平成18年3月8日(水曜日)

○議長(高橋秀勝) 次に、33番、橋本健二議員。
(33番 橋本健二 登壇)

○33番(橋本健二) 私は日本共産党を代表して一般質問を行います。どうぞよろしくお願
いをいたします。
質問に入る前に見ていただきたいと思いますが、これは教育委員会の事務室の前に張られて
いるポスターであります。子供たちの子供たちによる子供たちのための宣言であります。この
中には、いわゆる子供憲章の事柄が書かれているわけでありますが、この中にここには「命を
大切にする」、こちらには「友だちを大切にする」、こう書かれております。学校側はこうし
た子供たちの願い、これを実現する場となっているのでしょうか。私は大きな疑問を持ってお
ります。同時に、そうした子供たちの願いにこたえられる学校をつくらなければならないと心
から思います。
さて、一般質問でありますが、御存じのように、平成15年10月18日であります。市内の第一
中学校の柔道部の活動で大けがをするという事故から3年目となりました。事故に遭われた女
子生徒は意識不明のまま今も自宅で昏睡状態のままであります。来週は中学校を卒業する、こ
ういうことになるわけであります。
そもそも、学校というところは生徒たちにとって安全な場所でなければなりません。授業中
はもちろん、休み時間であっても課外活動でも、それこそ部活動中であってもそうでなければ
ならないものだと思います。この生徒たちにとって安全でなければならない学校の中で事故が
起きてしまったわけであります。こうした事故を再び起こしてはならない、このように考える
ものであります。大きい事故であっても小さい事故であっても、再発防止のために最善の努力
を図らなければならないと考えております。
そのためには、今回の事故、どうしてあのような事故が発生したのか、これまでの経過をた
どりながら、現状と再発防止に向けた、教育委員会と学校に対して再発防止を含めた対策をお
伺いしたいというふうに考えております。
今回の事故は明らかに自傷事故ではありません。自分で招いた事故ではないということであ
ります。生徒間の事故か、故意的事故か、このどちらかであるわけであります。また、学校の
施設に重大な瑕疵があっての事故でもなさそうです。
しかし、私は今回の場合、施設の問題が皆無であったかどうか、疑問を持っております。
生徒間の事故、さらには故意的事故であれば加害者がいるということになります。その多く
は、生徒に故意が認められない場合がこれに当たるわけでありますけれども、故意的な事故は
故意的な意思のあったことが認められる場合のことを指しております。生徒間におけるけん
か、リンチ、しごき、集団暴行などであります。今回の事故は本人みずから招いた事故、自傷
事故ではないことは明らかであります。教育委員会は今回の事故を生徒間の事故としてとらえ
られて対応されているのか、それとも、故意的な事故、リンチ、けんか、しごきとしてとらえ
て対応してきたのか、まずお伺いをしたいと思います。
次に、今回の重大な事故の発生する前、同じ年の6月と9月に似たような事故が起きたと聞
いております。そのときは学校はどのように把握し、対応されてきたのか。
また、部活の施設に対する苦情や要望が保護者から寄せられていたようでありますけれど
も、それらに対する対応が十分されてきたのでしょうか。例えば、柔道部の活動が踊り場や廊
下で行われていたこと、柔道部室の畳が古くて、畳と畳の間には大きなすき間がありました。
畳がずれてバランスを崩したり、畳と畳の間に髪の毛が挟まって抜け落ちる。こういうことが
あって、子供たちは安全ネットをかぶりながら練習をしていたそうであります。しかも、再三
にわたって、「こうした状況を一日も早く改善をしてほしい」、こういうふうに保護者から要
望が出されてきたわけでありますけれども、改善がされてこなかったわけであります。
もし、こうした状況があれば、施設はもちろん用具に対する配慮、特に柔道部という格闘技
に値するような部活でありますから、常に生徒らへの注意喚起、これを行うことは当然であり
ます。活動中には必ず顧問や指導者、監督者が配置されてしかるべきだと思いますが、今回の
事故の際にはどのように部活動が行われていたのでしょうか。
さらには、今度の事故のときの部活動、夏休みが終了したころから高校受験のために3年生
から2年生に活動の主体が移る、練習がそういう方向に変わるという状況にあった時期であり
ます。こうした時期は、それまでにも増して注意を払わなければならないときではないかと思
うわけであります。特に、1年生に対しては基礎練習の習熟が強く求められてしかるべきであ
ります。顧問や指導者は必ず練習において細心の注意と監督などの付き添いを必ずつけて行う
ことが必要だったと思うわけであります。しかし、事故当日の練習状況を振り返ってみると、
そうした配慮、注意がなされていたとは思えません。学校の責任が問われることは避けられな
いのではないかと思うわけであります。
