■2026年8月号

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バイオジャーナル

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●欧州事情
●欧州委員会が動物のゲノム編集に積極姿勢

 欧州委員会が植物のゲノム編集技術を規制緩和して容認したのに続き、家畜など動物への遺伝子操作技術導入は、「経済と環境の両方に利益をもたらす」と表明した。欧州委員会のこの新たな方針は主に、ゲノム編集を用いて筋肉の成長にかかわるミオスタチン遺伝子を壊し、肉厚の家畜の生産を想定している。しかしこのゲノム編集技術は、日本ではリージョナルフィッシュ社が魚で応用し、背骨に異常が起きるなど動物福祉に反することが指摘されてきた。欧州委員会の経済利益を優先する今回の方針について環境保護団体などは、動物福祉だけでなく動物の健康、農業や環境、消費者保護にリスクを発生させると批判した。〔Testbiotech 2026/7/9〕
●北米事情
●トランプ政権によるバイエル社救済策、最高裁判決に反映

 米連邦最高裁判所はバイエル社の除草剤ラウンドアップの発がん性をめぐる訴訟で、州裁判所などに「警告不足を理由に提起された訴訟」など、多数の被害者の訴えを制限する判断を下した。判決は7対2で、バイエル側の主張を認めたもの。2月18日、トランプ大統領はバイエル社の救済に動き、「元素リンおよびグリホサート系除草剤の供給を確保することで国家防衛を促進する」大統領令に署名した。最高裁はこのたびトランプ大統領の意向に沿った形で、バイエル社勝訴の判決を下した。
このグリホサートを主成分とする除草剤ラウンドアップをめぐっては、米国では非ホジキンリンパ腫などのがんや健康障害を発症させた被害者が、ラウンドアップを開発し販売してきた米モンサント社を訴え、10万人を超えるマンモス訴訟となっていた。2018年、バイエル社がモンサント社を買収、裁判は同社に引き継がれた。今回の判決により、多くの訴訟が却下される可能性が出てきた。環境団体などは「公衆衛生にとって重大な打撃だ」と批判した。〔Reuter 2026/6/25〕
●アジア事情
●フィリピン政府が新たなGM稲を承認

 フィリピン政府は、新たなGM稲「HIZ039」を承認した。このGM稲は、鉄と亜鉛の含量を増やすように遺伝子を組み換えたものである。承認に対して市民団体のMASIPAGは、これまで政府が承認したゴールデンライスもBtナスも、裁判所が「政府の承認に重大な欠陥がある」として栽培を認めていないが、その問題をそのままに新たなGM稲を承認したとして強く非難した。さらに、フィリピン政府が、鉄と亜鉛の含量を増やしたこの稲とゴールデンライスを一体化した稲の開発を進めていることに対しても強く批判した。〔MASIPAG 2026/7/2〕