| 日本政府は5月4日、ヒト胚等のゲノム編集技術の臨床応用に関して、法的規制を行う方針を示した。ゲノム編集で作成した受精卵を子宮に戻すことを禁止し、違反した場合は罰則を設けるとしている。これによりゲノム編集ベビーの誕生は規制される。2018年に中国でゲノム編集ベビー誕生が報道され、世界的に大きな批判が起き、各国で法規制が進んだ。しかし日本では倫理指針の規制のみで、法的規制は行なってこなかった。ここにきてやっと動き出したといえる。
日本では2025年、厚労省、文科省、こども家庭庁により合同会議が立ち上げられ、臨床応用の法的規制に向けた動きが始まった。会議では、ゲノム編集で作成した受精卵の扱いについてのみ検討され、子宮への移植を禁止し、違反した場合は罰則を設けるという内容が法案にまとめられ、2026年の通常国会に提出することになった。従来の倫理指針では違反しても罰則がなかったため、実効性を持ったものにする予定である。
しかし、現在検討されている法規制の内容は、ゲノム編集ベビーの誕生につながらないよう、受精卵を子宮に戻すことを規制しているだけで、基礎研究については容認している。政府はiPS細胞、ES細胞を用いた受精卵作成を規制する指針についても議論してきたが、内閣府の生命倫理専門調査会が、研究目的での作成容認を打ち出したため、規制しないことになった。そこでは基本的に、培養期間は14日までとしている。このようにヒト胚の作成や操作については、研究目的であればすべて容認する方針となった。しかし、その根拠は示されていない。
ゲノム編集はいま、エピゲノム編集など技術の範囲が広がっており、どこまで規制されるのか懸念されるが、その範囲についても「政令で規定する」と、あいまいなままである。このままでは、ヒト胚を用いた操作は、研究という名で野放しになりかねない。
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