たまたまその時期の一中の柔道部には、事故の前にも、そして事故の年、連続して体格のい
い部員が入部されております。2年生の中には新入部員よりももちろん体格のよい生徒もおら
れました。そのためにも練習場所が狭い、こういう状況が生まれてきたわけであります。子供
たちに伺いますと、柔道部の部室の畳を子供たちが足で押さえてガードする、こういう中で練
習がされてきた。体の大きい子が入れば当然押さえ切れない、こういうことはもう明らかであ
るわけであります。こうした体格のいい子供たちが入部された場合の配慮、対応はどのように
やられてきたのか、お伺いをしたいというふうに思います。私はそうした体格のいい子供たち
がいる場合、さらには体格の差によっていろいろなさまざまな人間関係が生まれます。そうし
たところを十分に把握して、子供たちに、生徒たちに実力に不相応なことを強いる、こういう
ことのないような注意を行い、指導に当たることが求められていたのではないかと思うわけで
あります。教育委員会や学校は十分な配慮が必要だったのではないかと思いますが、お考えを
お聞かせいただきたいと思います。
三つ目には、事故当日の子供たちの人権に対する配慮と、それに基づいた学校の対応につい
て伺いたいと思います。つまり、現場や事故発生時の学校と教育委員会の対応について伺うわ
けであります。
通常、一般の社会では、人が倒れて泡を吹いている、意識もない、瞳孔が開いている、こう
いう状況を目にしたらば何をすればいいのか。いち早く救急車を呼ぶということが常識的に考
えなければならない、考えられる一番の対応の初歩ではないかと思うわけであります。しか
し、救急車を必要としているような生徒を目の前にしていながら、すぐには救急車が呼ばれて
はおりません。事故発生時の学校がとるべき対応が適切だったのかどうか、大きな疑問が残り
ます。救急救命の対応は時間の問題で一刻を争います。そのことを先生みずからが子供たちに
教える。これが学校の役目ではないかと思うわけであります。私はそうしなければならないこ
とはしっかりと子供たちに教えてほしいし、知っていただきたいと心から思います。救急車を
呼べない。そういう体質が、そうした理由が学校にあるんでしょうか。それとも、救急車を呼
ぶか呼ばないかは校長の権限でもあるような、そういう学校が全国にあるようでありますけれ
ども、須賀川でも同じような体制が今もあるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
今度の事故は子供たちの前でさまざまな対応がされています。私は先ほど紹介いたしました
ポスター、生命尊重、人権尊重という教育の立場から見ますと、生徒への大きな影響が懸念を
されて仕方がありません。こうした緊急の事態が発生した場合に、学校と先生はどのように行
動しなければならないのか。子供たちや保護者に対してどうすべきなのか。学校に行動マニュ
アルはできているのか。これらのことについての当局のお考えをお伺いしたいと思います。
この事故に関しては、昨年の秋、元顧問の先生お二人が業務上過失傷害の疑いで書類送検を
されております。刑事告発を受けているわけであります。この事態は大変異常な事態だと思い
ます。
しかし、被害に遭われている親は、「学校と教育委員会の対応に誠意が感じられない。真相
の究明がされていない。再発防止に努めているとは到底思えない」、こういうことで、大きな
学校不信を持っておられます。こうしたことになったことについて、教育委員会として真相究
明を行っているんでしょうか。このことに今真剣になって取り組まないとするならば、学校の
怠慢、教育委員会の怠慢ととられてしまうことは明らかだと思いますが、この点についてのお
考えもお伺いしたいというように思います。
次に、事故後の教育委員会と学校の再発防止策と学校の安全対策についてお伺いしたいと思
います。
今回の事故に対しては、学校から教育委員会に対して事故報告書が2通出されております。
一つは、10月22日に提出されたものであります。二つ目には、翌年の3月12日に再提出がされ
たものであります。
まず、最初の10月の報告書には、驚く内容なんです。この報告書は先ほど言いましたように
22日に出されているんです。ところが、報告書には24日のことが克明に書かれているんです。
信じられないものであります。公の文書としては本当に信じられないものであります。しか
も、この文書、報告書は学校長の名前で出されております。しかし、読んでみますと、書いた
者が教頭先生とはっきりとわかる、そういう内容であります。24日のことが書いてあることに
ついては、22日に提出した後、文書の誤りがあって書き加えられたそうです。しかし、だれが
いつどのようにして書き加えたのか、差しかえられたのか、定かではありません。そうした形
で今、公の文書として保存されているわけであります。
中身もひどいんです。救急車を要請した時刻、到着時刻が違っていたんです。だから二つの
