金毘羅宮 |
観音寺 |
琴引神社 |
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紫雲出山で毒気を抜かれてしまった私は何故か金毘羅さんにお参りする気になった。
歌にもなっている位有名な金毘羅さんに、一度はお参りしとくのも悪くないなと、ごくごくかるーい気持ちで参道に入った。両側にはお土産物屋さんが軒を連ねている。帰りに食べようと讃岐うどんの店の品定めをしながらテクテクと歩いた。やがて石段を登りはじめると、後ろから団体客が迫ってきた。私は一応撮影もしようかなーと、三脚やカメラの大荷物を持っており、あんまり早く登れない。あっというまに追いつかれてしまった。道を譲る私の横を通り過ぎるガイドさんの説明の声が耳に入る。「石段の数は数えなくてもいいですよ 本宮までは間違いなく785段とちゃーんとわかってるんだから〜」 「・・・えっ?」 そう。金毘羅さんが何故有名かというと、そのすざましい階段の数で有名だったのだ。常識知らずの私は知らなかった。785段ってどの位?想像もつかない。でも今更諦めるのも悔しい。荷物だけ車に置きに戻るにしては、順調に上りすぎており、今更戻る気にはならない。 結局私はそのままヒーヒー言いながら上り続けた。折角重い思いをして持ってきたのだからと、これでもかという位写真も撮った。 やっと本宮に到着した時、今度は別のガイドさんの説明が聞こえた。 「ここから霊験あらたかな奥社まではさらに583段あります。」 身のほど知らずとは私のことをいうのだろう。あれほどゼーゼー言いながら着いたのに、あろうことか私は迷っていた。「奥社まで行くべきだろうか」と。団体さんの中でも同じ様な葛藤をしている人が何人かいるようだった。 その時天の救いの声が聞こえた。 「ただ奥社までの583段は語呂合わせで、<ご破算>となるので、行かなくてもいいでしょう」 ガイドさんも行きたくなかったようだ。私も(たぶん団体客も)それを聞いてホッとした。 その後、次々と上がってくるガイドさんの説明を聞き、妙に詳しくなった私は、最後にヘソクリが貯まるという灯篭をこれでもかという位撫でまわした後、すがすがしい気分で帰った。 |