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硬式テニスのコツ


私の過去の体験からこんなことに気をつけたら上達が早いと思う項目を集めました。テニスの技術的な情報は本屋さんやスクールにありますし、そういったものはネットでは教えられないので、そういう所ではあまり教えてくれないことを記載します。
ただし、下記の内容は個人的な経験に基づいた意見であり、誰にでも当てはまるものではありません。参考までにご活用ください。

初心者
まず、テニスをやる目的をはっきりさせましょう。
テニスを趣味や余暇程度で楽しむにしても、先々に誰とテニスするのかが問題です。
@家族等の知り合いの初心者同士でテニスをして楽しむ・・・テニスコートが確保できれば、仲間と楽しくテニスするのには、テニスコートの規則を守っていれば別に問題はありません。
A社会人のテニスサークルに入ってテニスを楽しみたい・・・テニスサークルの人たちの迷惑にならない程度の技術レベルが必要です。技術レベルが明らかに劣っていると一人だけミスの連発でゲームが成り立たなくなり行きづらくなります。
B選手を目指したい。大会で優勝したい・・・テニスはとてもハードなスポーツなので、選手として活躍できる期間は短いです。特にシングルスは30歳になったら引退している人が多いです。従って、遠回りしている時間は無いので技術習得の最短距離を探しましょう。

上記@の内容のテニスならば我流のスタイルでテニスをやっても、何の問題もありません。
しかし、将来的にAをお考えならば、スクールに行くか、技術レベルの高い人にテニスの技術を教えてもらうことをおすすめします。
テニスのフォームは人間が直感的にラケットを振る動作と大きく相違しています。全くラケットを振った事が無い人ならば、テニスの独特の振り方を素直に吸収しやすいですが、我流の癖がついていると、正しいフォームをいくら教えても身につきにくくなります。
テニスを知らない人は、フォームを修正すれば良いと考えるかもしれませんが、想像を絶する程、困難で、直らない人も沢山います。
我流でテニスをするデメリットがあと一つあります。テニス肘などの障害を起こしやすいことです。
Bを目指す場合には、全日本クラスの選手だった人で、コーチの才能も併せ持った人を探して、1対1に近い形でテニスの基礎技術を教えてもらうことをお奨めします。
テニスの基礎技術を習得するのに一番良いタイミングは初めてテニスをする時です。初めての時には変な癖もなく、教えられたことを素直に吸収しやすいためです。
もしも3ヶ月間、間違ったテニスの技術を繰り返し練習し、自分の習慣に取り込んでしまった場合にはその習慣を変えるのには倍の6ヶ月間位かかると感じています。
テニスの基礎技術習得において習慣の力は計り知れないです。この習慣の力を敵にしたら厄介です。習慣の力を利用するには最初から正しい基礎技術の反復練習を行える環境が最も重要と考えます。
コーチと生徒が1対1である必要があるのは、多数の生徒でコーチが1人では間違ったフォームで玉を打ったときにいちいち修正できないからです。その癖が出なくなるまで1球毎にコーチに指摘してもらわなければ直らないからです。

最初は友達と遊び程度で始めても良いと思いますが、ある程度長い期間テニスを続ける気持ちが出てきたら、早めに正しいフォームを身に付けられる環境を整えてください。

技術的に伸び悩んでいる人
私の周りにも1年前と現在と同じプレイ内容の人がいます。中には5年前と変わらないプレイ内容の人もいます。
一般的には経験値が上がれば技術レベルも上がってくることが考えられますが、テニスに関しては違います。
なぜ違うのかと言うと、テニスの技術は人間が本来自然に持っている動きとは全く違っているからです。社会人でテニスをしている人の多くの人は間違った技術を身につけてしまい、日々その間違った技術を使ってテニスをすることでますます間違った技術を自分自身に深く刻み込んでいっているからです。
間違った技術で行うテニスには必ず技術的向上に頭打ちの状態が現れます。
向上していくには間違った習慣を正しい習慣に変えていく努力が必要になります。
また、技術的に高いレベルにあっても、基礎体力が低ければ技術を発揮することが困難になります。そして、心の安定性が低くても技術の安定的な発揮には障害になります。
心技体をバランスよく鍛えて向上させていくことが伸び悩みを解消するために重要と考えています。

