながら足が床から離れる。そうすると歌がおろそかになる。現在、聴く機会が少なくなった童謡や唱歌を現代風にアレンジして楽しく見て聴いてもらうことで日本にはこのような歌があると伝えることは賛同できる。自分の勝手な意見だが足の動きは最小限にした方が歌は生きるだろう。ならば歌だけ録音してそれに合わせて動けばとの意見もあるだろうがそれでは魅力半減だ。今の形を続けて欲しい。また、歌うだけではなくそれぞれの歌の歴史や背景を知って欲しい。例えば『汽車ポッポ』は蒸気機関車が貨物列車や客車列車の前後について勾配を登る姿を歌にしたものだ。実際にその風景を目にしたことはないが映画で見ていると機関車が「なんだ坂、こんな坂」と十六分音符で強がりながら歌っているように聴こえた。運転席では機関助士が休みなくスコップで石炭を釜に入れる。機関士は、煤煙を浴び、前方に注意しながら運転する。しかも運転席はよく揺れる上に吹きさらしだから夏は暑く冬は寒い。重労働というしかない。今回の歌は最新の電車が悠々と勾配を登っていく感じだった。また『かわいい魚屋』さんを聴き、地域にもよるが昔は午前中に魚屋の若い店員さんが家々をまわって注文を取り夕方に魚を届けていた。「こんちは、お魚いかがです?」という光景は日常だった。これらのことを頭において歌うとより深い表現ができるだろう。

 以上、思いつくままに書いた。日本で少年だけによるこのような活動は画期的なことだ。少年合唱団との違いはあるが変声前の少年の声で表現する点では共通だ。ソプラノ♪7ボーイズが成長していく姿を見守りたい。コロナが収まったら生の舞台を観てあらためてレポートを書くことが今の自分の目標だ。


 楽しそうな様子は心が和む
ソプラノ♪7ボーイズの配信

                                      2021年12月26日
(日)

  会場は慣れ親しんだ練習場所なのだろう。少年たちはリラックスした表情でお楽しみ会を行っている雰囲気があった。この日の司会役は中学生のコウヤ君、次々と入ってくるコメントを紹介するのはこれも中学生のハル君が担当した。なおレポートではコメントを省略します。

 トップはコウノスケ君とショウノスケ君の『空がこんなに青いとは』だ。この二人は下級生なのだろう。それらしい素朴な歌声で一生懸命歌っているのが良かった。コウノスケ君は歌う前に「高い声が出にくい」と言っていたけれどそれは感じなかった。

 2番目はアキラ君でこちらは中学生なのだろう。曲は『上を向いて歩こう』。変声期途中の今だけの声でしっかりと歌った。この歌を習ったのは小学2年生の時だそうだ。どこで教わったのかは知らないが自分がこの歌を知ったのは小学2年生の時だった。当時、この手の歌を歌うと「子どもがそんな歌を歌うんじゃない」と怒られたから時代が変わったなと思う。この時代、歌はたくさんあった。その中で子どもは「いいな」と思った曲は自然と覚えるものだ。今はそれ以上に音楽があふれているから良い曲を取捨選択して欲しい。

 3番目は、アユム君 コウキ君、ユズ君、タスク君、カイル君の『オリバー!』に出演したグループだ。インタビューでは「千秋楽まで無事に終えられてよかったです」との話が出た。そこには大きな仕事をやり遂げた安堵感があった。5人は『オリバー!』の中から『信じてみなよ』を「ラララ」の歌詞で楽しそうに歌った。カイル君の低い声が変声前の少年たちを支えていた。『オリバー!』には他にソプラノ♪7ボーイズからジアン君、キノコ君ことハル君が出演した。7名の出演はソプラノ♪7ボーイズがミュージカルに重きを置いていることがわかる。この場にいなかったジアン君とキノコ君はオンラインで出演した。ジアン君はニューヨークからの出演だ。「今は夜の10時20分」と話すと家族が背後のカーテンを開けて夜であることを教えてくれた。こういう光景を見ると家族が協力的なのだと思う。舞台を無事に務めるために家族の協力は欠かせないことを物語っている。キノコ君は、この日6時からコンクールに出ると話していた。こちらは弟の姿がチラチラと映り微笑ましかった。