報告書になるんです。
私は大事な問題は、この報告書の中に書かれている被害に遭われた保護者から情報公開の請
求によって明らかになるまで、肝心な事柄が翌年の3月12日までだれもわからなかったんで
す。
さらには、この報告書の中には重大なことが書かれています。それは、事故に遭われた保護
者の話が記載をされているんです。書かれているんです。当の保護者の口からは一言も言われ
たことのない言葉が記載されているんです。しかも、それはまた聞きという形で書かれており
ました。同じ柔道部員の保護者が被害に遭われた生徒の保護者のいないところで発言したもの
を、学校は検証なしに書いているわけであります。当の保護者から開示請求がされて、この事
実が明らかになったわけであります。もちろん、保護者は文書の訂正を求めております。しか
し、いまだにこの部分は訂正されておりません。どうしてこのような記載された側の意見が反
映しない、反映されていない一方的な書き方が報告書として許されるんでしょうか。指摘され
た事柄について、その後検証されているのでしょうか、お答えいただきたいというように思い
ます。
報告書の問題では最後にしますが、教育委員会の指示がなければ報告書というのは学校が勝
手に作成することができない、こういうふうに言われております。真実を確認したいというふ
うに思うわけであります。現場の人たちが責任を持って報告書を書けない。こんな理由がある
んでしょうか。どのようにして報告書が作成されているのか、お答えをいただきたいというよ
うに思います。
最後に、部活動のあり方の問題について伺いますが、柔道部のような部活動の指導に当たっ
ては、十分で、しかも自信のある指導者がいない場合には、私は今こうした事故を再発させな
いためにも、外部にその指導者を求める、そういう必要性もあるかと思います。さらには、ど
うしても指導者が見つからない場合、それはそうした部活動をやめていただく、こういう決断
も必要ではないかと思うわけでありますが、当局のお考えをお聞きしたいというふうに思いま
す。
以上で1回目の質問を終わります。

○議長(高橋秀勝) ただいまの33番、橋本健二議員の質問に対し、当局の答弁を求めます。
(教育長 坂野順一 登壇)

○教育長(坂野順一) ただいまの御質問にお答えいたします。
まず初めに、学校は本来子供たちのすこやかな成長と自己実現を目指し、学習活動を行うと
ころであり、その基盤として安全で安心な環境が確保されている必要があります。その中で、
去る平成15年10月18日に起きた第一中学校柔道部の事故に関しましては、学校管理下の事故で
あることを重く受けとめ、この事故により現在もなお意識不明の状態が続いている女子生徒並
びに御家族の方々に改めておわびを申し上げますとともに、一日も早い回復をお祈りしており
ます。
今回の答弁に当たりましては、基本的には事故報告書等の資料に基づきお答え申し上げます
ので、聞きづらいこともあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
まず、第1点目のこの事故についての当局のとらえ方でありますが、今回の事故につきまし
ては、報告書のとおり柔道部の練習中に起きた事故ととらえております。
次に、平成15年6月、9月の事故に対する学校の対応についてでありますが、6月の件につ
きましては、5月20日の男子部員の練習中のけがについてのおただしと思われますが、その後
の対応といたしましては、再発防止のために顧問から部員全員に対して、打ち込みをしっかり
行って相手を無理に巻き込んで投げないよう注意を喚起した、練習に集中して取り組むよう指
導したとの記録がございます。また、校長より5月23日の職員会議や翌週の企画委員会定例打
ち合わせ会の機会を通じて、部活動中の事故防止対策について、口頭でありますが指導したと
の記録もございます。
9月12日のけがについては、女子部員が頭部を打撲し、12日間の入院を経て退院したけがで
あります。その後の対応といたしましては、再発防止のために顧問から部員全員に対して、練
習中はけがに十分注意をすること、相手を投げる際は引き手を持って放さずに投げること、一
つ一つの技を相手にかけて投げるときは集中して行うこと、経験者同士での乱取りを行うこ
と、体重差を考えて練習することなどを指導したとの記録がございます。また、校長より9月
19日の職員会議や翌週の企画委員会定例打ち合わせの機会を通じて、部活動中の事故防止対策
について指導したとの記録もあります。具体的には、部活動で限られた時間の中で効率よく技
術を伸ばす指導をしてほしい、けがの防止について指導を徹底してほしい、部活動中は各顧問
が必ずついて指導すること、大きい事故だけでなく多少のけがについても報告を必ず行うこ
と、頭や顔のけがは病院で受診することなどであります。また、当該女子部員が練習再開に際
しては、担任、顧問教諭、養護教諭が保護者とも十分な話し合いを持ち、その後に開始したと
