| 日本の少年少女合唱団のコンサート |
| ジュン君と初対面(ノンフォックスコーラス) 渋谷区民合唱祭 2006年6月17日 |
ぼくたちは、渋谷にある東京都児童会館ホールにやってきた。サイトでやり取りしたことのあるジュン君が所属するノンフォックスコーラスが出演する渋谷区民合唱祭を聴くためだ。1時開演だけはわかっていたので着いたのは12時35分頃。プログラムによるとお目当てのノンフォックスコーラスの出番は最後の18番目だ。「なんだ。これならもっと遅くてもよかったね。レポートの調子が出てきたところだったのに」道楽さんの言葉に対し「いいじゃないか。他の合唱団を聴くのも勉強だ。少年合唱団をより理解するためにも必要だ」ぼくが言うと「それもそうだ」と客席へ入りかけたので「お昼ご飯を食べなきゃだめだ。お腹が空いていると気持ちが集中しないぞ」と提案し近くのステーキ屋で1000円のランチを注文。食べ終えて会場に戻ると最初の団体の歌が始まるところだった。
最近、くたびれ気味の道楽さんは合唱を子守歌代わりに居眠りしていた。出演団体には失礼だがいびきをかくわけではないからそのままにしておいた。別の席でひそしそ話をしているおばさんグループに比べれば罪は軽い。さて、ぼくの感想を言おう。合唱団のメンバーは年輩の人が多い。それはそれでいいのだが若い人が目立つ合唱団の方が声に活気がある。男声合唱団が2団体出演していて混声合唱団の男性に比べ生き生きと歌っていた。やっぱり男同士がいいのかもしれない。15番目の児童合唱がステージに上がった時、隣で気持ちよさそうに目を閉じている道楽さんに「そろそろ起きよう」と声をかけた。
お目当てのノンフォックスコーラスは10名(男女5名ずつ)がステージに上がった。ジュン君は女声パートなので男声4名、女声6名の編成だ。この日の服装は黒いTシャツにジーンズ姿で一見地味だが職人気質の舞台俳優のように見えた。最初は『大きな古時計』。 歌いながら時計の動きを肩や膝を動かして表現するのがおもしろい。歌をリードする男声は4名にもかかわらず深さと存在感がある。テンポが早めなのも合唱団には合っていた。次は『サザエさん』の主題歌だ。これも体の表現を使っての合唱でなんともユーモラスだった。歌詞が3番に入った時、隣にいた女性が「まだやるの?」と笑っていた。ジュン君が振り付けのミスをしたのはご愛敬。この歌もメンバー全員が楽しそうに歌っているのが印象に残った。3曲目は『ヘッドライト・テールライト』。この曲はメンバーの表情が真剣になり、「これがノンフォックスコーラスだ」と言わんばかりの気合いの入った合唱だった。一生懸命歌っているジュン君を見て「心から歌を楽しんでいるな」と思った。終了後の拍手は薫によると一番大きいそうだ。ここで合唱団の指揮者である高橋先生のリードで全員合唱の『大地讃頌』を練習する。全員合唱でこの曲を歌うのは珍しいことだ。それでも観客は合唱団のメンバーが大半なのでパート練習もスムーズだ。「では、全員立ちましょう」と合唱が始まった。自分は部分的にしか歌えないがまわりの声を聴きながら良い気分を味わった。まさに合唱祭らしい締めくくりで主催者側の心意気を感じた。
すべてが終了し、ロビーに出て待つことしばし。ジュン君に声をかけ初対面の挨拶。とても明るい少年でサイトに載っているイメージ通りだった。今後の活躍に期待しよう。
| レベルの高い合唱 横須賀芸術劇場少年少女合唱団ステージ14 2009年3月28日 |
