フレーベル少年合唱団 |
プロフィール |
豊かな心は美しい歌から |
「いぬのおまわりさん ろばの会童謡名曲集」よりフレーベル少年合唱団が歌った4曲 |
磯部俶先生の自伝「遙かな友に」 |
創立20周年記念演奏会 昭和53(1978)年8月27日 |
第21回定期演奏会 マレーシア公演報告を兼ねて 昭和56(1981)年10月18日 |
セミと共演 フレーベル少年合唱団サマーコンサート 平成18(2006)年8月26日(土)16:00〜16:30 六義園 |
やっと、フレーベル少年合唱団の生演奏が聴けるぞ。この日の東京は曇り空。朝方には雨も降ったということで、暑さもかなりましになっていました。六義園の入口の門は、駒込駅からすぐではなく、少し遠回りしなければならない場所にあり、曇天のせいもあって、やや暗くひんやりとした感じがしました。正門の斜め向かいにフレーベル館の社屋があります。3時15分、門を入って受付で入場券を買おうとすると、受付の女性が
「4時からフレーベル少年合唱団のサマーコンサートがありますので、ぜひご覧になってください。」
「いや、それを見るために大阪から新幹線で来ました。」
「そうですか、わざわざ遠くから。それなら手荷物をお預かりしましょうか。」
「いや、たいした荷物じゃありませんから。」
ずいぶんサービスいいなあ。公園としても、来園者増加のために努力しているんだろうなと感じました。コンサート会場のしだれ桜は、入口近くですぐ見つかりましたが、この季節には濃い緑の葉桜になっていて、前には指揮台や機材が。赤い布を張った長椅子が12脚、観客席として並んできましたが、これが、色彩的には周囲の緑と絶妙のコントラストを示していました。観客席を確保して団員が立つ位置の後ろを見ると、しだれ桜の木の下には、蚊取り線香の入れ物が5つ6つ。蚊に刺されたら痒くて気になって演奏どころじゃないよなと思いながら待っていると、園内放送の効果もあってか、開演前には椅子は満席になり、座っている人と同じぐらいの人数が集まってきて椅子席の後ろに立見席ができました。
夏ということもあってか、服装はベレー帽と上着はなし。白い半そでカッターに紺のリボンネクタイ、紺の半ズボンに白いハイソックス、黒いローファーというスタイルで29名のセレクト団員が2列で入ってきました。「セレクト」といっても、決して高学年というわけではなく身長的には120cmから160cmぐらいの差があり、かなり広い学年の混成であることが伺えました。
団員による挨拶と曲名の説明の後、1曲目が始まりましたが、いきなりハウリング音が。真ん中にベートーベンのピアノソナタ「悲愴」の第2楽章をアレンジしたきれいな曲でしたが、断続的なハウリング音に消されて紹介された題名さえも忘れてしまいました。そこで、2曲目からは、カラオケ音源をテープレコーダーに変えて、夏の歌曲・唱歌が4曲、「ハレルヤコーラス」「TOMORROW」アンパンマンからおなじみの2曲といった歌が歌われました。
この日の演奏は、自然な子どもらしい美しい発声ができていることや、30分という時間が、もう少し聴きたいという気持ちにさせるという点でよかったと思います。数年前の定期演奏会のビデオで聴いた歌声と比べると格段に成長が見られました。これは、指導によるところが大きいと考えられます。日本の歌曲・唱歌は、その声の持ち味を活かしたさわやかな演奏でした。とりわけ、「夏は来ぬ」の情景が浮かんでくるような鮮明な歌い方は好感が持てる名唱と言うことができましょう。「アンパンマン」からの2曲は、歌う方も聴く方もリラックスして集まった人たちが一つになることができました。親しみやすい曲を採り上げた選曲のよさもありますが、不特定多数の観客の前で、予習が必要な曲を演奏したのでは、客が逃げてしまいます。そういう意味でも、少年合唱ファンの裾野を広げるためにも、こういう試みはこれからも大いにやるべきだと思います。
一方、課題としては、音響にトラブルが起こったから言うわけではありませんが、伴奏はカラオケのテープの演奏よりも移動可能な電子ピアノが望ましいと感じました。曲によっては、歌声に集中させるためにア・カペラもよいのではないでしょうか。また、歌の面では、壮麗さを求められる「ハレルヤコーラス」は、人数的なこともありますが、力強さに欠けるところがありました。定期演奏会では、OB会との合同演奏という道もあるのではないかと思います。最後に、団員によって「へーベルハウスのコマーシャルの『みどりのそよ風』は、ぼくたちが歌っています。」という解説とその一節を歌う紹介がありましたが、それなら、ぜひ全曲歌ってほしかったです。歌ってくれるのかなという期待をもたせておきながら、歌わないのはなぜ?という気にさせられました。
野外でのセミとの共演という条件の下での演奏ですから、コンサートホールと同じようにはいかないでしょうが、観客は予想以上に真剣に少年たちの歌声に耳を傾けていました。この野外コンサートはよい試みであり、工夫によってさらによりよいものにできる可能性があるように感じました。
題名のない音楽会 平成20(2008)年8月24日 テレビ放映 |
フレーベル少年合唱団第53回定期演奏会 平成25(2013)年10月23日(水) 文京シビック大ホール |
フレーベル少年合唱団第55回定期演奏会 平成27(2015)年10月28日(水) 文京シビック大ホール |
フレーベル少年合唱団第56回定期演奏会 平成28(2016)年8月24日(水) 文京シビック大ホール |
フレーベル少年合唱団第57回定期演奏会 平成29(2017)年8月23日(水) 文京シビック大ホール |
フレーベル少年合唱団第58回定期演奏会 平成30(2018)年8月22日(水) 文京シビック大ホール |
フレーベル少年合唱団第59回定期演奏会 〜フレーベル少年合唱団 創立60周年記念〜 令和元(2019)年8月23日(金) 文京シビック大ホール |
第60回記念フレーベル少年合唱団定期演奏会 令和4(2022)年8月31日(水) 東京芸術劇場コンサートホール |
フレーベル少年合唱団第61回定期演奏会 令和5(2023)年8月23日(水) 文京シビックホール大ホール |