の報告が校長にされていたようであります。
次に、施設面の学校、教育委員会の配慮でありますが、ソフト畳の導入や畳の間のすき間に
ついての問題につきましては、学校や教育委員会には正式な申し入れはありませんでしたが、
学校管理者としては施設の危険箇所の実態把握に努めるべきだったと思いますし、今後も努め
るべきであると考えております。教育委員会といたしましては、16年度から計画的にソフト畳
の導入を進め、18年度に完了する予定であります。今後の改善策としては、通常の練習場所に
部活動を行うのに適さない場所を使用している場合には、適切な練習場所の確保について検討
させたいと考えております。
それから、体格の大きな生徒に対する配慮でありますが、練習において乱取りを行う際は、
人数を減らしスペースを確保するとともに、壁に当たらないように1組に1人ガードをつけ、
危険を回避するよう努めていたとの報告を受けております。事故後すぐに改善したことであり
ますが、畳に赤テープを張ることによって窓際までの距離を明示し、安全について配慮した。
マットを使用して投げ込みのときの衝撃を和らげるようにした。会議等で顧問が立ち会えない
場合は部活動を中止した。腰板の設置が平成16年3月25日、ソフト畳の設置が平成16年6月30
日に完了してございます。
それから、3年生から1、2年生中心へ移行期の配慮でありますが、3年生から1、2年生
中心への練習体制への切りかえの時期には、部員の体格差はもちろんでありますが、運動能力
や柔道の経験の違いに配慮しながら練習内容や練習の進め方、また、安全面において注意しな
ければいけない基本的な事項について指導してきたとの報告を受けております。
次に、子供たちの人権と学校の対応でありますが、事故報告書には事故当日に対応した教員
の動きが詳しく記載されていないため、事故当日に対応した教職員の報告などにより答弁させ
ていただきます。
職員トイレから職員室に戻る途中の廊下で、剣道部顧問が柔道部員から生徒が倒れたという
連絡を受け、当時職員室にいたソフトボール部副顧問、卓球部副顧問、柔道部副顧問の3名に
伝えた後、4名が柔道場に向かい、柔道場で倒れていた生徒の様子を確認した。卓球部副顧問
が呼びかけたり介抱したりしている間に、職員室に戻った柔道部副顧問が保護者へ電話連絡
し、剣道部副顧問が119番通報、その後校長、教頭、養護教諭へ電話連絡をした。ソフトボール
部副顧問が体を冷やさないように保健室から毛布を運び、剣道部顧問の判断で頭を打ったこと
が予測されたので無理に動かさなかった。保護者が到着するまで卓球部副顧問が女子部員から
一時も離れることなく、手をさすりながら生徒を励まし続けた。柔道部副顧問が玄関付近で保
護者の到着を待ち、到着後柔道場へ案内した。剣道部副顧問が救急車の到着に備えて救急隊員
を待ち構え、到着後柔道場に誘導したとの報告を受けております。緊急事態の中で、4名の教
員が協力し、役割分担を果たしながらできる限りの対応を行ったととらえております。
救急車の要請関係についてでありますが、確かにマニュアル上は原則として校長の判断を必
要としている学校もありますが、救急車の要請はマニュアル以前の問題であり、生徒の生命尊
重は子供の命を預かる教師の基本的な行動であると考えております。今後も万が一事故発生時
には生徒の生命尊重を最優先に考えて、臨機応変に行動できるよう指導してまいりたいと考え
ております。
なお、マニュアルにつきましては、学校の実態に応じて実行性のあるものに絶えず見直しし
ながら、安全管理の取り組みについて万全を期すよう今後も指導してまいる考えであります。
それから、親に対する不満に対する対応でありますが、御両親が学校に対して今もなお不信
感を抱いていることはまことに残念なことであるととらえております。事故の公表が遅れたこ
とによるさまざまな食い違いから、保護者や地域の皆様が疑惑を持たれたこと自体に改善して
いくべき点が多く、保護者に対する初期対応の仕方に適切さを欠く部分があったと判断してお
ります。
教育委員会といたしましては、これまで事故再発防止の取り組みのほか、御両親の経済的精
神的負担を軽減するため、災害共済給付金の支給を特別に早めてもらい、転院に際しても可能
な限り保護者の希望がかなうように支援してきた。学校としても安全な部活動の進め方や指導
の仕方について共通理解を図ったほか、女子部員を励ますために生徒たちを見舞いに連れてい
ったり、友達の声をテープに録音し病室で聞いてもらえるように配慮した。これまで病室内で
始業式、終業式を行い、担任や養護教諭が音楽の授業や本の読み聞かせを定期的に行ってきた
との報告を受けております。今後も誠意を持って対応に努めてまいりたいと考えております。
それから、報告書関係についてでありますが、第1回目の事故報告書は平成15年10月22日に
提出されましたが、正確性を期するために誤字脱字や表現方法などの記載事項の訂正があるた