「駅に行って下りが先に来たら横須賀、上りが先に来たら暁星の演奏会にしましょう。ぐずぐずしないで出発です」。どっちに行こうか結論を出せない道楽さんに向かって風君がきっぱり言った。「そうしよう」。道楽さんはゆっくりと立ち上がった。駅に着いたら下りが先にやってきたので横須賀行きとなった。横浜で乗り換えの時、「横須賀線にしよう」と道楽さんが言った。「京浜急行の方が便利だよ」と思ったけれど従った。横須賀駅に到着し、改札を出た時に横須賀線にしたわけがわかった。「ここは自衛隊の基地だから情緒はないね」。道楽さんはそう言ったけれど風君は海を見てうれしそうだった。「よかったね。風君」。ぼくが話しかけると「道楽さん。この店チキンライスがあるよ」と五月君が大きな声でぼくたちを呼んだ。「気分壊すな」「なんで? お昼ごはん早く食べないと間に合わないよ」。真面目な顔で主張する五月君を見てぼくたちは笑ってしまった。「OK。早くご飯にしよう」。チキンライスを食べ終えて海沿いに歩き、横須賀芸術劇場に着いたのは開演20分前。当日券はあっさり手に入った。3階の正面席で道楽さんに言わせると声が一番集まってくる場所だ。ではいつものように道楽さんにバトンタッチ。
当日のプログラム
第1部
Jラター作曲
キャンドルライト・キャロル ロバのキャロル
降誕のキャロル 美しい地球のために
以上Mクラス(小学5年生〜中学2年生) Sクラス(中学3年生〜高校3年生)
ナンシー・テルファー作曲 ミサ・ブレヴィス
キリエ グローリア サンクトゥス アニュス・デイ
以上Sクラス
第2部
女声・同声合唱曲集 地平線のかなたへ 谷川俊太郎作詞 木下牧子作曲
春に サッカーによせて 20億光年の孤独 卒業式 ネロ―愛された小さな犬に―
ディズニー名曲集
サークル オブ ライフ(ライオンキングより) 美女と野獣
ホール・ニュー・ワールド(アラジンより) 以上Mクラス Sクラス
ミッキーマウス・マーチ おおかみなんかこわくない(3匹の子豚より)
くまのプーさん 小さな世界
以上Jクラス(2年生〜4年生) Mクラス Cクラス
最初に余計な話をしよう。横須賀の定期演奏会に来るのは4年ぶり3回目である。この時期は2006年から始まった新潟少年合唱団のミニ演奏会と重なるからだ。今年は新潟が1週間早くなったのでスケジュールが空いた。当初は暁星の演奏会へ行くつもりで予約しようと電話をしたら「担当者がおりません。当日券で大丈夫です」と言われた。この一言で気持ちが消極的になり、横須賀が選択肢に加わったのだ。では本題に入ろう。
1部の宗教曲は初めて聴く曲ばかりだ。70名近くの上級クラスの合唱は、20名前後の少年合唱団を聴き慣れた耳には重厚に聴こえる。少女の声は少年より厚みがあるのだろう。2部の『地平線のかなたへ』は言葉の美しさとそれに調和した曲に心がほぐれた。難しそうな曲だがそう感じさせないのは合唱団のレベルの高さの表れだろう。すっかり大きくなった秋山直輝君は列の中央にいた。口の動きから判断するとパートはソプラノのようだ。歌い終えると指揮者から曲の解説がある。これがあると曲への興味が深まるのでありがたい。続いてディズニーの曲の解説が始まりその中で『おおかみなんかこわくない』は「Jクラスの2年生、3年生、4年生のボーイソプラノがソロを歌います」とあった。そのJクラスは先輩たちと比べても声に遜色はなかった。ソロを歌った3名について話すと1番目はやや荒削り。ソロのトップということで緊張もあったのだろう。2番目と3番目の子は落ち着いて歌えた。3人とも素直に伸びる声で成長が楽しみだ。この合唱団で男の子のソロを聴くのはこれが初めてである。来年以降も続けて欲しい。思い切って少年だけで歌う曲をプログラムに1曲ないし2曲入れてみてはどうだろうか。
アンコールの『友だちはいいものだ』、『さよならはいつも』(曲の題名がわかりません。間違えていたら連絡ください)で演奏会は終わった。「少年少女合唱団もたまにはいいですね」「確かに。同じ分野ばかりだと偏るしね。きょうは3名のソロを聴けてよかった」。道楽さんが言った。「さあ、急いで帰ろう。次の予定を忘れちゃだめだよ」。ぼくたちは会場を後にした。
続く