魚雑学8

今回は軟骨魚類の話です。分りやすく言えばサメとエイとギンザメです。
中でもサメとエイを板鰓類と呼びます。
ギンザメはサメと名づけられてますがサメとは少し離れた仲間で、詳しく知らないんですけど(ゴメンナサイ…)大昔にサ
メの祖先から分かれた軟骨魚類らしいです。ほとんど昔のままの姿を残しており生きた化石の一つです。

・軟骨魚類について
ある日友達に「サメって魚?」と聞かれました。何を言うとるんや、コイツは?って思ったけど、なるほど確かによくよく考
えたらあんまり魚っぽくは無いかもしれないな。
いやいや、ちゃんと魚類ですよ〜。
でも、別の意味でこいつらはあんまり魚っぽくないかもしれません。というのも形体や生態がちょっと変わってて、こうい
う所を知るとあんまり魚らしくないな、と思うところがあったりします。
今回は特にサメについての話をしようと思います。

この仲間は文字通りからだの骨が軟骨から出来ています。形質として他の生き物とかなり違うので綱レベルで分類分
けされてます。種-属-科-目-綱-門-界と、種からより遠い所で分かれた生物ほど縁の遠い生き物となり、同じ魚のタイ
やコイですらサとでは綱の時点で分かれます。
サメの仲間は大分昔からいて(現在知られる最古のサメの祖先の登場は今から約4億年前)独自の進化を遂げてきま
した。
しかしサメは時代に取り残されることなく、常に海の覇者として食物連鎖の頂点に立ち続けています。
サメはなかなかに変わり者で、魚のくせに浮き袋がありません。なので泳いでいないと沈みます。浮力調整は肝油とい
う肝臓に溜め込んだ油でします(油は水より軽い)。
生殖方法は、魚には珍しく交尾をします。エイも同様です。
クラスパーと呼ばれる生殖器を腹鰭に持っておりほ乳類と同じように性交をして子を作ります。
卵を生む卵性はもちろん、子を産む胎性とその中間的な卵胎生もいます。子供を生むなんてほ乳類みたいですよね
〜。
ジンベエザメやウバザメ、メガマウス、オニイトマキエイのような巨大な板鰓類ほどなぜかプランクトン食性でおとなしか
ったりします。
もちろんよく知られているホホジロザメを筆頭に凶暴なサメも多くいるわけですが。

サメは目はそれほど良くは無いと言われてますが嗅覚・聴覚・触覚が異常なくらい優れています。
嗅覚は25メートルプールに垂らした一滴の血液を感じ取ることができるとかできないとか。ホンマか!?聴覚は25Hz〜
100Hzくらいの低周波の断続音に敏感で、体の側線は秒速1pの水の流れも感知します。
それに加えサメ特有のロレンチニ瓶といわれる器官があり、この器官で生き物の出す超微弱な生態電気を感知しま
す。地中に埋めた無臭の魚でも電気で感知できます。
こんなんみたら正にハンターたるべくして進化を遂げたってかんじですね。正に海の覇者。

 サメといったら人間を襲うことで恐れられますが、特にヒトを襲う危険のあるサメはイタチザメ、オオメジロザメ、ヨゴ
レ、ホホジロザメなどです。他にもヨシキリザメ・アオザメ・メジロザメ・シュモクザメなど、危険種を上げるとまぁそれなり
に多くの種がいて、やっぱりサメは危険があるということになります。
昔はムカシホホジロザメという(ふざけているわけではありません)ホホジロザメの大親分みたいなのがいて、そいつは
全長15メートルを超えました。はっきり言って化け物です。多分ガンダムでも勝てません。
このサメの歯は昔から日本では「天狗の爪」と呼ばれてました。復元骨格12メートルの化石もあります。とにかくでかい
です。
多分15メートルの生き物と言うのはなかなか見かけないでしょう。みなさんのイメージする大きさよりも実際は大きいと
おもいます。 しかもそれがあのホホジロザメです。映画のジョーズもせいぜい7メートルほどだったでしょう。それでも現
在では十分過ぎるくらい大きいですが、それより倍以上あります。人間の3人や4人、一のみです。間違いなく地球上最
強の生物の一つです。

 でもみなさん知ってるでしょうか、今そのホホジロサメが絶滅の危機に瀕しているのを。
理由は悲しいことに人間による乱獲です。一説にはあの映画の影響もあったと聞きます。
人間に危害を加えるサメを駆除しようという働きが強まり世界中でサメの乱獲が起こりました。
 あるデータでは人間が保護しない限りは後20〜30年でホホジロザメは絶滅するといいます。
人間は現在増えすぎて資源を食い漁っていると言われているクジラをヒステリック気味に保護し、絶滅の危機に瀕して
いるサメを殺しまくってます。
 もともと海は魚たちのテリトリーであって、そこに入り込んだ人間がサメに襲われた所で、それは仕方ないことです。
自然の摂理とでも言うのでしょうか。その場の自己防衛の為ではなく、分りやすく言えば嫌いだからと言う理由でサメを
殺すのは絶対に間違ってます。その覚悟がないのなら海になど行くべきではありません。海は相当に危険な場所だと
言うことを人間はもっと知るべきです。

サメの生態は不明な点も多く、近年になって発見された種もいます。メガマウスが発見されたのはほんとつい最近(たし
か10年ほど前)で5メートルもあるような大型のサメがそれまで発見されなかったのは海の神秘を感じずにはいられま
せんね。
深海性のサメも多く、サメに限らずまだまだこれから新種は発見されるでしょう。
みなさんもサメのこと少しは興味もってくれましたか?サメもなかなか面白いと思います。もし興味があったらサメの本
やホームページを見てみるのもイイかもしれませんね。
それじゃ今回はこのへんで〜。