びに学校に戻した。その後提出されたのは11月4日であった。時間的に12日間ほど経過してい
るが、最新の報告書とするためにその間の出来事も記載された。このため、10月22日付の報告
書に10月24日の出来事が記載された結果となった。
その後、両親からの報告書の開示請求や教育福祉常任委員会の中で時刻等の記載の誤りの指
摘を受けたため、教育委員会の指示で再調査をし、平成16年3月12日に再提出されたものと報
告を受けております。
この報告書の一部に、出席していない女子部員の保護者の言葉が記載された件につきまして
は、柔道部保護者会において参加した保護者の1人から発言された内容を記載したとの報告を
受けております。
報告書の作成の主体は学校であります。報告書は時刻、時間、内容等について具体的かつ客
観的に事実をできるだけ正確に記載しなければならないものであります。教育委員会の許可が
なければ報告書がつくれないということはございません。
それと、部活動のあり方についてでありますが、今後の部活動のあり方につきましては、生
徒や保護者の希望も取り入れることを考えますと、専門的な知識や技量を兼ね備えた教員がい
ない場合の部活動については、教育的な指導力のある外部指導者の活用を積極的に図ることも
一つの方策であると考えております。
以上であります。

○議長(高橋秀勝) 暫時休憩いたします。

午前11時34分 休憩
午後 0時58分 再開

○議長(高橋秀勝) 休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。

○33番(橋本健二) お答えいただいた問題について質問を続けていきたいというふうに思
います。
まず、今回の事故でありますけれども、「柔道部の練習中の事故だ。こういうふうに認識を
されている」、こういうお答えでありました。確かに柔道部の部室で起きた事故であります。
部活動の事故には間違いないわけですが、その原因がいまだに明らかにされていないわけで
す。つまり、先ほどの教育長の答弁の中ですと、事故報告書に基づいては、投げ技の練習、さ
らには乱取り、こういう話がありました。そこまではっきりしているのであれば、先ほど言い
ましたように自傷事故でありませんからもっと具体的に事実が究明されてしかるべきだと私は
思うんです。この事実が明らかにされない、いまだにその保護者の方々がこの子供を前にして
毎日そのことを考えているわけです。この事実を明らかにする、何よりも早くこれをやってい
ただくということが大事な問題だろうと思うんです。練習中の事態ということであれば、どん
な練習でどういう形で彼女が頭を強打する、そういうことになったのか。しかもそうであれ
ば、その原因究明ができれば頭を打たない方法もこれからの対策として考えられるわけです。
そのことを明らかにしなければ今後の対策もできない。こういうことになるわけですので、そ
ういう点ではきっちりとした調査、再発防止、このことが求められる、こういうふうに思うわ
けであります。
答弁にもあったわけですけれども、前の事故に対応して練習の際は必ず顧問がつく。顧問が
つけられないときは練習を中止する。こういうふうにも言われていたわけです。だとすれば、
本来ならば練習をさせてはいけない、してはいけない、こういう状況になっていたのではない
かと思うんです。いわゆる前の事故から考えれば、そういう対応をするということは当然であ
ろうし、そのときもそうしなければならなかったと思うんです。それがなぜできなかったの
か、明らかにしてほしいというふうに思います。まさにその練習をしてはいけない、させては
いけない状況であったのに練習を続けさせた。それを黙認した。そして事故が発生するわけで
す。全く対応が不十分だった。
ですから、このことをきちっと明らかにできないから、私はその後の事故調査も対応も不十
分な状況があると。謝罪しても謝罪されても、いわゆる原因が何なのかを聞かれても答えよう
がない、こういう状況では謝罪にも当たらない。十分な謝罪もできない。理解も得られない。
こういうことを繰り返す。そういう状況に置かれているのではないかと思うんです。
「練習中の事故だ」と教育委員会はそういうふうにおっしゃいますけれども、その後のさま
ざまな多くの人たちの声を聞きますと、「そうではなかった」、そういう声の方が大きく広が
ってきているのではないですか。例えば、あの柔道部の中で、また第一中学校だけでもいいで
す。その中にいじめということが存在していたのではないのですか。このいじめの問題につい
て調査したことはあるんでしょうか。その辺は大事な問題ですので、しっかりとお答えいただ
きたいというように思います。
6月、先ほど5月何日かということで私は6月の事故だというふうに言ったわけですけれど
も、そのときは男子でした。9月が先ほど紹介した女子生徒であります。これらについても先
ほど顧問の先生から学校には報告がなかったみたいな話になっているわけですけれども、いろ
いろ報告書なんかを読みますと、それからその後のやりとりなんかを聞きますと、学校長はそ