一般の人でよくある悪い点
それでは、一般的によくある悪い習慣を紹介します。

@玉を良く見ていない
・多くの人はただ単に玉を見ているだけでテニスをしています。「良くみる」というのは相手の打った球が自分のラケットに当たるところまでの軌道を玉に穴が開くほど集中して見ることで、自分の手元に来たボールが回転数が少ない状態ならボールのロゴや表面の繊維の一本一本までが見える程の状態まで集中して見ることです。
特に、強打するときには球のコントロールをするためには一番重要な事だと思っています。

A自分の打点に目が残っていない
・玉をラケットで捕らえる打点に目を残して打たないと打点がぶれやすいのですが、一般の人の中には打点に目を残すどころか、玉をラケットで捕らえる前に打ちたい方向に目を向けてしまっている人が多いです。打点に目を残さなければ、玉の当たりが悪くなるだけでなく、打つ前に体が開いて玉に力が伝わりにくくなり、玉を運びたい方向性もずれやすくなります。

B最初の反応が遅い
・一般の人の中で特に女性に多いのが、ベースラインでのストロークで、相手の打った球が自分のコートに弾む頃になってやっとラケットを後方に動かし始めるという準備が非常に遅い点です。
速い準備とは相手のラケットから玉が離れてボールが自分のフォアかバックがどちらに来るか決まった段階で、一瞬でラケットを後ろ側にセットしなくてはなりません。
速い準備をする場合、右利きの場合のフォアに玉が来る時には左手でラケットを押し出して体ごとターンしてセットを完了します。(ユニットターンと言います。)
そしてセットした形を維持しながら足を細かく動かして、体を打点に持って行きます。
このセットが遅いと、速い球に対応できないので、早い玉を速い球で返球できないです。この事はいつも一緒にテニスしている仲間で上手な人と下手な人のセットの早さの違いを観察すればよくわかります。テレビでプロの試合を見るときにラケットを後方にセットするタイミングが早いのを確認してみてください。

C背中が相手の方に向いていない
・ベースラインでのストロークで、ラケットを後方にセットした時に、自分の背中が相手に見えるくらい腰がターンしているのが理想です。それを言うと多くの人が腰を回転させようとしますが骨盤を回すことが重要です。turn your hip です。
右利きの人がフォアで玉を打つときには左腰に目があってその目が玉を見るようにするのがポイントです。

Dフットワークがスイングの起点として機能していない
・ラケットをスイングする力の起点は足の親指の付け根の母子球です。
母子球を起点に力を出すには、柔らかいフットワークが重要です。
スプリットステップの後に打点に入るため軸足を決めるのですが、足に力を入れすぎると力んで動きを阻害するのでふんわり構えるのですが、重心が軸足に移動したときに重心を受け止めて押し返す力の起点が母子球にであるということです。

E自分の方に次には必ず玉が来ると思っていない
・ダブルスの前衛にいると、フッと気が抜けた瞬間にセンターを抜かれるなんてこと誰でも経験ありますよね。分かっちゃいるけど時々そんな瞬間があります。
相手の後衛から見ていると、攻撃している相手の前衛の気が抜けているのは丸分かりですから。
一瞬気が抜けるくらいならまだしも、まれに後衛同士が打ち合っているときに前衛で自分のラケットの目直し等をしている人がいます。論外です。攻撃されたら間違いなく点を取られます。私を攻撃してくださいというサインを出しているようなものです。
何か試合に集中出来ないようなことがあるなら、その条件をクリアしてから試合に参加したほうがいいと思います。

Fスプリットステップをしていない
・やらないと最初の一歩が異常に遅くなります。やれば、「届かないかな」と思った玉にも届くことが時々あります。また、相手の速い球に対する反応も早くなります。
やってない人はすぐに始めましょう。慣れるまではタイミングの取り方が分からないかもしれませんが、慣れればかなり有効な武器になります。

