にゃんさんの部屋


ウィーン少年合唱団2008年来日公演
         2008年5月17・18日  大阪 ザ・シンフォニーホール

  これまで5年間毎年聴きにでかけているのですが、合唱・ソロともに今回が一番よい出来だったのではないかと思います。合唱はトップソリストのマヌエルくんが声量ゆたかに全体を引っ張っている感じでした。また、今回は優れたソリストが何人もいて、さまざまな歌声を楽しませてくれました。どのソリストも歌い終えると非常に満足そうな表情を浮かべていて、舞台慣れしていることを感じました。ヒビキ・サダマツくんも「ねむの木の子守歌」でほんの少しでしたがソロを披露してくれました。ヒビキくんの声は凛として透明感があり、繊細さも兼ね備えています。まさに正統派ボーイ・ソプラノといえると思います。少しだけしか聴けなかったのが残念なくらいでした。コンサートの前半はウィーン少年合唱団本来の任務である宗教曲を厳かに、後半は聴衆を参加させたり、チロル風の服に着替えた団員たちが踊ったり、カペル・マイスターさんが団員とご自身の出身国を紹介したりと聴衆を楽しませる工夫が随所に施されていました。今回来日したのはウィーン少年合唱団の4つのグループのうち「シューベルトコア」でしたが、小耳に挟んだ情報によると「モーツァルトコア」にも日本人団員がいるそうです。

 フレーベル少年合唱団第56回定期演奏会
平成28(2016)年8月24日(水) 文京シビック大ホール

  フレーベル少年合唱団は年齢(歌唱力も?)に応じて上からS組、A組、B海にわかれているそうで、コンサートも各組が分かれて出演していました。全体は5部構成で、最初に団歌の演奏がありました。歌声を聴いて「確かに栗原一朗くんはここで育ったのだなあ」と思えるような、栗原くんによく似た優しい音色でした。

 そのあとPart1はS組によるドイツ、オーストリアの曲さすが最年長の組です。ドイツ語にも挑戦していました。ア・カペラで歌われてた「小鳥がきた」に声の良さが一番現れていたように思います。ほかには「おお、ひばり」、ウェルナーの「野ばら」、「美しき青きドナウ」という、ウィーン少年唱団などもよく歌う歌が演奏されました。全体にふんわりとした線が細めの声で、繊細な表現ができていたと思います。変声した少年たちにも変声したからこその役割が与えられ、活躍していました。
 Part2はB組による鍵盤ハーモニカ演奏と歌2曲幼稚園年長組と小学1年生の25人による演奏でした。音楽的な能力の向上のために練習に取り入れているという鍵盤ハーモニカで「カッコウ」、歌は「うちゅうじん」と「ドレミの歌」が披露されました。もちろんまだ声域も狭く幼い歌ですが、ロケットが飛んでいくような振り付けを入れたりと工夫されていました。「彼らが成長してゆくゆくはS組のような演奏ができるようになるのだな」と思うと、感慨深いものがありました。
 Part3はA組による童謡 「おなかのへるうた」「ドロップのうた」など背伸びしない、いまの歌声が生かされる選曲がされていたと思います。B組に比べてぐんと成長している印象を受けました。
 Part4はOB合唱団による合唱組曲 合唱団を卒業しても歌い続けておられる方たちの演奏です。みなさんご多用でしょうからなかなか練習時間も取りにくかったかと思いますが、親しみやすい曲で楽しませてくれました。
 Part5はS組とA組による沖縄の歌と踊り 歌だけでなく威勢のよいかけ声や打楽器の演奏、踊り、衣装でも沖縄の雰囲気を表現していました。ただ、これはほかの合唱団の演奏でも感じることですが、歌の最中の打楽器の演奏は歌声をかき消してしまってもったいないように思えます。
 アンコール 沖縄の歌が1曲と合唱団一番の十八番、アンパンマンのマーチがS組とA組によって歌われました。アンパンマンのマーチではコンサート最大の盛り上がりを見せ、観客からは歌に合わせて拍手も出てきました。(個人的には拍手に歌がかき消されて好きではないのですが)全体として、繊細で線の細いやわらかい歌声でボーイソプラノならではのよさが感じられました。組ごとに分かれて演奏したことで、幼い団員が身の丈に合った活躍の場を得られていたことも好感が持てました。ただ一つ残念なことは、ホールが大きすぎるためか私の座席が21列目と後ろの方だったためか、声量が控えめだったように思います。
なお、来年の定期演奏会は2017年8月23日水曜日今年と同じく文京シビックホールにて行われるそうです。


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