の職員会議の中でこの問題について指導された。具体的にですね。そういうふうになっている
わけですが、内容がよくわからないんです。例えば、職員会議の中でどういうような問題が起
きて、どういうふうにすれば事故を防ぐことができる、そういう指導がやられたのかどうなの
か。職員会議でないとすれば、職員会議以外の場所でどういう形で行われたのか。職員会議で
あれば記録が残っているはずですので、具体的にどういう対応、どういう会議の中でどういう
方々を前にしてやったのか、はっきりとお答えいただきたいというように思います。
この先ほども紹介しましたけれども、体格のいい子供が入った場合の練習メニュー、そうい
うものを作成して練習が進められてきた。こういうふうにも答えられているわけですけれど
も、あの事故の前後よく考えてみますと、大会が目の前にあります。そういう点では重要な、
部にとっては重要な時期になっているわけですね。しかし、その重要な時期、先ほど紹介しま
したように体制が2年生主体のそのチームづくりになっていく、そういうときに顧問の先生が
いらっしゃらない。別な部屋にいて別な仕事をしていた。これが先ほど教育長が述べられた事
故報告書の中には、いなかったことははっきりしているわけですから、これはもう十分に教育
委員会として、学校として配慮された姿と信じることはできないわけです。
しかも、この第一中学校は市内の校長会が開かれる、そういう会議のたびに、子供たちに柔
道部の部員を廊下に出させて会議を開いて、そして会議が終わればまた柔道部の子供たちに畳
の運び込みをさせる。廊下で練習させられたり、踊り場で練習させられたりしながら、そして
校長会があるというときにはそういうことまでさせる。これが本当に配慮した部活動での実
態、私は言えないのではないかなというふうに思うんです。そうしたことが事故が頻発に起き
て、私どもが議員団として中学校に調査に入って現場を見せてもらって指摘されるまで改めら
れない。そういうことがあったわけであります。
私はもう一度言いますけれども、今回の事故は子供たちの見ている前で進行していくわけで
す。これ重大な問題だろうというふうに思うんです。まさに教育というこの尊い行いが子供た
ちの前で正確にされていくのか、正しく進められるかどうかという問題が、私はこの問題の陰
にあるということを絶対に忘れてはならないと思うんです。そういうときにどういう処置をす
るのか、どういう対応をとるのか。これは生きた教育です。まさにそしてそれが生につなが
る、生きるということにつながる大きな主語であると思うんですよ。
そのことを先ほど4人の先生があの事故の発生したときにいた。4人の先生がいてもだれ一
人救急車を呼ぶ、こういうふうにならなかった。これは異常としか私は言いようがないんで
す。これを聞いた人たちはそれを異常だとは思わない人はいないと思うんですよ。
しかも、あそこで起きた事態を知っている子供たちがたくさんいるわけです。そのときに真
実を明らかにしないということになれば、教育は何のためにあるのかということまで否定する
ような問題、教育者がみずから教育の場でやられるべきことを否定する。そういうことにもつ
ながってしまうような気がしてならないんです。
ですから、原因の究明というのは非常に大事な問題だろうと思うんです。子供たちから見て
も、保護者から見ても、市民の目から見ても、今教育委員会と学校が本当に真実の究明とそれ
に対する対応ということを見ているわけです。そういう点でのきちんとした考え方をお聞かせ
いただく。このことがきょうは大事な問題だと思いますので、改めてその辺についての考え方
をお聞かせいただきたいというように思います。
それから、事故報告書の作成の問題もあります。子供たちの意見も聞いて、保護者の意見も
聞いて、そして事故報告書がつくられているものだと私は思っていました。しかし、そうでは
なかった。子供たちの事情聴取の中では先生による恫喝やおどしまであった。真実を述べよう
とする子供たちがいて、それをおどしや恫喝でもって抑える。これまた教育の現場では絶対に
あってはならない、そういう行為だと思うんです。そういうことをすれば、事実の解明はおろ
か、これからの対策もできない。何度も言いますけれども、そういうところにつながっていっ
てしまうわけであります。
さらには、救急車をすぐに呼べない、そういう問題があります。先ほどは全国の中での紹介
がありましたけれども、本当にひどい状況があるんです。校長先生がいないために、養護教諭
が校長先生が帰ってくるまで救急車を呼ばないで養護教諭の目の前でずっと校長が帰るのを待
っていて亡くなられた事例もあります。救急車を呼べないということで、先生が自転車で病院
に運ぶ。その途中で亡くなるということもありました。さらには、動かしてはならないのに、
自分の車に乗せて病院に運ぶ。こういうことで取り返しのつかないことになっている。こうい