 4番目は中学1年のショウイチ君でウェーバー作曲の『ピエ・イエズ』を歌った。ソプラノ♪7ボーイズ所属を考えるとおや?と思う選曲だ。一部たどたどしい処はあったが正統な歌い方でボーイソプラノを堪能できた。ミュージカルだけでなく宗教曲を歌っても違和感はなかった。ピアノ伴奏が歌のテンポに巧みに合わせているのを聴き、伴奏の伊東えり先生はかなりの腕前だと思った。ここで童子たちから意見が出た。
「ミュージカルの中にも宗教曲が入る演目がありそう。」
「宗教曲は歌の勉強になるから取り入れるのはいいことだね。」
「考えてみれば、『オリバー!』の『愛はどこに』は宗教曲に似ています。自分の気持ちを強く訴えるけれど大声で歌いません。聴いている人たちの心に沁み込むように伝えなければいけない。これは大声だと伝わりません。」
「宗教曲の要素だね。それわかるよ。さすがグロリア少年合唱団だ。」
童子たちの意見に「なるほど」と思った。ここまで振り付けはなく歌に専念していたので歌をじっくり聴くことができた。

 5番目は進行役を務めたコウヤ君とハル君のミュージカル『キャッツ』からだ。こちらは振りが付いた。関係者から教わったそうで振りを入れて歌う様子は楽しそうだった。ダンスの技術が良いのは、ソプラノ♪7ボーイズで培ってきた成果だろう。こういう姿は観る側も楽しくなる。曲を聴いていて寝台列車に乗り、特有の気分を味わいたくなったが、定期列車は『サンライズ出雲』と『サンライズ瀬戸』しか残っていない。残念だ。

 最後はこの日の出演者全員による『きしゃ』(きしゃきしゃ しゅっぽしゅっぽ)だ。ソプラノ♪7ボーイズならではの振りを付けたもので観ていて楽しかった。


 
 ソプラノ♪7ボーイズのライブ配信
    練習の成果が窺えます
                                              
 2022327(日)

 パソコンの操作がうまくできず、画面を見たのは途中からで全員が『ふじの山』を歌っているところだった。クリスマスの時と違い、全員が白いカッターシャツに黒ハーフズボン着用だった。これを見て今回は気持ちが入っていると思った。『ふじの山』は適切な音量で良い声で歌っていた。あらためて良い歌と感じると同時に歌をしっかり聴こうという気持ちになった。

 グループ別の発表の最初は平賀晴君、宮澤伶輔君、湧澤昊生君による『北風小僧の寒太郎』だ。「ハモリに注目してください」とポイントの説明があるのは親切だ。出だしを歌った平賀君は素直に伸びる声で、ここまで培ってきた成果が表れていた。他の2名の声も良く、きれいなハーモニーを創り出した。

 2番目は中館翔一君、矢野新太君による『もののけ姫』だ。変声期に入り高い声が出にくくなっているので伊東先生からアドバイスをもらったそうだ。それは体の力を抜き、前かがみになって体をぶらぶらすることだ。要するに余分な力を抜きなさいということだろう。その成果で変声期を感じさせない二重唱が聴けた。もちろん歌っている時は良い姿勢だった。

 3番目は中村海流君、小林佑玖君による『compass of your hands』(シンドバッドより)だ。小林君は自信に満ちた堂々とした歌い方、中村君は中学生らしい落ち着いた声で調和のとれたハーモニーに仕上げた。中村君の低くなった声も良いなと思った。二人ともミュージカル『オリバー!』を歌ってきた成果と推測できた。ここまで聴き練習をしっかり行ってきたことが窺えた。