Gいつも同じ位置に立っている
・私はサービスのリターンをする場合に、サーバーの球質によってリターンするために立つ位置をかえることが常識だと思っていますが、いつも同じポジションに立っている人がいるのに驚きます。強烈なフラットが相手の持ち玉の場合には2〜3歩下がり、スプリットステップでステップインして受けますし、右利きでスライスが得意なら一歩右側に寄って構えます。その他いろいろな球種の人がいますが、その球種にあわせて立つ位置は変えていますし、相手がサービスを打つためにトスした時からの自分の動きも変えています。
いつも同じ位置でサービスリターンしている人がいるなら、自分のリターンミスの原因追及や再発防止にもっと取り組んだほうがいいのかもしれません。

Hタメがない
・ラケットを後方にセットした後の一瞬のタメがないと、効率的な強打はできません。強い球が打てても、手や腕に負担がかかり、障害を起こしたりします。
タメはいつも意識していないとだんだん無くなっていきます。

Iバックスイングしている
・一番特徴的なのが、ストロークをしていて球を打った後、ラケットを前方に戻した時に両手でラケットを支えない人がいることです。
利き手一本でラケットを持っているということは、次に球を打つ準備に入るときにラケットを後ろにスイングするように持って行かないと動かせなくなります。その様にラケットを動かすと、言い換えればラケットを後ろにスイングすることになり、ラケットが後ろに動き続けようとする慣性力をラケットに与えることになります。
その様な場合に前にラケットを振るためには、後ろに動こうとする慣性力をもったラケットを手の力で静止させてから前に加速しなければならなくなります。
これでは、速い球に振り後れます。そんな症状がある人はユニットターンを取り入れてみてください。ラケットの準備がかなり楽になります。

Jラケットを振っている
・一見すると、プロテニスプレーヤーもラケットを振っているように見えます。しかし、実際には普通の人が「振る」という感覚とは全く違う事をしています。
例えば、一般的な人の「振る」という動作は、布団たたきの動作です。しかし、テニスの「振る」という動作は、長くて重いムチを振るような、サーブならバスケットボールのスローイングのような、全身を使った流れるような力の伝達を利用して体幹から腕ををムチのようにしならせて、ラケットのヘッドスピードを上げることでラケットに運動エネルギーを蓄え、ボールが自分の方に突進してくる運動エネルギーを吸収することによって球をラケットのストリング面で捕らえて自分の物にしてから自分の打ちたい方向に運んでいく動作だと思っています。
言い換えると、ラケットを振っているということは、球を弾き返していると同じような感じだと思っています。球は弾くのではなく、捕らえてから運ぶものだと思っています。

K道具が合っていない
・世間一般でテニスをしている人を観察すると、自分の実力では使いこなせない道具を使用している人は50%を下らないとおもっています。
道具とはラケットとストリングとテンションです。
ラケットとストリングとテンションは、自分が通常のスイングをした時に若干飛びすぎる位の物を抑えながら使用するのが良いというのを聞いたことがありますが、その考え方は正しいと思います。
一生懸命スイングしないと球威のある良い球が打てない場合には、一生懸命打とうとして体に力みが出てフォームが悪くなっていきます。
ラケットで球を打ったときの飛びに余裕がある場合には、スイングにも余裕が生まれて、スイングに無理が少なくなってきてフォームを改善する機会が多く発生すると思っています。しかし大きく飛びすぎる場合にはフォームが小さく縮んでしまうので飛びすぎも弊害があります。
女性で人並みの体力しか無いのにストリングを縦横共、ポリを使用している一般社会人や主婦の人のほとんどはフォームに問題があるのを飛びにくいポリを張ることでミスショットもコートに収まるようにしている場合が多いと感じています。これは技術的向上の弊害になるので、ナイロンに戻してテニスの基礎技術の習得をする方向に進まれることをおすすめします。

Lフットワークが重い
・時々見かけませんか?地面に根っこが生えたようにズッシリと立っている人。
特徴としては、カカトに重心が集中し、若干膝が曲がって猫背気味で、スプリットステップなど絶対しないで一歩目が極端に遅い人。
または、走る時にいつもバタバタ音がする人。
軽いフットワークの人は、地面に足が着いているかどうか分からないと感じさせると思います。また、スプリットステップはもちろんやっており、素早く動くために自分の重心に対してどのように力を加えたら早く移動できるか工夫しています。
足さばきもスムーズで、極端な話ですが、コートサーフェイスに濡れた和紙が敷いてあっても破らずに移動できるのではないかと思わせるせるような動きをしています。