う事例をいっぱい聞くわけです。それは学校に救急車が呼べない大きな障害があるからだろう
というように思うんです。その誤りはぜひ一刻も早く正していただきたいというように思いま
す。
日本教育学会というところがありまして、学校事故問題研究特別委員会というのを開いて、
おととし4月に提言をされております。学校で災害が発生したときの救護体制、通報、報告義
務、これらの提言であります。
学校は学校災害の発生に備えて学校救急体制を確立するとともに、すべての教職員が応急手
当てなどの対応がとれるよう日ごろから研修を行い、学校の管理のもとで災害や事故が発生し
た場合には、直ちに保護者に連絡するとともに、適切な応急措置を行い、救急車の手配など関
係機関に通報、連絡すること。さらに、被災された児童とその保護者に対しては、災害の発生
原因、事実経過などについて速やかに情報提供を行う。事故後の報告書の作成に当たっては、
適切な手続のもとで被災者、保護者に確認を求め、被災者や保護者の意見が反映するものとす
る。もちろん、再発防止のために必要な情報は関係機関に提供する。
こういう提言を行っているんです。ということは、提言ですから、現場にはこういう状況に
なっていない。おととしの段階です。私は本当にこの文章を読むたびに、学校がそこまで追い
込まれている、そういう状況にあるのが残念でならないわけであります。こうした学会の提言
に対しての感想、御意見があればお聞かせをいただきたいというように思います。
特に、事故報告書には、被災された保護者の意見を正確に反映できる、そういうものに改善
する必要が一時も早く必要だと思うんです。このことに対する教育委員会の考え方をお聞かせ
をいただいて、2回目の質問を終わります。

○議長(高橋秀勝) ただいまの33番、橋本健二議員の再質問に対し、当局の答弁を求めま
す。
(教育長 坂野順一 登壇)

○教育長(坂野順一) 再質問にお答えいたします。
何点かございましたが、漏れている場合もあるかもわかりませんので、よろしくお願いいた
したいと思います。
まず、その原因の追究でございますが、これらについては学校の方も何度も関係者を呼んだ
りして調査をしているようであります。
また、これと関連するわけですが、いじめはあったのか、調査はしたのかということでござ
いますが、これらにつきましては、2月9日に、16年の2月9日でありますが、1年生5人、
2年生2人、3年生1人、8人に対して教諭が6人でありますが、基本的には個別に話を聞い
ていると。内容的には、当日の練習状況についての内容ということであります。
それから、校長の指導についてでございますが、これは1回目のところで御答弁申し上げま
したとおりでございまして、9月19日に職員会議等で指導したということになってございま
す。
それから、いわゆる5月と9月の事故の際には顧問はついておりましたが、10月18日につい
ては確かに顧問がついておりませんでした。
それから、部室として特活室として使っていたところを校長会の会場として使っていたよう
でありました。これは事故が起きる前までにはそういうような使用をしていたということで、
事故後はそういうふうな柔道の授業で使用するだけであったということであります。
それから、生きた教育関係で、教員の当然被害者といいますか、被災者を前にした部分での
救急車を呼ばないということは、これは大変なことでありますが、10月18日におきましては報
告では先生方は呼んだと、自分の判断で呼んだということになってございます。
それから、教頭の恫喝という話が出ておりますが、これにつきましては、教頭がその柔道部
員から前回に聞いたときの内容と違っていたので、「なぜその最初に聞いたときに言わなかっ
たんだ」という思いで思わず大きな声を出して指導してしまったと。この件については保護者
に謝罪して了承をいただいているという報告を受けておりますが、部員の立場に立った話の聞
き方についてきめ細やかな配慮が不足していたのではないかなというように考えております。
それから、救急車の呼べない状況というのは、全国にあるのかもわかりませんけれども、須
賀川市には恐らくないのではないかなという、これはわかりませんが、教育者としては当然の
行為でありますので、マニュアルが先行するということは考えてございません。
それから、被害者の声を入れた報告書等の、これは日本教育学会との提言の感想とも重なり
ますけれども、これにつきましては、やはり理想といたしましては双方が納得できるものであ
ると、そういうものであるというふうに考えてございます。
それから、学校の救急体制といいますか、これでございますが、各学校では校内でのけがな
ど緊急時に対応した応急体制を組織して、迅速、的確に対応できるようにしてございます。当
然その救急救命法の技能等の研修会なども須賀川消防署等の関係機関の協力を得て実施してお
ります。
以上でございます。

○33番(橋本健二) 3回目の質問をいたします。
この事故に関しては、何度も保護者に対して謝罪を行っている、こういうふうに聞いており
