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第173号 分詞構文-2

=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英語の文法と語法    No.173    20110121   Chick Tack
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             ● 第173号 ●

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 Contents         分詞構文-2
………………
       (1)同時に二つの動作をする

       (2)一つの動作中に別の動作をする

       (3)一つの動作に続き、すぐ別の動作をする


………………………………………………………………………………………………
(1)同時に二つの動作をする
………………………………………

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ・二つ以上の出来事が同時に起こっている時、一方の動詞を
     分詞で表すことができる。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 (a) A man ran out of the house shouting.
 (b) A man ran out of the house and he was shouting.
  (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#egu
    「その家から、ひとりの男が叫びながら走り出てきた」
    「その家から、ひとりの男が走り出てきた。彼は叫んでいた」

  同じ〔主語〕に対し、二つ(以上)の〔動詞〕をつけるとき、一方を〔現在
  分詞〕で書くことができる。

  (a)では ran の〔動作主〕も a man であるし、shouting の〔動作主〕も
  a man である。

  (b)のように EGU では〔and節〕に書き換えている。and は〔等位接続詞〕
  なので〔副詞節〕とは言い難いが、(a)では shouting を ran と対等とは考
  えていないのだろう。shouting は〔副詞〕の働きをしていると考えられる。

  〔分詞〕を含む〔句〕と〔本動詞〕を含む〔主節〕の順序は、どちらを先に
  置いてもよい。〔分詞句〕が〔主節〕中に割り込むこともある。


  2つの動詞が同時に起こっている場合、どちらの動詞を〔分詞〕にしてもよ
  い。ただし、〔分詞〕動作の方が背景となる。

 (c) Strolling (=While I was strolling) about the park, I thought of  
  Mary.「公園をぶらつきながら、メアリーのことを考えた」
 (d) Thinking (=While I was thinking) of Mary, I strolled about the
  park.「メアリーのことを考えながら、公園をぶらついた」
  (安藤貞雄著『現代英文法講義』開拓社、15.5.3.A.3)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#lmeg

  『現代英文法講義』では、背景つまり〔分詞〕の方を「~しながら」と訳出
  している。


………………………………………………………………………………………………
(2)一つの動作中に別の動作をする
………………………………………………

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ・一つの動作中に別の動作が起きるとき、長い方の動作を
     分詞で表すことができる。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 (a) Walking along the stream, I met a group of hikers.
   「流れに沿って歩いていると、ハイカーの一群に会った」
  (『徹底例解ロイヤル英文法』宮川幸久、綿貫陽、須貝猛敏、高松尚弘著)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#royal
   = While I was walking along the stream, I met a group of hikers.

  「歩いている」という動作が続いている期間の一部の時間で「会った」とい
  う動作があった。動作が長い方の walk が〔現在分詞〕になっている。

  walk の方が背景の動作ということもできる。(1)の(c)(d)などと、明確
  な違いがあるわけではないと思う。高校生の時は、when や while を使った
  〔節〕で書き換えられる場合は〔時〕という分類で覚えた。その分類に従え
  ば(1)の(c)(d)も(2)の(a)も同じ仲間である。そう分けている文法書
  も複数ある。

  (1)(b)のように and を使って書き換えられる(a)は、高校時代、〔付帯
  状況〕に分類されると機械的に記憶していた。


 (b) Chewing her gum quickly, she spoke loudly.
   「ガムをくちゃくちゃ噛みながら、彼女は大声で言った」
 (c) She spoke loudly as she chewed her gum quickly.
  (安藤貞雄著『現代英文法講義』開拓社、15.5.3.A.3)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#lmeg

  『現代英文法講義』では、上の例文を〔付帯状況〕の項目で紹介し「Aしな
  がらBする」と訳の型を示している。

  さらに同書は、「このタイプは as 節で書き替えることができるが、(c)で
  見るように、その場合もAの動作が as 節に生じる」と記している。

  as は「~ときに」という〔時〕も「~なので」という〔理由〕も表すこと
  ができる。高校時代には〔分詞構文〕を〔接続詞〕を使った〔節〕で書き換
  え文を作らされた。どの接続詞を使えば良いかわからないことがよくあった
  が、「えーい、as を使ってやっておけ」というふうにいい加減にやってい
  た。今現役の高校生も、そうやっている人が結構いるのでは?

  実は、〔付帯状況〕か〔時〕なのかという区別が、いまだにできないことも
  多い。「分詞の動作をしていたときに主節が起こった」ということを伝えた
  いときは〔時〕、「主節が起こったとき、そう言えば分詞の動作もしていた
  な」と伝えたいときは〔付帯状況〕なのだろう。受け取り方は、聞き手に任
  される。特に区別する必要もないのだろう。


………………………………………………………………………………………………
(3)一つの動作に続き、すぐ別の動作をする
…………………………………………………………

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ・同一主語の一つの動作のあと、すぐに別の動作が続くとき
     先の動作を(現在)分詞で表すことができる。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 (a) Putting down my newspaper, I walked over to the window.
 (b) After I had put down my newspaper, I walked over to the window.
  (“Practical English Usage 3rd Edition”Michael Swan, 411.3)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#peu
    「新聞を置いて、私は窓のところまで歩いて行った」

  (b)の〔after節〕を見て欲しい。“had put”と〔過去完了〕になっている。
  walked よりも〔過去〕の動作なので、〔過去完了〕を使っている。過去完
  了については、下記のページに記事がある。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/011-020/egu017.html#1

  put down は walk over よりも過去の出来事なので、厳密に言うと〔分詞構
  文〕を使う場合、(a)のような Putting ではなく、Having put を使う。

 (c) Having put down my newspaper, I walked over to the window.

  put は〔過去分詞〕。Having put の部分を〔完了分詞〕と呼ぶことがある。

  しかし、前後が明らかな場合は〔完了分詞〕を使わずに、(a)のように先の
  動作を〔(現在)分詞〕で表す。

  ただし、動作の順序どおりに、〔分詞〕を〔本動詞〕より先行させる。


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 (d) Eating his dinner he rushed out of the house.
  (“A Practical English Grammar”A. J. Thomson & A. V. Martinet,  
    276.B)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#peg

  (d)は、「彼は夕食を食べた後で、家から飛び出した」と解釈できる。しか
  し「彼は夕食を食べながら、家から飛び出した」という印象を与えることが
  あるかもしれない。

  〔完了分詞〕を使えば、それは避けられる。(e)のようにすれば賢明である。

 (e) Having eaten his dinner he rushed out of the house.
  (“A Practical English Grammar”A. J. Thomson & A. V. Martinet)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#peg
   「彼は夕食を食べ、家を飛び出した」
   「彼は夕食を食べ終え、家を飛び出した」
   「夕食を食べた後、彼は家を飛び出した」


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 参考文献  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
……………… http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html
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● あとがき

 背中のしびれを主治医に訴えたら、運動不足を指摘されました。運動不足・睡
 眠不足・生活資金不足と不足だらけ。「足るを知る」の境地に至る努力と軽い
 運動をしてみます。


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 今年(2011年)の大学入試センター試験に、2009年7月に記事を作った put
 on weight が出ていました。
 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/121-140/egu130.html#challenge


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        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2011
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