Mサービス練習していない
・サービスは自分一人でコートを借りて、サービスだけの練習環境を作らないと上達しません。スローモーションのビデオで自分のフォームをチェックしながらやるのもおすすめです。

Nサービスで、スイングをトスに合わせない。スイング軌道の打点にトスを上げる。
・サービスを打つときに、球のトスした位置にラケットを合わせようとすると、スイングが止まってヘッドスピードが落ち、スピードのある球や、強烈な回転のかかった球は打てません。トス優先ではなく、スイング優先です。
サービス練習でトスが自分のラケットの軌道に来なかったときには空振りしても良いのでスイング軌道を守ってください。次にはトスとラケット軌道の誤差をトスを上げる位置を修正することで打てるようにしてください。
試合中の空振りはフォルトですのでしちゃだめ。

O素振り練習、壁打ちをしていない。
・本来は、自分のフォームを維持向上させるためには、丁寧な球出しをしてもらって球を打つ訓練を定期的にする必要がありますが、そのような環境はなかなか作りにくい場合には壁打ちが有効です。
壁打ちをしながら素振りをすることで、スイングを安定させ、スイング力を上げる事ができると思っているため重要と考えます。なぜ、壁打ちと素振りを組合わせるかと言うと、間違ったフォームの素振りをすることを防止するためです。どんな振り方でも素振りさえすればうまくなるわけではないと思いますので。

P基礎体力トレーニングをしていない(有酸素運動、ウエイトトレーニング、ストレッチ等)
・上達したかったら基礎体力トレーニングは必須です。
テニスは体全体の持っている能力が高ければ高いほど、高いテニスレベルに到達できる可能性が上がってきます。
しかし、筋肉のかたまりのマッチョマンやフルマラソンランナーのような有酸素運動能力の極限の体は必要ありません。重要なのはバランスのとれた平均点が高い基礎体力です。

Q疲労が蓄積しないような工夫をしていない
・ウオームアップ、クールダウンはもちろん、アクティブレスト、ストレッチ、交代浴、睡眠時間の確保などは重要です。
暴飲暴食をしないのはもちろん、喫煙なんて論外ですね。
体調不良や脂肪率の増加はテニスにとって大きな障害になります。

試合の時の注意
@テニスボールに集中する
・試合中、緊張してぎこちない動きしか出来なかった経験は誰でもあるでしょう。そんなときの一番有効な対応策は、とにかく「テニスボールに集中」することです。
自分が直接対応する試合の相手は、対戦相手(人間)ではありません。自分のコートに入って来るテニスボールが相手なのです。(テニスでは対戦相手の人間と直接コンタクトすることは無いので、人間に集中しすぎる必要はありません。)
テニスボールに集中するということは、対戦相手のラケットに当った時からボールに集中し、自分のラケットにボールが当たるまでボールに穴が空くほど集中して見ると言う事です。手元まで飛んできたボールがスピン回転していない場合には、その毛の一本一本まで見える位に集中して見ることが重要です。

A相手の玉が読める前に自分の打ち方を決めない
相手が球を打つ前に、次に自分がどのような球をどこに打とうか決めてしまっていると、自分の持っているイメージが来た球種と相違する場合に対応できなくなります。
B力んだら足を動かす
試合中に緊張すると体が重く感じ、思うように動かなくなる時があります。
そんなときには、とにかく足をこまめに動かすことです。足を動かすことによって体全体の力みが抜けてきやすくなります。
サービスの前にピョンピョン跳んで全身を軽くゆすり、全身の力みを抜く動作をやっているプロ選手も見かけます。

Cダンブルスで無意味なポーチに出ない
一般の人に多いのですが、ラケットの届きそうなところに球が来たら必ずポーチに出たがる人がいます。
ギリギリ届いたラケットに球が当っても攻撃的なボールになりにくので次の相手の一撃でポイントを取られるという、自殺的な結果を招きやすい。
前衛が打って自分たちが有利になる形が望めそうな球の場合には前衛が打ち、そうでなければ後衛に任せるというのが基本です。

Dダブルスの場合、戦略を練るのは良いがペアの人の技術的な側面を修正しようとしてはいけない

E結果を先に求めない

F勝利を意識しない

G決めようと思わない

H決まったと思わない

Iどんな相手でも格下だと思わない