ます。しかし、私は思うのですが、事故の原因をしっかりと究明しないままに何度謝罪されて
も、これは空疎なものにしか感じられないと思うんです。もちろん、正式な謝罪、そうも言え
ないものだろうと思うんです。学校という場で起きた事故、部活動の中で起きた事故、部活動
を監督すべき先生が別なお仕事をされているという中で起きているということ、救急車の手配
も遅れたということ。まさに今刑事告発されているわけなんですけれども、この刑事的な責任
を問われる前に、私は学校と教育委員会の道義的な責任が強く問われているのではないかと思
うんです。このことを改善をしてほしいというのが、今保護者の切実な願いであります。
同時に、これは私は子供を学校に託している保護者の皆さん方の共通した思いではないかと
思うんです。先ほど冒頭紹介しました子供の権利、子供たちに思いやりを、いたわりを教える
のであれば、この「我が子の未来が突然奪われてしまった」、この御両親のお気持ちをしっか
りと受けとめて、それこそ原因究明でもこれからの対応でも、教育者としての範を示していた
だきたいと心から思うんです。そうしたことが今できないということであれば、教育の現場、
多くの市民の皆さんは不思議なところだと、こう思わざるを得ないというふうに思うんです。
昨日の議会の中で、教育長は教育の基本について述べられております。今回の事故に関する
対応を見てみますと、きのうの教育長のあの力強い発言が本当にそらぞらしく思えてならない
わけであります。
これまでの学校と教育委員会の対応は、事故の徹底究明や再発防止、こういう点では不十分
だろうと思うんです。特に、子供たちの命と安全は絶対条件で事に当たる、こういう姿勢が伝
わってこれない。ぜひ改善をしてほしいんです。その改善のお気持ちについて、ぜひお考えが
あれば聞かせていただきたいというように思います。
学校には国民から委託された国民の命と生活を守る大事な役割がございます。この立場を、
役割を自覚されて学校の安全対策に取り組むべきだと思いますが、このことにつきましては、
教育長だけではなくて、教育委員長の方からもお考えをお聞かせいただきたいというふうに思
います。そのことをお願いしましてこの問題の質問を終わらせていただきます。
○議長(高橋秀勝) ただいまの33番、橋本健二議員の再々質問に対し、当局の答弁を求めま
す。

(教育委員長 古? 恂 登壇)
○教育委員長(古? 恂) まず最初に、今回学校管理下のもとで起きました事故に対しまし
て、その事故に遭われた女子柔道部員の方のまず一日も早い回復を心よりお祈りを申し上げた
いと思います。また、保護者の方への多大な御迷惑と御心配をおかけしましたことにつきまし
ては、心からおわびを申し上げたいと思います。
教育委員会におきましては、この事故の件につきましてはいろいろ報告を受け、その概要な
どにつきましての説明を受けて、その状況についての検討を進めてまいってきたわけです。現
在はその状況の推移を見守っているというところでございます。
学校は本来子供たちのすこやかな成長と自己実現を目指して学習活動を行うところであるわ
けです。その基盤として、安全で安心な環境が確保されていることが必要だろうと考えており
ます。学校管理下の事故であることから、事故の再発防止に向けて、ソフト、ハード面の両面
において部活動の安全な指導のあり方や施設の安全点検などについてもいろいろと指示をして
まいってきたところであります。
今後は今のこの学校の中で、教育活動の中で行われているさまざまな安全面に対する問題点
があろうかと思います。そういう問題点をさらに点検をしまして、それから学校、また教育委
員会からのいろんな情報があります。そういうものをとらえまして、さらに事故防止に努めて
まいりたいとそのように考えております。
なお、そういうことを踏まえながら、いわゆる充実した教育活動の推進に私たち邁進してま
いりたいとそういうように考えております。今後ともよろしく御指導、御支援をお願い申し上
げたい、そう考えております。
以上でございます。

(教育長 坂野順一 登壇)
○教育長(坂野順一) 再々質問にお答えいたします。
まず、改善してほしいということでございますが、まず初めに、その就任する以前に副顧問
が刑事告訴という異常な事態でありましたが、出ておりまして、それの推移を見守っている状
態であったということが一つ追及が遅れている部分なのかなというふうにも考えてございま
す。まず、御両親と学校ですね、あと教育委員会がそれぞれ同じテーブルといいますか、まず
お話し合いをできるような環境づくりというのが必要なのかなと。その中でお話を詰めていく
と。それがまず先決なのかなと思っております。これらについては教育委員会が積極的にやっ
ていきたいなと思いますし、御両親の方も学校も協力していただきたいというように考えてご
ざいます。
以上であります。

○33番(橋本健二) ありがとうございました。