『女の子』 (2002.04.22) 2000年の9〜11月頃、私は入院していた。 入院中はとても退屈な時間が流れる。 私の場合、身体は普通に動かせる状態なので時間をつぶすのに苦労したものである。 そんなわけで、ヒマさえあれば喫煙室に通っていた。 その日も夜中まで寝つけない日であった。 まあ、ほとんど毎日夜更かししていたわけで この日もいつも通りの夜であった。 深夜1時を回った頃だったと思う。 いつものように寝つけないので、いつものように缶コーヒーを買って いつもの喫煙室に向かった。 喫煙室は外来のフロアーにあり 当然人っ子一人いない。 ひんやりとした空気が待合室に張り詰めていた。 喫煙室は3人くらいしか入れない狭い個室になっていて あまりのんびりする環境でもない。 この日も缶コーヒーを飲みつつ、タバコを2本ほど吸って部屋を出た。 その後、新鮮な空気を吸う為、窓を開けて夜気を吸い込んだ。 これもいつもの事である。 頭がす〜っとスッキリしていった。 窓から病院の中庭が見える。 向かいの窓は小児科の待合室の窓。 その夜は、何故かその窓に惹かれた。 別に何の変哲もない窓なのに・・・ じっと見ると何かが立っていた。 こんな時間に真っ暗な中に女の子が立ってこっちを見ていた。 見間違いだといいんだけど・・・見間違いだろうな。