 この後はコメントの紹介と回答タイムになった。コメントで印象に残ったのは河井慈杏君の「カーネギーホールに出ます」だった。どのような演目に出るのだろうと興味をもった。これが終わると一人ひとりが好きな食べ物と将来の希望を発表した。やはりミュージカル関係の仕事をやりたい少年が多かった。この話を聞き、日本は平和だとあらためて思った。この平和が続くことを願いたい。

 最後は全員で『われは海の子を3番まで歌って終了した。最初の『ふじの山』同様、適切な音量ときれいな声だった。ソプラノ♪7ボーイズはご案内の通りミュージカルと童謡唱歌を歌っているグループだ。ミュージカルは元気に歌うイメージがある。そのため、つい大きな声を出したくなるかもしれないが静かに歌う童謡唱歌と棲み分けができていると思った。これからの発展を期待したい。

  話は違うけれど以前に某少年合唱団のメンバーが
「制服を着ると、さあ行くぞという気になります」
と話してくれた。今回はきちんとした服装だったのが良い演奏につながる要因かもしれない。

 ソプラノ♪7ボーイズの卒業演奏会
                                                                           2022年6月12日 (日)

 オープニングの曲は『汽車』でいつものように元気な歌とダンスだった。合間に新しく入団した4名の挨拶があった。メンバーが増えるのはうれしいことだ。ただ卒業するメンバーがいるのは寂しいことだが新たな門出ということで祝福しなければならない。今回卒業するのは、深澤君、吉浦君、竹内君、中村君の4名。この日は卒業演奏会となった。
 卒業する4名が今だから話せることを語り合った後、歌に移った。最初は竹内彰良君で『月の庭』。竹内君によると初めて聴いた時、衝撃を受けたけれどとても高音なので当時は歌えなかったそうだ。それが変声期により裏声が出せるようになったので今回歌うとのことだ。自分は初めて聴く曲でかなりの難曲だ。竹内君はゆったりしたテンポを利用して歌詞を丁寧に歌っていた。そのため聴き入ってしまった。声は裏声というより堂々としたカウンターテナーだった。
 二番目は中村海流君で歌は『Compass of your hart』(シンドバッドより)。心がけたことは歌詞に合わせた感情表現とのこと。歌を聴いて成長したなと思った。声の出し方に余裕があり、これは腹筋が鍛えられた成果と推測した。聴いていて海風を受けながら自信たっぷりに航海している少年の姿が想像できた。歌い終わると「歌のお兄さんみたい」というコメントがあった。これを聞き、海流君ならかっこいい歌のお兄さんになりそうだと思った。
 三番目は深澤幸也君、吉浦 陽君による『You can't stop the beat』(ヘアスプレーより)。えり先生が伴奏しますとのこと、それを聞きここまではカラオケ伴奏だったことに気が付いた。二人は速いテンポの曲をリズムに乗せ振りを入れて軽快に歌った。まさにソプラノ♪7ボーイズの本領発揮だ。日本語もはっきり聴きとれた。この曲は日本語よりも英語で歌った方が歌いやすいのではと思ったが二人は難なく歌っていた。聴いているうちに体が動かしたくなると感じたら後輩のメンバーたちが出てきて得意のダンスを披露した。これはソプラノ♪7ボーイズらしい演出だった。卒業生全体に言えることは体の成長とともにより大きな表現力を発揮できることだ。ここまで培ってきたものが大きく花開いたという感じだ。
 歌が終わると卒業セレモニーとなり後輩から一人ひとりに花束と記念品が贈られた。卒業生のコメントを聞き4名は最初からのメンバーだったことをあらためて知った。続いて後輩代表5名が『上を向いて歩こう』を歌った。これだけを聴けば「元気に歌っていて良いな」ということになるが卒業生の歌を聴いた後だと「まだ発展途上」と感じた。そう感じたのは歌が一本調子だったこと、各自の声が張り切りすぎていたことが挙げられる。それに対し卒業生の歌は強弱があり気持ちがこもっていた。そのため曲が自然に自分の体内に入ってくるようなイメージになった。そうは言っても後輩たちも近いうちこの日の卒業生のように成長していくのだろう。今回の卒業生の歌を後輩たちは引き継いで欲しい。
 最後は『かわいい魚屋さん』。ソプラノ♪7ボーイズはこの種の曲がルーツなのだとあらためて認識した。童謡でもこの年齢の少年たちが歌うと新鮮に聴こえた。

 ソプラノ♪7ボーイズの配信
                            2022年11月23日(水・祝)

当日のプログラム
・汽車ポッポ ・ふじの山 ・小鹿のバンビ ・うさぎのダンス ・おさるのかごや
・信じてみなよ(オリバーより) ・グリーン・グリーン
・上を向いて歩こう ・汽車

  出演したのはグループ名通り7名だった。この7名が3~4名ずつ交代でステージに上がった。先ず7名がステージに上がり挨拶した。その後4名で『汽車ポッポ』を速いテンポで歌った。ダンスをしながら歌うのはソプラノ♪7ボーイズのお家芸だ。見ていると動くのは間奏の間で歌う時は足を床に付けていたから動きは最小限だった。これは歌う時の約束事で基本はしっかりしている。速いテンポがゆっくりテンポに変わったのは『ふじの山』だった。この歌はゆっくりと歩き回る演出だった。これは遠くに見える富士山を眺めながら歌っているイメージだった。間奏の時の静かなヴォカリーズガがきれいで雪をかぶった富士山を連想できた。次の『小鹿のバンビ』もゆっくりテンポでじっくりと聴いてもらおうという意図を感じた。ソロを歌った小暮君はバンビが生まれた様子を頭に描きながら歌っているように見えた。再び速いテンポになったのは『うさぎのダンス』と『おさるのかごや』だ。『うさぎのダンス』の1番は平賀君が堂々とした声でソロを歌った。2番は全員で足の伸び縮みでウサギが跳ねる様子をテンポよく表現した。『おさるのかごや』は「エイホーエイホー」と駕籠かきの様子を表現したが両手で担ぐ仕草のため、駕籠かきではなく飛脚の動きに見えた。
五月「駕籠は重いはずだよ。だからゆっくりテンポで歌った方がいいんじゃないかな?」
 空「日暮れの山道を行くのだから慎重になるはずだよ。だからゆっくりの方が合うよ。」
 風「確かにそうだけれど小さい子が歌うのは難しいです。」
 薫「五月君のイメージだと歌が重くなるから童謡に似合わない。歌と現実は違うから。もう一つ、駕籠を担ぐのは辛いからそれを紛      らわすため、元気に歌っているのかもしれないよ。」
五月「なるほど。納得。」

 童謡はここまでで次からは違うジャンルの曲だ。先ずは小学4年生涌澤君と5年生松浦君、浅野君による『信じてみなよ』(オリバーから)だ。このうち、涌澤君と松浦君は『オリバー』に貧窮院の子ども役で出演している。そのことからソプラノ7♩ボーイズはミュージカル出演を目指す少年たちの集まりと認識できる。3名は張り切って歌っていた。張り切るのはいいのだが余分な力が入っているように感じた。もう少し力を抜けばと思った。その点、次に登場して『グリーン・グリーン』を歌った6年生の小暮君と平賀君はしっかりした歌唱でも力が程よく抜けていた。このあたりは年の功というか舞台慣れしていると言ってよい。次の『上を向いて歩こう』は変声した中学生中館君と矢野君に変声期前の平賀君と湧澤君を加えた歌だった。ほとんどがユニゾンだが鍛えられた高い声と低い声が一緒になると厚みが加わった。これは思わぬ発見だった。

 最後の『汽車』は全員で蒸気機関車のロッドが動く様子を表現した。何より良かったのは全員が楽しそうな表情だったことだ。ソプラノ♪7ボーイズが歌っているのは童謡と旧い歌が多い。旧い童謡を今の子どもたちは歌わないけれどこうして聴くと新鮮だ。また旧い歌でも歌い継がれてきた歌はいつ聴いても新鮮に感じる。このような歌を少年たちがダンスしながら紹介していることを多くの人に知って欲しい。